京都聖マリア教会 月報「コイノニア」
1998年4月号(No.176)


主の復活とは?

牧師 司祭 イザヤ 浦地洪一

キリストの復活とは
 どんなことが起こったのですか?

私たちが手にする聖書には、4つの福音書があります。イエスの教え、宣教活動、奇跡物語など伝記のようなかたちで記されています。4つの福音書には、重複した記事もありますし、それぞれが独自の出来事を記したところもあります。
たとえば、クリスマスによく読まれるキリストの誕生物語については、マタイとルカの福音書には記されていますが、マルコとヨハネの福音書には、何も記されていません。 しかし、それに比べて、キリストの十字架上の死の出来事と復活の出来事については、4つの福音書とも述べています。それも、多くの行数、ページ数を使って紹介しています。初代教会の人たちにとって、十字架と復活がいかに重大な出来事であったかがわかります。キリストの復活について、よみがえる瞬間を見た人はいませんので、どんようにして復活されたのか、具体的な出来事として、何が起こったのかわかりません。
ただ、わかっていることは、イエスが十字架に掛けられて息を引き取ったあと、弟子たちや女の人たちは、あわてて遺体を十字架から降ろし、アリマタヤのヨセフが持っているお墓へ葬ったということです。そして、一日おいて、三日目の朝、一週の日の朝早く、まず、女の人二人が、イエスを葬ったお墓へ出かけて行きました。するとお墓の入口の石が横に取りのけられてあって、遺体を安置してあった所が空っぽになっていました。びっくりした二人は弟子たちにそのことを知らせに走り、弟子たちも空になったお墓を確認しました。

キリストの復活の意味は
何ですか?

 事実としては、このようなことですが、弟子たちをはじめイエスに従っていた人たちは、この出来事をさらに信仰的に受け取ったのです。第一に、ユダヤの人たちは、その以前から、死者の復活はありうるかということが盛んに議論されていました。第二に、イエスご自身が、三日後によみがえるであろうということを予告しておられました。第三に、復活したイエスが、たびたび現れ、そのイエスに出会ったという人たちがあらわれました。第四に、聖霊の力がこの集団に働き、彼らを突き動かしたのでした。彼らは、イエスが十字架の上で死なれた事実と同じように、イエスの復活の事実を証ししました。十字架の上で息を引き取られる姿を見ている限りでは、弟子たちは、絶望のどん底に陥りました。この方こそ「救い主」、この方こそ「神の子」と信じて、すべてを捨てて従った人たちの目の前で、その方はあっけなく死んでしまったのですから。さらに、自分たちも捕らえられるのではないか、殺されるのではないかという、不安と恐怖に襲われ息をひそめて成り行きを見守っていました。そこへ「主は復活された」というニュースが飛び込んできたのです。死んだようになっていた彼らがまず生き返りました。「あの方こそ神の子であった」、「あの方こそ神さまがこの世に送ってくださった本当の救い主だったのだ」という信仰が沸き上がり、彼らの生きざまが変えられていきました。この時から教会が始まったのです。

復活の喜びとは何ですか?

人間は、さまざまな苦しみ、悩み、悲しみを持っています。お金のことや人間関係のことや、病気のこと、死の問題などなど、それぞれに悩みは尽きません。わたしたちは、救いを求めています。聖書では、これらの問題の解決のためには、神さまとの関係を正しくしなさいと教えます。神を神としない。神に背く、神以外のものを神とする。その状態を罪といいます。日常の生活の中に起こってくる悩みの原因をつきつめると、罪の結果だということになります。この罪から解放されること、そのことが救いです。
神さまは、私たち人間の罪の解放のために、ひとり子を送り、その命を与えました。私たちと同じ肉体を持ったキリストは、私たちと同じ苦しみを受け、死なれました。しかし、よみがえることにより、死にうち勝ち、神の栄光を現わされました。第一に、主の十字架と復活によって、神の救いのみ業が明らかにされたということです。第二に、私たちは、洗礼を受けることによって、キリストと共に死に、キリストと共によみがえることが約束されました。第三に、よみがえったキリストは、時間と空間を越えて、いつも私たちと共にいて下さいます。主のよみがえりこそ私たちを罪と死の鎖から解き放す、神の救いの業なのです。
復活の喜びとは、囚われ、閉じこめられていた私たちの心が、魂が、体が解放され、自由にされた喜びです。心から感謝と賛美の声を上げましょう。


イースター礼拝

1998年4月12日(日)午前10時45分より
京都聖マリア幼稚園ホールにて
礼拝後「イースター祝会」
司会=南寛兄


三月度教会委員会報告

3月1日礼拝後、会館2階において、3月定例教会委員会が開催されました。次のようなことが協議されました。
一、報告事項
▽来る3月29日、武藤教区主教をお迎えして、洗礼式および堅信式が行われる。村田洋子さん、森田朋宏さん、松田朋子さん、森田侑人(幼児洗礼)が準備中である。
▽来る3月29日、京都復活教会をお借りして、新実順男さんと福井あづささんの結婚式が行われる。
▽青年会ー毎月第3木曜日の夕に誕生会を行う。また、5月4日・5日、芦生キャンプ場において、若生のんびりキャンプを予定している。
▽ジユニアチヤーチ―4月5日・ジュニアチヤーチ歓迎会。4月12日・イースター大文字早朝礼拝(午前4時30分教会集合)を行う。
▽聖マリア幼稚園―3月19日、1997年度卒園式が行われ、17名が卒園する。来年度園児数は、55名でスタートする予定。
▽建築委員会 礼拝堂建築について、設計事務所(8社)から奇せられた資料にもとずき、一定の基準に従って選考の作業を行い、4社に対して、さらに詳しい資料を求めることにしたことが報告された。アンケート形式で、答えてもらうこととし、その文案を検討した。教会委員会としてこれを了承した。
▽募金委員会―外部募金の趣意書発送の作業を行っている。
二、協議事項
▽2月末の会計報告を承認した。
▽1998年度受聖餐者総会を振り返った。
▽今年の復活日(イースター)は、4月12日。例年のように礼拝を守り、祝会について、司会進行係を南寛委員にお願いすることにした。
▽宗教法人の一元化について教区から呼びかけられているが、その受け皿として、野嶋久暉委員に担当して頂くことにした。
▽芦生キャンプ地の管理担当を佐々木亨委員にお願いすることにした。
▽橋本キリスト教会のお貸ししている礼拝堂建築資金について、返済の申し出でが合った。聖職と信徒のお礼の訪問について、さらに日程を打ち合わせることにした。
▽建築委員会と募金委員会の合併と再構成について、昨年から両委員会が合併することがよいのではないかと提案され、両委員会からも同意されているので、「建築・募金委員会」(仮称)とし、十名位の委員構成を考えることにした。具体的な人選等も含めて、新実建築委員長、谷募金委員長および牧師が案を作り、4月の教会委員会に提案することにした。


募金委員会からのお願い

 募金委員会は、実質上の仕事(名簿の整理、外部趣意書の発送)等に大変手間取り、ようやく一連の外部趣意書の発送に漕ぎ着けました。中でも特に、伝統ある我が聖マリア幼稚園の卒園生の数は大変なもので、一部160円の郵送費も馬鹿になりません。その8割以上が教会から徒歩で行ける範囲なので無駄な経費を削減するため、郵便屋さん代わりにポストに配達していただきたいのです。教会会館の長机に町別に並べています。可能な範囲でご協力お願いいたします。残りは発送します。


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