京都聖マリア教会 月報「コイノニア」
1996年12月号


彼らの泊まる場所が
   なかったからである。

司祭 浦 地 洪 一

 「ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、初めて
の子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場
所がなかったからである。」  (ルカ二ノ七)
 子どものクリスマスの聖劇ではこの個所ほほえましく、かわいい場面であ
る。舞台の一方に扉のセットがあり、薄暗くなった舞台をヨセフさんとマリア
さんが手をつないでぐるりと回る。そして、扉の前に立ち、扉を叩く仕草とと
もにセリフを言う。「トン、トン、トン、開けてくださいな」中から宿屋の主人が
現れて、「何かご用ですか」「マリアはお腹が大きく、今にも赤ちゃんが産ま
れそうです。今晩ここに泊めてくださいな」 宿屋の主人は、腕組みして、首
を横にふり、「どの部屋もお客が一杯です。ほかへ回って下さいな」。ピシャ
リと扉が閉められ、ヨセフとマリアは再び手をつないで舞台を一周する。同
じセリフが三回も繰りかえされ、最後の宿屋の主人は言う。「どの部屋も一
杯です。だけど馬小屋なら空いています。そちらへどうぞ」。ヨセフとマリア
は、ホッとした顔をして扉の中へ入る。
 聖劇ではわかりやすい、かわいい場面であるが、イエスさまが産まれた
当時の真相はわからない。
 時のローマの皇帝アウグストゥスは、全領土の住民に自分の故郷へ帰っ
て、そこで住民登録をさせた。その地方の人々はみな一斉に出身地へ帰
らせられたのである。ヨセフとマリアはナザレに住んでいたが、出身地のベ
ツレヘムへ帰って来た。その時、マリアは身重であった。小さな寒村ベツレ
ヘムでは宿屋も少なく、どの家も、帰省客でごったがえしていた。へやの中
は暖かかく、明るかったが、旅人の自慢話や笑い声、酒や食べ物の臭い
が満ちていた。
 ヨセフとマリアは、その部屋には入れてもらえず、隣の馬小屋に案内さ
れ、マリアはそこで男の子を産み、その子どもは飼い葉桶に寝かさてい
た。「宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。」 前の聖書協会
訳の聖書では、「客間には彼らのいる余地がなかったからである。」と訳さ
れていた。
この言葉は、非常に象徴的である。喧噪と食べ物と煙とアルコールの渦
巻く客間は、今日の世界を表している。この世に、神のひとり子がお産まれ
になったのに、この方を泊める場所、余地はなかったのである。
 宿屋の客間は、実は、私たち一人一人の心を象徴しているのかも知れな
い。豊かさ、便利さを飽きることなく求め、飽食と快楽が渦巻き、欲望の満
足と野心の追求、忙しい、忙しいを連発している私たちの心は、旅人で
ごったがえす宿屋の客間ににている。
クリスマスが来たのに、イエスさまをお入れする余地がない。イエスさま
をお迎えするために、まず泊まっていただく部屋を掃除しなければ‥‥
‥。


阪神大震災復興募金
お忘れの方はお早目に!

 阪神大震災で壊れた教会施設を建て直すため、復興募金が募られてい
ます。マリア教会にも昨年の受聖餐者二二〇名をもとに三三〇万円の募
金が割り当てられています。教会員の皆さんには既に募金をお願いしてい
ますが、十二月一日現在の献金額に来年の六月までの分割申込額を加
えても一四一万円(八十五人)にしかなりません。このままでは、割り当て
の三三〇万円に対して約一九〇万円が不足し、一般会計から補填せざる
を得ません。
 お忘れの方は、お早目に教会会計までお申し込みください。分割は来年
六月まで可能です。


今年のマリアのクリスマス

総員礼拝
 月日 十二月二二日(日)
 時間 午前十時四五分〜
 場所 幼稚園ホール
 礼拝 聖餐式・説教
司式説教 浦地洪一司祭
祝 会(礼拝終了後)
 場所 会館集会室
 司会 服部卓爾兄
礼拝堂の建築について
話し合う会(祝会終了後)

 主イエスは、ベツレヘムの馬小屋で生まれ、飼葉桶に寝かされていまし
た。私たちの今年のクリスマスは、立派な礼拝堂で礼拝をささげることは
出来ません。幼稚園のホールで礼拝をささげます。しかし、馬小屋のイエ
スさまを礼拝するに最もふさわしい姿かもしれません。狭い部屋で詰め
合って礼拝をささげようではありませんか。そして、主のご降誕を祝い、感
謝する心のこもった礼拝をささげたいと思います。
 礼拝後の祝会は、例年のように「持ち寄り」の食事にいたします。何か一
品持ち寄ってみんなで楽しく戴きましょう。いろいろな都合で持って来られ
ない方もいますので、その方の分もちょっとだけ多い目にお持ちください。
 祝会の後、礼拝堂の建築について、みんなで話し合います。来年二月一
六日(日)の受聖餐者総会において、新しい礼拝堂の建築構想をみんなで
決めたいと思います。その前にみんなで話し合いましょう。ぜひ、ご参加く
ださい。

クリスマス・イヴ・礼拝
キャンドル・サーヴィス
 日時 一二月二四日(火)
 時間 午後七時三〇分〜
 場所 幼稚園ホール
 礼拝 七つの日課による
    唱詠夕の礼拝
司式・メッセージ
    浦地洪一司祭
    京都聖マリア教会
    聖歌隊

 一人ひとりロウソクを手に、聖歌を歌い、み言葉に耳を傾け、静かにお祈
りをささげましょう。今年から口語祈祷書による「唱詠夕の祈り」を用いま
す。ご家族、お友だちを誘い合わせてぜひご出席ください。

クリスマス・イヴ・
      深夜礼拝
 月日 十二月二四日(水)
 時間 午後十一時三〇分
 場所 幼稚園ホール

降誕日礼拝(聖餐式・説教)
 月日 十二月二五日(水)
 時間 午前十時四五分
 場所 幼稚園ホール

幼稚園のクリスマス
 月日 十二月一九日(木)
 時間 午前十時四五分
 場所 幼稚園ホール

先日、聖マリア幼稚園にサンタさんがやって来ました。サンタさんを目の
前に、質問する子ども、硬直している子ども、サンタさんと一緒にピースを
して写真を撮ってもらっている子ども・・・・と様々でしたが、みんなプレゼン
トをもらってとても嬉しそうでした。その楽しいクリスマスパーティーが終わ
ると、すぐにやってくる1年の中でも最も大きな行事が、クリスマスぺージェ
ントです。それぞれの役が決まり、毎日一生懸命練習をしています。もちろ
ん、コーラスをされるお母さん方も一生懸命です。
今年は、礼拝堂がなくなってしまったため、幼稚園ホールに舞台を作って
のページェントです。戸惑いながらも、一生懸命練習をして当日を迎えよう
としています。
園児たちの頑張っている姿を見ていると、聖マリア幼稚園の卒園生が、
ページェントの事、自分のした役のことをいつまでも思い出として残ってい
ることが納得出来ます。今年のページェントも思い出深いものとして、園児
たちの中に残りますように・・・。

幼日曜学校のクリスマス
 月日 十二月二一日(土)
 時間 午後二時から
     午後五時三〇分
 場所 幼稚園ホール
    バプテスト病院
 会費 五〇〇円

バタバタと日々が過ぎていく中、もうすぐ日曜学校のクリスマス会を迎えよ
うとしています。普段から日曜学校に来ている子どもも久しぶりの子ども
も、みんなが楽しみにしているクリスマスです。
今年のクリスマス会は、十二月二十一日の土曜日。みんなと一緒に、イ
エス様のお誕生をお祝いし、イエス様を私たちに与えて下さった神様に
「ありがとう」と感謝の礼拝をささげます。礼拝の後は、お楽しみのお祝い
会。今年は例年とは違い、夕食は出ませんがお菓子の準備をするつもりで
す。その後、キャロリングへ出掛けます。今年は、バプテスト病院で私たち
の歌声を聞いて頂く予定です。教会に着いてからは・・・それは、当日のお
楽しみ。
お祈り頂きますと同時に、時間がありましたら、どうぞ足をお運びください。
※十二月十五日までにお申し込みください ┃

ジュニアチャーチの
      クリスマス
 月日 十二月一六日(月)
 時間 午後七時
 場所 教会会館二階

 ジュニアチャーチのクリスマスは、毎年たいへん盛り上がり、大騒ぎにな
ります。
 まず準備。午後六時に集まってごちそうを買い出しにいきます。メニュー
は例年決まっています。ケンタッキーフライドチキン、小僧寿司、ローソンの
おにぎり、ピザ(これは毎年南一家が差し入れしてくださるのです。感
謝!)、そしてクリスマスケーキ(これも毎年誰かが手作りしてくれます。今
年はどうなるか)。これらが一時間の準備の時間に教会会館二階のテーブ
ルに配置されます。
 さて、七時にパーティー開始。多分今年もいろいろおもしろい企画があり
ます。それは来てのお楽しみです。そしてメーンイベントは仁君の飾り付け
です。これはマリア教会ジュニアチャーチに十数年間伝わる行事で、油性
マジックで仁君の顔にペインティングして、その芸術性をみんなで評価し
合うものです。これがなかなかの楽しみで、ジュニアチャーチを卒業して、
就職して、忙しくしていてもその時間には間に合うように来るほどのものです。
 大騒ぎのうちに二時間が過ぎ、せわしなく五〇〇円のプレゼント交換をし
てお開きになります。
 このように、毎年同じことをしているのですが、なぜか飽きずにおもしろい
のです。これは実際に参加したものしか分かりません。ぜひその真相を明
らかにするためにみなさんもどしどしご参加ください。 

青年会のクリスマス
 月日 十二月二一日(土)
 時間 午後七時三〇分
 場所 教会会館二階

 何かキッカケを見つけては、集まろう!騒ごう!!と呼びかけている青年
会です。もちろん、クリスマスを逃すはずがありません。 青年会では、十
二月二十一日(土)午後七時三〇分よりクリスマス会を企画しています。ま
だ、内容は未定ですが、クリスマスをお祝いすると同時に、みんなで楽しい
一時を過ごせれば・・・と思っています。
 クリスマスも暮れも迫りつつ、お忙しいとは思いますが、「我こそは青
年!!」と思われる方は、ご参加ください。
 参加ご希望の方は、斉藤仁・浦地愛まで。

ボーイスカウトの
     クリスマス
 月日 十二月二三日(月)
 時間 午前一〇時から
        午後四時
 場所 教会会館集会室

 ボーイスカウトのクリスマスは、午前の礼拝(団行事)と午後からの祝会
(合同隊集会)の二部構成で開催されます。今年は、保護者の方に、礼拝
や子供たちの日頃の成果を見ていただくことに重点を置き、食事の準備や
後片付けを簡略化しています。業者からの配送によるカレーや昼食用食
器の持参も、そのための試みです。昼食後の祝会では、カブ隊は人形劇、
ビーバー隊はソング発表を行います。また、各自が作ってきた飾り付けに
よるクリスマスツリーづくりや、クリスマスケーキづくりなどで、楽しい一時を
過ごします。
 ボーイスカウト活動目標の一つに宗教心の涵養が挙げられます。キャン
プではスカウツ・オゥン(サービス)と呼ばれる礼拝を実施していますが、子
供たちが牧師による礼拝にふれる機会は多くありません。その意味から
も、クリスマス礼拝の厳かな雰囲気を体験することは意義あることだと思
います。今年は礼拝堂がないのが少し残念ですが、いつも子供たちが走り
回っている集会室が、礼拝の場となると厳かな空間に変身することを実感
するのも良い思い出になるでしょう。
   リノス 津田 繁


年末年始のプログラム

☆降誕後第1主日礼拝
 月日 一二月二九日(日) 時間 午前十時四五分〜
 場所 幼稚園ホール
☆除夜礼拝(聖餐式)
 月日 一二月三一日(火) 時間 午後十一時三〇分〜 場所 幼稚園ホール
☆元旦礼拝
  (主イエス命名の日)
 月日 一月一日(水)
 時間 午前十一時〜
 場所 幼稚園ホール
☆一九九七年度受聖餐者総会 月日 二月一六日(日)
 時間 午前十時四五分〜
 場所 幼稚園ホール


礼拝堂建築募金委員会より

 現在受聖餐者の皆さまには、先日、礼拝堂建築募金についてのおねが
い(募金趣意書)を郵送させていただきました。その趣意書でお願いしまし
たとおり、新礼拝堂建築のためにお祈りいただくと共に、献金申込書を提
出していただきたく存じます。
 献金申込書は、献金の区分、献金の方法、献金の期日、献金の総額等
をご記入いただき、建築する礼拝堂の規模や内容、工事に着手する時期
を定めるための、重要な資料となります。どうぞお願いしました方々全員
が、十二月末までに、この献金申込書をご提出くださいますようお願いい
たします。
 先月号のコイノニアでご説明いたしました通り、この申込書ついてのプラ
イバシーは可能な限り守られるようなシステムになっています。ご安心くだ
さい。
 また、教友の皆さま、幼稚園関係の皆さま、ボーイスカウト関係の皆さ
ま、その他マリア教会につながるすべての皆さまにも、近日中に新礼拝堂
建築についての募金のお願いをする事になります。その節はなにとぞご協
力をお願いいたします。


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