2011年5月



『イースター(復活日)』とイエス様の『ご復活』

 『復活日(イースター)』は、クリスマス(降誕日)と並ぶイエス・キリストのご復活をお祝いするキリスト教の最重要行事です。クリスマスは毎年同じ時期ですが、イースターは毎年変わります。ユダヤ教の習慣を引き継いで、春分の後の最初の満月の日の次の日曜日と定められています。早い年は3月20日過ぎですが、今年は遅く4月24日でした。約1カ月くらいの差があります。
 イースターのお祝いと言えば、「イースター・エッグ」卵になった理由ははっきりと分かっていません。雛が固い殻を突き破って誕生するという偉大な生命力。「生命(いのち)」を象徴するシンボルとして用いられるようになったのではと考えられています。
 さて、聖書ではこの『復活』をどのように記述されているのでしょう。十字架上の死から「3日後によみがえる」イエス・キリストの予告は、実現されることになりました。ご復活の場面は福音書によって少し異なっています。今年の復活日前後に読まれた『ヨハネ福音書』(20章)では、安息日(土曜日)が明けた日曜日の朝、マグダラのマリアともう一人のマリアがイエス様の墓に行くと、墓の中には遺体はありませんでした。すると「マリア」と呼ぶ声がします。何と亡くなったはずのイエス様ではありませんか。そして、夕方に弟子たちの前にイエス様が現れます。トマスはその場にいなかったためにこの話を疑いました。8日後に、イエス様はこのトマスの前に現れ「信じる者になりなさい」と言われました。そして続く21章では漁をしている七人の弟子たちに現れます。
 イエス・キリストの『復活』については、さまざまな解釈があります。しかしどのような形であれ、イエス様が実際に復活したことは、イエス様の弟子たちが証明しています。聖書(福音書)には、だらしのない弟子たちの姿が描かれています。その弟子たちがイエス様の死後、復活の出来事を通じて大きく変えられ宣教活動に邁進します。どんない迫害されても信仰を守り抜きます。何が彼らを変えたのでしょうか。弟子たちはイエス様を見捨てた罪悪感に捕らわれていました、しかしイエス様は一言も弟子たちを責めませんでした。このイエス様の深い愛と赦しにつつまれて、本当の信仰心に目覚めたのです。このイエス・キリストの『復活』は、私たちに勇気と希望を与えてくれると信じます。                     

日本聖公会 大阪教区 大阪聖パウロ教会(勤 務)
   聖職候補生 ジョージ 林 正樹