今月の特集

  1. 21世紀を生きる管区機構を目指して ―管区機構改革検討委員会から―
  2. 新刊紹介
    牛込宣教120周年記念特別号『光の矢』 日本聖公会 東京教区 牛込聖公会聖バルナバ教会
  3. 速報 人権問題担当者連絡協議会を開催
  4. 聖公会/ローマ・カトリック教会共通の「主の祈り」試用について 《資料再録》
  5. 出版物のご案内(1999年1月〜7月)
  6. 日系「聖十字教会」へ図書の寄贈を!


21世紀を生きる管区機構を目指して ―管区機構改革検討委員会から―  <TOP>

 われわれの身の回りに、望ましい21世紀の実現に向けて大きな社会的変革が日々起こりつつあり、教会もまた、それにふさわしい姿は何かを考えつつ、より広くみ言葉を伝えて行くように求められています。
第51(定期)総会において、このような課題に応えるべく、聖公会の将来に対する、もっとも適切な管区機構のあり方を検討し、成案をまとめることが決議され、「管区機構改革検討委員会」が立てられて、その役割を付託されました。
検討をはじめるにあたって、まず再確認しておかねばならなかった基本的な事柄は、日本聖公会における意思決定と、宣教を中心とする活動の主体となるのはどこか、ということで、ここで確認したことは次のとおりであります。
  (1) 管区の意思決定機関は総会である。
  (2) 宣教活動を実行していく主体は、管区ではなく教区である。
 この認識に立って、現在の管区の意思決定が時機にかなって適切になされるような仕組みになっているかどうかを見てみると、いくつかの問題があることがわかってきました。
 ひとつは、2年の間隔をおいて開催される総会と総会の間において、総会の代行をする役割を担うのはどこかということです。法憲法規によれば、常議員会は年1回の開催で、なおかつ、緊急かつ軽微な事項を審議すると定められています。次に、管区常置委員会ですが、この委員会は、管区事務所の監督と助言をするのがその役割です。したがって、臨機応変に意思決定をするという点では、制度上十分な働きができそうにありません。
 この点を改善するため、常議員会と管区常置委員会を一本化し、総会でないと議決できない最小限の重要事項を定めて、それ以外は新しい常議員会が機動的に意思決定をしていく方法を考えています。
 もうひとつの課題は、管区の諸委員会の役割と位置づけについてであります。総会において、その時々の必要に応じて委員会が立てられています。この委員会の働きについては、総会という多人数の会合に、2年に1回報告することが義務づけられているだけで、管区事務所や教区とのつながりは必ずしも明確ではありません。特に、管区事務所の働きの中心となる、管区担当主事との連携をどうしていくかが、十分に取り決められていないので、今後の大きな社会変動に対して、管区全体として効果的に対処していけるのかどうか疑問が出されています。
 この点を一元化し、より効果的な運営ができるようにするため、管区の諸委員会を原則として、管区担当主事のもとに置く方向で検討を進めています。なお、この場合でも、担当主事のもとに置くのが難しいと見られる委員会については、管区総主事、あるいは総会議長の直轄担当とすることになるでしょう。
 また、こうした委員会の役割は周囲の状況に応じて時々刻々変化して行くでしょうから、特別な目的をもって立てられた、いわゆるタスクフォース的な委員会については、原則として存続期限を定めて、期限毎に継続の必要があるかどうかを再確認することが望ましいと考えられます。
 今後、管区機構改革検討委員会では、関係各位のご意見、ご助言をいただきながら、引き続きいろいろな課題についての検討を進め、来年の総会までに成案をとりまとめて参りますので、よろしくご協力いただきますようお願いします。

(委員長 西村 逸郎)<TOP>


新刊紹介

牛込宣教120周年記念特別号『光の矢』 日本聖公会 東京教区 牛込聖公会聖バルナバ教会

 1873(明治6)年、英国の宣教団体SPG(福音宣布協会)のショーとライトの二宣教師が日本の地を踏んだ。ライト師は明治8年、牛込区四谷箪笥町22番地に仮会堂を組織し、平日は普通教育、夜は伝道活動の拠点とした。これが聖十字仮会堂で、1878(明治11)年市ヶ谷本村町に移転して市ヶ谷会堂と呼ばれた。ライト師によって洗礼を受けた牛込区居住者が同区古川町に講義所を設けて、これが同区水道町2番地の会堂となっていく。聖バルナバ教会の前身となる「牛込昇天教会」である。
 1878(明治11)年5月に献堂式を挙げている。翌年、市ヶ谷会堂が暴風によって倒壊し、この会衆が牛込昇天教会に合流して同教会は大いに興隆した。1897(明治30)年、昇天教会が老朽化したため、牛込赤城坂下に新会堂を建築、6月12日に「捧堂式」を行い、同時に名称を「聖バルナバ教会」と改めた。1945年(昭和20)、教会は空襲による戦火をうけて消失、跡地に建てられた牧師宅で礼拝が行われた。52年(昭和27)、現在の新宿区矢来町65番地の地に、木造平屋建ての仮聖堂が建設され、以後約40年間にわたり礼拝が捧げられた。
 1982年(昭和57)、教会の将来計画を検討する「バルナバ特別委員会」が東京教区に設置されて構想を練り、聖バルナバ教会の土地に日本聖公会センターと聖バルナバ教会を共に建設することとなった。90年(平成2)約6億円の予算で建築工事が始まって2年後の92年2月15日に日本聖公会センターの落成式が、3月1日に聖バルナバ教会の献堂式が相次いで行われた。
 ──以上が、この教会の所在地と建物だけについてのまことに多彩な変遷であるが、ここに去来した聖職と信徒の活動を重ね合わせていけば、それは単なる一教会史の枠を越えて東京の山の手を中心とした教区史へと発展していく広がりを秘めていると考えてもよいのが、ここ牛込の地に続いてきた聖バルナバ教会の120年の歴史であろう。
 「牛込宣教120周年に寄せて」、竹田眞教区主教、加藤博道・小笠原忍・八木文子(八木立三執事夫人)・速水敏彦・後藤真・加藤俊彦師ら歴代の諸聖職がお祝いの言葉と思い出を寄稿され、関係者がそれぞれの立場から教会小史を綴り、信徒33人が教会への思いを記す。
 ──「この教会が“昇天教会”だった時代から今日まで、立派な建物だった時も「畳二十畳」の仮建築だった時も、さまざまな事情で「折りが良い時も」「悪い時も」(『テモテへの第二の手紙』第四章)教会を教会として守り導かれたのは、ただひたすら神の恵みだったことを、ご一緒に深く心にとどめたいと思うものです。」あとがきに記された加藤博道司祭の言葉をもって、『光の矢』牛込宣教120周年記念特別号の紹介を終わりたい。

(広報主事・鈴木 一)<TOP>


速報 人権問題担当者連絡協議会を開催

 7月14日(水)、15日(木)の二日間、第1回日本聖公会人権問題担当者連絡協議会を、管区事務所で開催した。日本聖公会各教区の人権問題への取り組み状況と、それぞれの抱える課題についての情報交換を行った。あわせて現在の日本社会における人権問題と運動その他の取り組みの現状について、部落解放・人権研究所所長の友永健三氏より講義を受けた。特に、現在、人権擁護推進審議会が「答申案」としてまとめつつあるものの問題点についての明確な指摘は、今後の日本聖公会における人権問題に取り組む方向と具体策を協議する上で参考になった。
 人権担当者・連絡協議会の各教区からの出席者は、北海道・須田明夫氏、東北・進藤栄子氏、北関東・小野寺達司祭、東京・高橋顕司祭、横浜・田澤利之司祭、中部・松本普氏、京都・塚田道生司祭、大阪・小川博司司祭、神戸・角瀬克己司祭、九州・太田国男執事(沖縄は欠席)。
 管区より竹田眞首座主教、高野晃一主教、輿石勇司祭(総主事)、前田良彦司祭(宣教主事)、田光信幸司祭(人権問題担当)、鈴木一(広報主事)が出席。
 はじめての連絡協議会の場で、人権問題への共通理解を深め、連携してこれからの課題に取り組む方向を確認し合った意義ある集いであった

(鈴木 一)<TOP>


聖公会/ローマ・カトリック教会共通の「主の祈り」試用について 《資料再録》

 日本聖公会主教会 議長 首座主教 竹田 眞

主の平和がありますように。
 日本聖公会とローマ・カトリック教会が、同じ「主の祈り」を捧げたいという願いをもって、両教会共通の「主の祈り」を訳出する作業が続けられて参りましたが、ついにそのテキストができ上がりました。(「管区事務所だより」1999年3月15日第133号2頁参照)
 ローマ・カトリック教会では司教総会がこの試用を認めましたので、全国の教会・修道会などですでに用いられています。
 日本聖公会では、主教会がこのテキストを教理礼拝組織調査委員に検討を諮問し、その答申を受けた後、去る6月15〜17日に開かれた主教会で検討し、このテキストによる「主の祈り」を、来年5月の日本聖公会総会に主教会から祈祷書改正議案として出すことを決めました。
 さらに、今回開かれた主教会では、全主教が、それぞれの教区で来年の総会まで、この共同の「主の祈り」の試用を認めることを申し合わせました。つきましては、どうぞ共同の「主の祈り」を、広く教会の公祷や個人の祈りで試用してくださいますようお願いいたします。
 なお、この「主の祈り」は、テキストにある通りの形式を尊重してくださいますようお願いいたします(1行ずつの祈りで、それをベタ打ちにしないでください。見本をご参照ください)。
 この共通訳「主の祈り」は現時点では「案」で、今後、聖公会とローマ・カトリック教会の「主の祈り」共通訳検討ワーキング・グループで試用状況を見ながら若干の変更を加えることもあります。(来年の総会までにはテキストが確定します)
 以上、この件についてのお問い合わせは、それぞれの教区の教区主教までお願いいたします。
 救主降生2000年6月8日に予定されております、聖公会=ローマ・カトリック教会合同一致祈祷会には、聖公会もローマ・カトリック教会も共同の「主の祈り」をお捧げできますようにと心から願っております。

聖公会/ローマ・カトリック教会共通訳
主の祈り(案)


天におられるわたしたちの父よ、
み名が聖とされますように。
み国が来ますように。
みこころが天に行なわれるとおり地にも行なわれますように。
わたしたちの日ごとの糧を今日もお与えください。
わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人をゆるします。
わたしたちを誘惑におちいらせず、
悪からお救いください。

国と力と栄光は、永遠にあなたのものです。 アーメン

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出版物のご案内(1999年1月〜7月)

  • 『第51(定期)総会後常議員会決議録』
    (6月20日付発行)
  • 『日本聖公会法憲法規』
    (6月25日付発行)630円
  • 『古今聖歌集増補版’95』
    (第3刷、7月15日付発行)917円
  • 『1998年沖縄週間沖縄の旅パートIV「共に主にある平和を―痛みと悲しみを心に刻んで―』
    (3月15日付、正義と平和委員会発行)
  • 『―正義と平和パンフレット2―戦争のない時に生まれたかった』
    (6月20日付、正義と平和委員会発行)100円
  • 『草津のタルピッ〈月あかり〉―在日韓国朝鮮人ハンセン病者の証言―』
    (4月4日付、日韓協動委員会編・聖公会出版刊)
  • 『第17回部落解放セミナー《報告》「差別・被差別の現実と未来への展望―視点の転回を」』
    (7月10日付、部落差別問題委員会発行)

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日系「聖十字教会」へ図書の寄贈を!

カナダ・バンクーバーにある日系聖公会の「聖十字教会」の所澤基喜司祭より日本語のキリスト教関係書籍の寄付協力依頼がありました。同教会は96年の歴史がある教会ですが、一度消えかかった日系人への宣教を再開し、現在は教会学校、青年会、英会話教室など活発な活動をしておられるそうです。
教会または家庭にて寄贈可能な書籍がありましたら、是非ご協力いただきたくお願いいたします。

  • 希望書籍
    日本語の聖書、キリスト教関係の小説、教会学校関係、音楽関係(日本語の楽譜、テープ、CD)、信徒教育書など
  • 送付先
    Rev. Motoki Shozawa, 4580 Walden St., Vancouver B.C. V5V 3S5 CANADA へ送付代負担のうえ直接送付してください。

(渉外主事 丸山悦子)<TOP>