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日本聖公会第53(定期)総会での審議・議決事項など
有事法案に反対する決議文
小泉首相の靖国神社参拝に対する抗議文
佐山事件 最高裁判所第1小法廷に対する要請文
最高検察庁刑事事務課に対する要請文
祈祷書一部改正・確定の決議







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■ 日本聖公会第53(定期)総会での審議・議決事項など

 日本聖公会管区第53(定期)総会が5月28日から30日まで3日間、日本聖公会センター(東京・聖バルナバ教会)で開催された。2年に1度開かれるこの定期総会は、日本聖公会の最高決議機関で、10名の主教議員(欠席1名)、11教区から聖職代議員と信徒代議員43名(欠席1名)が出席した。議長は首座主教である古本純一郎主教がつとめられ、副議長は武藤六治主教が、書記長は鈴木伸明司祭(北関東教区)がつとめられた。

 開会にあたって、まず議長挨拶として、この総会の主要な問題となる管区機構の改革、聖歌集改訂試用版、重債務国開発資金、主教会決議事項などについてふれたあとに、5年間総主事職をつとめた輿石勇司祭(北関東教区)への感謝の言葉が述べられた。

 総会は主教会報告(主教会書記・植松誠主教)、常議員会報告(常議員会書記・山田益男氏)、総主事報告(管区事務所総主事・輿石勇司祭)、エキュメニズム委員会報告(植田仁太郎主教)、神学教育中央委員報告(谷昌二主教)、宣教主事報告(木村直樹司祭ほか)、人権問題担当者報告(田光信幸司祭)につづいて、祈祷書等検査・文書保管・会計監査・神学教理・礼拝・法規・年金・建築金融資金・女性の司祭按手に伴う諸問題・聖歌集改訂・教役者遺児教育基金・阪神淡路大震災復興基金実行委員会・収益事業・ウィリアムズ主教記念基金など14に及ぶ諸委員会の活動報告がなされた。

 2日目からはあらかじめ準備された諸議案の審議に入った。43の議案審議で、特筆するものとしては、すでに試用されている日本聖公会とローマ・カトリック教会との共通訳「主の祈り」を確定したこと、聖餐式において用いる詩編を定めて試用を認める件、「聖書 新共同訳」の章節区分による日課表を作成し、試用を承認する件などが可決された。また、「日本聖公会と日本福音ルーテル教会の協働に向けた提案」が承認された。

 日本聖公会が立てた諸委員会については管区機構を見直す視点から、幾つかの委員会の改廃が可決されたが、それらの中で「正義と平和委員会設置の件」(第40号議案)「青年委員会設置の件」(第41号議案)については、当初の提案ではこの2委員会を「主事会議の管轄とし、宣教主事が担当する」とあった案文について論議があり、これを削除し「この委員会は宣教主事が担当する」と修正することで可決された。

 「日本聖公会総会代議員選挙方法の一部を4年間に限り変更する件」(第13号議案)は、管区総会に女性が参画することを促すために4年間に限り信徒代議員の投票を男女各1名とするという代議員選挙方法を変更することを内容としたものであったが、これは否決され、この議案についての動議「意志決定機関への女性の参画を検討しさまざまの努力を実施する件」が提出されて、これを可決した。日本聖公会各教区は、教会委員・教区会信徒代議員・常置委員・総会代議員に、なお一層女性が選出される方策を検討し実施する。各教区はその結果を次期総会に報告する、という決議である。

 管区の会計に関する諸案(2000〜2001年度管区一般会計決算案、2002年度管区一般会計補正予算案、2003〜2004年度管区一般会計予算案、NSKKビルに関する2000年から2004年までの決算・収支補正予算・収支予算案)、信施奉献活動の諸案、「聖歌集改訂キャンペーン」の実施期限を延長する件、などが可決された。

 また「有事法制」法案に反対することを決議する件(第42号議案)、小泉首相の靖国神社参拝に抗議する件(第43号議案)、狭山事件に関して要請書を最高裁判所と最高検察庁に送付する件、などを可決した。(決議文は9頁以下に掲載)

 今回の総会で、首座主教に宇野徹主教(北関東教区)が選出された。また管区事務所総主事として三鍋裕司祭(横浜教区)の指名が承認された。常議員には首座主教に加えて次の方々が選出された。植田仁太郎主教(東京教区)、森紀旦主教(中部教区)、関正勝司祭(東京教区)、大友正幸司祭(北海道教区)、浦地洪一司祭(京都教区)、山田益男氏(東京教区)、池住圭氏(中部教区)、倉石昇氏(横浜教区)。次の総会は2004年に開催される。
(広報主事・鈴木 一)



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決議第44号 
 本総会は、現在国会で審議中の有事法制法案に反対する下記決議文を採択し、これを政府に送付する。

決 議 文

 わたしたちキリスト者は、平和を実現するために、十字架の道を歩まれたキリストを平和の主と仰ぎ、キリストの教えに聴き従い、キリストの道に生きようとするものです。

 わたしたちの国は、先の戦争に巻き込まれた人々の尊い犠牲の上に、「平和憲法」を制定し、その前文において

「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、…恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」
また第九条においては、
「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」
と謳っています。

 この度、政府が国会に上程した「有事法制」法案は、明らかに日本国憲法に反し、戦争への道を歩もうとするものです。対話と和解を通して平和を実現することを願うキリスト者として、また自らの戦争責任を宣言した教会として、この法案に反対することを決議します。
2002年5月30日
日本聖公会第53(定期)総会
議長 主教 ヨハネ 古本純一郎


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決議第45号
 本総会は、小泉首相の靖国神社参拝に抗議し、下記の抗議文を首相に送付する。
抗  議  文
 わたしたち日本聖公会は、昨年5月28日に、古本純一郎首座主教名で、「靖国神社『公式』参拝に反対する要望書」を小泉首相宛に送りましたが、首相は昨年8月13日に国の内外からの激しい反対と、憂慮を無視して内閣総理大臣として参拝を強行しました。そして今年の春季例大祭初日の4月21日に、ふたたび抜き打ち的に靖国神社参拝を強行しています。このことは小泉首相が、靖国神社の本来もっている軍事的国家主義的性格をいささかもわきまえようとしない振る舞いであるとしか考えられません。

 わたしたちは以下の理由から、首相の今回の行動は明らかな違憲行為であり、とうてい認めることができないものと考え、今回の靖国参拝に抗議いたします。

1. 戦前、天皇制国家のシンボルであり、国家神道の要であった靖国神社は、戦後においてもA級戦争犯罪者を「昭和殉難者」として合祀するなど、いささかもその性格を変えていません。そこに日本行政の最高の長たる内閣総理大臣が参拝することは、その時期、形式の如何にかかわらず、かつての15年にわたる日本の軍国主義及び侵略戦争を、国家が公然と肯定し、正当化していることに他なりません。

2. しかも絶対非戦・非武装を国是とする日本国憲法を無視して、戦争事態法ともいうべき有事法制の閣議決定、国会上程の時期に合わせて首相が靖国神社に参拝したことは、今後日本が「戦争する国」となって想定される戦没者を「慰霊」する施設として、靖国神社を位置付けようとしている意図は明らかです。

3. 神社神道に属する一宗教法人である靖国神社に、小泉首相が内閣総理大臣として参拝すること、しかも靖国神社にとって最も重要な祭典である春季例大祭初日に合わせて参拝することは、とりもなおさず憲法第20条の政教分離の原則に公然と違反する行為であるだけでなく、国務大臣の憲法尊重の義務を規定する憲法第99条の最高法規をないがしろにするものです。

4. このことは日本自身の問題であると共に、かつてのアジア・太平洋戦争における日本の侵略と植民地支配によって、筆舌に尽くし難い惨禍を被った中国、韓国・朝鮮を始めとするアジア諸国の民衆の感情を逆なでし、あえて傷つけようとする行為に他なりません。

以上、小泉首相の度重なる靖国参拝は、日本の敗戦によって勝ち得られた歴史認識をないがしろにし、憲法の絶対非戦の理念、思想・信仰・良心の自由と政教分離の原則を無視する行為です。このことを黙過し、黙認することはできません。日本が戦争への道を歩み出そうとしている今日ほど、わたしたちは、預言者として語り、行動することを求められています。今一度1945年8月15日の日本敗戦の原点に立ち返って、そこから今日の日本の平和の危機と、信仰・思想・良心の自由の侵害にしっかりと立ち向かい、時に即応した「否」の態度をはっきり示していきたいと思います。

わたしたちは、小泉首相が靖国神社にいかなる時期、いかなる形式であれ参拝することに反対し、抗議することを決議します。
内閣総理大臣 小泉純一郎様 2002年5月30日
日本聖公会第53(定期)総会
議長 首座主教 古本純一郎




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決議第46号
 2002年1月23日に、狭山事件の異議申し立て棄却決定がなされました。これに対して、本総会は「最高裁への特別抗告」並びに「最高検察庁への全証拠開示」を求める要請文を決議し、これを、最高裁判所と最高検察庁に送付する。
〒102-8651  東京都千代田区隼町4-2
最高裁判所第1小法廷 御中

 2000年の日本聖公会第52(定期)総会では、1998年7月に出された「狭山事件に対する再審請求棄却決定」に対し、棄却決定の撤回と再審開始の要請を決議いたしました。その後、本年1月23日に出された狭山事件の異議申し立て棄却決定に対し、本年5月28日〜30日に開催された日本聖公会第53(定期)総会では、最高裁判所が特別抗告審で事実審理を行い再審開始をすることを求めること、最高検察庁による全証拠の開示を求めることを確認いたしました。以上のことから、最高裁判所に対し以下のことを要請いたします。

 「狭山事件は市民常識として疑問だらけである。弁護団提出の新鑑定によって筆跡、足跡などの有罪判決に疑問が生じている。脅迫状をめぐる重大な新事実もつぎつぎと明らかになり、国民的注目が集まっている」という事態にもかかわらず、東京高裁は、鑑定人尋問など十分な証拠調べもおこなわず、きわめてずさんな棄却決定を行いました。このような一方的、かつ市民常識からかけ離れた棄却決定をおこなった裁判所に、真実に向き合うという誠実さも真撃な態度も感じられません。国民の司法参加の時代を間近にひかえて、最高裁判所が、国民の司法に対する期待に応え、狭山事件再審請求の公正・公平な裁判をおこなわれるよう要請します。とうてい審理を尽くしたと言えない再審棄却決定、異議申立棄却決定を取消して、十分な証拠調べ、全証拠の開示を保障し、狭山事件の再審を開始するよう求めます。また、東京高検が弁護側の証拠開示請求に応えないまま異議申立が棄却されたことにも強い不信と不正義を感じています。新証拠を必要とする再審請求において、検察官の手持ち証拠を開示しないことは正義に反します。とくに、検察官手持ち証拠のリストの提示を求めるのは当然です。少なくとも証拠リストをただちに弁護側へ提示するよう最高検に勧告、命令を行うよう求めます。

Special 2002年5月30日
日本聖公会第53(定期)総会
議長 主教 ヨハネ古本 純一郎

〒100-0013 東京都千代田区霞ヶ関1−1−1
最高検察庁刑事事務課 御中

2000年の日本聖公会第52(定期)総会では、1998年7月に出された「狭山事件に対する再審請求棄却決定」に対し、棄却決定の撤回と再審開始の要請を決議いたしました。その後、本年1月23日に出された狭山事件の異議申し立て棄却決定に対し、本年5月28日〜30日に開催された日本聖公会第53(定期)総会では、最高裁判所が特別抗告審で事実審理を行い再審開始をすることを求めること、最高検察庁による全証拠の開示を求めることを確認いたしました。以上のことから、最高検察庁に対し以下のことを要請いたします。
「国際人権自由権規約委員会は、弁譲側が証拠開示を受ける機会を保障するよう実務の改善および法的な整備を勧告しています。新証拠を必要とする再審において検察官の手持ち証拠を開示しないことは正義に反します。とくに狭山事件においては、東京高検が積み上げる2、3メ一トルもの未提出資料があると認めながら、弁護側にまったく開示されないまま、再審請求、異議申立が棄却されたことに、わたしたちは不公平・不公正・不正義を強く感じています。ただちに、最高検が狭山事件に関わる手持ち証拠、とりわけ証拠リストを弁護団に開示するよう求めます。」
2002年5月30日
日本聖公会第53(定期)総会
議長 主教 ヨハネ古本 純一郎



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『日本聖公会祈祷書』一部改正・確定の決議
[第53(定期)総会決議第4号]に伴って
 『日本聖公会祈祷書』中の「主の祈り」を共通訳「主の祈り」とすることが、第53(定期)総会で決議されました。
 2000年の総会で、主の祈りの改正・協賛の決議がなされて以来、各教区教会では共通訳「主の祈り」のカード等を各自でお作りになっていることとは存じますが、このたび『日本聖公会祈祷書』の改正が確定いたしましたので、管区事務所では、祈祷書及び諸式文はさみこむためのカードを作ることといたしました。近々見本をお送りいたしますので、ご希望の場合は、教会単位でお申し込みください。すでにお買い求め頂いた祈祷書等の訂正のためのものですから、原則無料といたしますが、各教会への送付限度数は現在信徒数程度を目安といたします。費用は、聖公会の祈祷書・聖歌集等の礼拝用書を改正、また発行していくための資金(礼拝用書勘定)から支出いたしますので、どうか有効にお用いくださるようお願い申し上げます。
(総務主事・阪田隆一)

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