「大きなカ」に対して怒りと、そして祈りを…

   管区事務所総主事 司祭 □−しンス 三鍋 裕

もう25年くらい前でしようか、私は英国から約束通りの時間にテルアビブ空港に着いて

待っているのに、空港で落ち合うはずの日本からの聖地巡礼団が来ない。何かの都合で便が

変更になったのではないかと根気強く待っても来ない。警備の武装兵士にも段々不審がら

れる。友達を待っているといいながら、友達なんか来ないではないかと。これは困ったと、

たまたま来たナザレ行きのバスに乗った。深夜に安宿に泊まり、どうしたものかと考えたが、たまには一人でイエス様のお国を気ままに散歩するのも悪くないと決め、まずナザレの町

の聖公会を訪ねた。聖堂入り口の執務室に牧師がおられ話し掛けてこられた。怪しまれたの

かもしれない。事情を話すと、宿泊予定であったホテルから担当の旅行会社を突き止め状況

を問い合わせてくださった。エンジントラブルでまだホンコンにいるとのこと。私が空港

で待ちぽうけを食らっていたときに、彼らは豪華な中国料理を楽しんでいた計算になる。彼

らが来るまでは時間があるよと、ガリラヤ湖畔での教役者会に連れていってくださった。

分かりにくい英語はお互いさま、いろいろと教えていただいた。優しさに満ちているけ

れど誇り高さと貫禄を感じさせられるお方、この地にあってイエス様の時代から先祖代々

のキリスト者。若い教会から来たお若いの、しっかりやれよと言う感じ。では、なぜ聖公会

なのかと問えば、オーソドックスの教会はそれなりに素晴らしい伝統があるけれども、英国

からCMSの宣教師がやってきたときに、一部の人々はそのみ言葉を中心にした教会生活

に新鮮な刺激を受けて聖公会に移ったとか。多数を占めるイスラムの人々とは何世紀にも

わたって仲良く暮らしているとのこと。バレスチナ難民キャンプもあったし、イスラエル兵

の姿も見えはしたが、のんびりした感じの時代でした。

その後も何回かイスラエルを訪ねたが、毎回雰囲気が険しくなっているのを感じた。最初

に行ったときの聖ジョージ神学校の夏季コースでは、ヘブロンだって平気で行けたのに、

段々危険指定区域が広がり楽しくなくなってきた。ガイドの説明も`慣れてくると、イスラエ

ル建国の苦難と英雄物語ばかりが多いことが気になり始める。勿論彼らの長い苦難は分か

る、神様からの約束の地に帰れた喜びも分かる。しかし、彼らが帰ってくるまでも、そこには

人々が千数百年間先祖伝来の士地として住み、貧しかったかもしれないが小さな幸せを楽

しんでいた同じ土地なのです。ユダヤ人の苦難 は分かります、キリスト教会も責任の一端

はあります。特にナチスはひどかったらしい。(私も来週はオランダの強制収容所跡を尋ね

る予定です。)でも、パレスチナに長年住んでいた人々も追い出されては生活ができません。

政治や経済の難しい問題があるのでしょうが。

私たちが関心を持ちたいのは、決して欲張っているわけではない小さな幸せを、お互いに

大切にすることではないでしょうか。全く争いがなかったというわけではありませんが、イ

スラムの人々とキリスト者は長い間平和に暮らしていたではありませんか。今でもそうで

はありませんか。今でもユグヤ人とパレスチナ人の母親同士が病院の待合室でお互いの子

供の病気を心配し合うそうです。私たちは小さな命とそれを取り囲む小さな幸せを大切に

したいと願っています。本当に小さな願いではありませんか。それなのに不気味な大きな

力が勝手に働いてきたし、また新たに働こうとしているのを世界中が懸念しています。パレ

スチナの問題は、イラクの問題に深い関係があるといわれているのです。

韓国のテジヨン教区の主教様の按手式に出席した翌朝、ソウルの大聖堂でACCのピー

ターソン総主事と、重債務国援助資金について相談のときを持つことになっていました。

「重債務国援助の話の前に、実は今朝2時に電話があった。詳細は不明だが、ガザの聖公会

がイスラエル軍によって爆撃され、被害が出た。建物が全壊というわけではないようだが、

大変なショックだ。日本の援助資金からの援助は無理だろうか」とのこと。重債務国援助と

'性質が異なるが、海外緊急援助なら支出ができるだろうと、正規の手続きを考えながらも

「今一番衝撃を受けている人々に日本聖公会は心から心配していますよ、頑張ってください

ね」とのお見舞のメッセージを送らなくては、と判断しました。幸い一緒におられた首座主

教様も「それが良い」とお許しくださり、帰国次第1万米ドルのお見舞金を送ると約束しまし

た。あってはならない出来事ではありましたが、ビーターソン司祭もこの第1号の援助申し

出を大変に喜ぱれ、「時差の都合で現地の夜明けを待って、日本聖公会のご好意を伝えて励

ましてあげたい」とのこと。この爆撃については、別欄のACNS掲載のエルサレム教区主

教様のメッセージをお読みください。

爆撃を受けたガザの聖フイリボ教会は、やはり聖公会のアハリ・アラブ病院の構内にある

のです。繰り返しになりますが、イスラムの人々とキリスト者は平和に暮らしているので

す。子を持つ親ならユダヤ人も平和の仲間なのです。この地域はキリスト者がゼロに近い

地域です。教会の病院が地域の人々に奉仕し、また信頼されているのです。その心を支える

教会が「正確に」爆撃された意味の恐ろしさを考えれば考えるほど、ここまでやるのかと感

じさせられるのです。病院のレントゲン機器も破壊され、現在のところ正確な被害額も分か

りません。小さな心と命を守るだけの教会と病院まで爆撃する「大きな力」には、小さな力

を持ち寄るしか闘うすべがありません。今はアリ主教と呼ばれるエルサレム教区主教様、向

こうは憶えておられないでしょうが25年前に「若い教会のお若いの、しっかりしろや」と

励ましてくださったあのナザレの牧師です。人問がお好きなお方です、命を大切になさるお

方です。当たり前のことですが、苦難に満ちた歴史を乗り越えてきた貫禄をお持ちです。今

かんかんに怒っておられるそうです。無理もありません。私たちもパレスチナで、イラクで、

アメリカで、そして日本で働こうとする「大きな力」に対して怒りましょう。あきらめる

ことなく、小さな力を持ち寄ろうではありませんか。

宣教課題としての人権問題

(区人権問題担当 司祭 バウロ漬生正直

『「侮い改め(メタノイア)」は人々の痛み、苦しみを共感できるところへ視点、立場を移す

ことです。言い換えれば、相手が何者であれ、ただ相手の立場に立てばよいというようなこ

とではなく、日常的に痛み、苦しみを強いられている人々、社会の中でいつも弱い立場に立

たされている人々の側に立つということであり、苦しむ人々の側に視点を移して、そこから

全ての物事を判断するということではないでしょうか。』

  (本田哲郎著「小さくされたものの側に立つ神」より)

わたしたちは教会形成をしていく原始教会が、いろいろな問題を抱えながら生き生きと

成長していく姿を使徒言行録で見ることができます。その中でも、興味をもつところは使徒

言行録6章の7人の執事が選ばれた箇所です。

ギリシャ語を話すユダヤ人からへブライ語を話すユダヤ人に苦情が出ます。12使徒は皆

を集めて、苦情を解決するために7人の執事を選出させます。7人の名前を見ますと全てギ

リシヤ風の名前のへレニスト(ギリシヤ語を話すユダヤ人)たちなのです。

このときイエス・キリストを信ずる共同体は、ヘブライ語を話すユダヤ人が多数派でギリ

シヤ語を話すユダヤ人は少数派であったと考えられます。少数派の人々が多数派の人々に

抗議をし、そのことを解決するために選ばれた人々が、全て少数派であるのです。

これが原始教会の力の源の一つであったと思われます。本田哲郎神父のいう「メタノイ

ア」をもって、教会形成を実践している姿を見ることができるからです。

わたしたちの教会の姿はどうなのでしょう。7人全てを多数派で選び、多数決の論理で押

し進めていないでしょうか。いや少数派の意見を聞いている、としても4人の多数派と3人

の少数派で解決をし、やはり少数派の意見を切り捨ててはいませんか。

原始教会では「小さくされた者の側に立って」全ての物事を判断していたのです。

そこに立って教会が姿勢を正すとき、少しずつですが教会は変えさせられていくのでは

ないかと思われます。そして、そこにしっかりと足を着け、わたしたちが属している社会に

目を向け、社会の仕組みの矛盾点を見定めて、信仰を実践し証ししていくとき、本来の教会

の姿になるのです。

わたしたちの拠って立つところは「聖書」です。視点を変えて聖書をしっかりと読み直し、

自分の置かれた現実に目を据え、社会の仕組みの間違いを見極める必要があるようです。そ

して、そのことを通して、何をどのように変えればよいのか、ビのように行動すれぱよいの

かを一人一人が見つけだせばよいのだと思われます。

キリスト者の差別克服や被差別者の人権回復の運動は、人道精神や博愛の精神から出る

社会運動でも政治的な社会革新運動でもないからです(それらの運動を否定はしませんし、

積極的に連帯して行かねばなりませんが)

□常議員会

 第5(定期)総会後第4

 ・宗教法人「日本聖公会神戸教区」規則一部変更承認の件(責任役員会決議)

 ・篤志家からの寄付金用途案の件(継続審議)

・聖公会生野センター10周年に際して管区よりお祝い金を贈る件(継続審議)

・総主事の海外出張追認の件 1月23日(木)〜26日(日)、韓国(大韓聖公会テジヨ

ン教区後継主教按手式出席のため)

□主事会議

 第5(定期)総会期第7

 20031月10日(金)主な協議事項

 1.NCC第34回総会代議員変更について

   (新)小山俊雄←()司祭橋本克也

.ガザ救援について(海外緊急援助資金支出)

パレステイナ・ガザ地域の聖フイリボ教会へのイスラエル軍によるミサイル爆撃(l

24日)の被災見舞金としてエルサレム教区にUS10,000(\1,195,000)送金。

3.「聖公会国際礼拝協議会(International nglican Liturgical Consultation)

(8/49、英国オックスフォード、リボン・カレッジ)派遣について

   司祭加藤博道、司祭吉田雅人の2名の派遣を決定。

 4.ニューヨークのメトロボリタン・ジャパニーズ・ミニストリー(MJM)研修者派遣につ

   いて

   JMより、5月に2名の教役者を2週間の予定で研修休暇に招きたいとの申し入れ

   があり、各教区主教に案内することとした。

 5.「日韓協働プロジェクト資金」使用のルールについて(確認)

 6.北フイリビン教区からのアジア学院留学生支援要請について

 7.第3回聖公会「手話」関係者全国の集い(1/12〜l3、名古屋)支援について

 8.アイヌ奨学金キリスト教協力会への対応について

・次回以降の会議:

 3月7日(金)、4月4日()

 □各教区

  東北

 ・第8(臨時)教区会く主教選挙のため〉

  0032月ll日(火)

  6名の候補者の推薦があり、16回の投票がなされた結果、司祭ヨハネ加藤博道師(東京

教区)が当選された。今後の手続きは次のとおり。@現在、首座主教より各教区主教宛、

当選者について同意が求められており、A教区主教および首座主教の過半数の同意があ

ったとき、首座主教は当選者に承諾を求め、B当選者が承諾したとき、被選主教となる。

(法規第3条)

  沖縄

 ・片倉とも子氏講演会「イスラームについて」

  3月8日(土)14時 べツテルハイムホール

  3月9日(日)l5時 キリスト教短期大学

 ・教区の日合同礼拝 3月21日()O時半 べッテルハイムホール

 

□神学校

聖公会神学院

002年度卒業礼拝 3月3日(月)l4時

説教:東京教区 主教 植田仁太郎 

卒業生:ダビデ市原信太郎(中部)、ぺテロ田中誠(中部)

修了生:フランシス木田啓介(東京)、セシリア下条知加子(東京)

003年度入学礼拝 4月7日(月)14

説教:校長 司祭 関正勝 

入学予定者:ダビデ鈴木宏尚(東京)、マタイ出口創(京都)、アグネス三浦恵子(東京)

ウィリアムス神学館

002年度卒業式 3月7日()1

説教:京都教区 主教 武藤六治

卒業予定者:アルバン阿部芳克(北海道)、シモン岩城征文(京都)

修了予定者:ぺテロ岩城聴(大阪・特別聴講生)

□諸施設

聖公会生野センター

・10周年記念イべント「東西五人灘子(あっちもこっちもみんないきいき)

3月16日(日) 大阪女学院へールチャペル

出演:永六輔、桂あやめ、辛淑玉、筑紫哲也、趨博

1部/一本のえんびつがあれば… 5人それぞれ名調子

第2部/今の日本に「ひ・と・こ・と」5人それぞれメッセージ

入場料:前売2500(当日3000)

《移 動》

施設 聖マリア幼稚園(東北) 住所変更

 <030-0861 青森市長島4-23-21 Tel. 017-734-7728>

聖フィリボ教会とアハリ・アラブ病院が

誘導ミサイルで攻撃される

−エルサレム教区主教からのメッセージー

2003l25(現地時間)早朝、ガザの聖フィリボ教会とアハリ・アラブ病院がイスラ

エル軍の誘導ミサイルによる攻撃を受けた。ガラスの破片が至るところに散乱している。

教会はこの病院の中心に位置しており、赤十字の旗と聖公会のシンボルの旗が掲げられて

いるにもかかわらず攻撃を受けた。この教会はl9世紀末に建造され、世界中の多くの主教や

アラフアト議長の臨席のもと1996年に再度祝別された。

今回の被害を覚えてエルサレム教区主教からのお祈りの依頼が来ていますのでお知らせ

いたします。

〔エルサレム教区主教のメッセージ〕

平和をこそ、わたしは語るのに

彼らはただ、戦いを語る。(詩編120:7)

主イエス・キリストの御名によって、エルサレムより平和のご挨拶を申し上げます。

Eメール、電話、ファックスによるたくさんのメッセージを聖フィリポ教会とアハリ・ア

ラブ病院の人々にお送りいただき感謝します。このような支えはとても力になります。

今回のミサイルによる攻撃の詳細を説明します。ガザにある聖フィリボ教会を攻撃した

のは米国製の“タウ”ミサイルです。発射後監視され、リモートコントロールにより攻撃方

向を正確に定めることが出来ます。ミサイルそのものの重量は2.5キログラム、爆発する

部分は2.8キログラムです。60センチメートルの厚さの鉄板や120センチメートルの厚

さのコンクリートを貫通する能力を持っています。直径1.5メートルの犬きな穴が、聖卓の

近くの大理石の床に出来ました。

多くの人々は、なぜこのようなことが私たちの教会、この病院、近隣の人々に起こってし

まったのかを自問しています。多くの人々はこれが誤爆ではないかと考えているかもしれ

ませんが、わたしは確信を持って、そうでないと主張します。なぜならば、このミサイルは誘

導弾で、しかも聖フイリボ教会を中心としたこの病院の建物には、大きな赤十字の旗と聖公

会の旗が掲げられていたからです。私たちは攻撃の的になったのです。

イスラエル軍将校のズヴァイカ・フォーゲル将軍は、ロイター通信社の記者に次のように

話しています。イスラエル軍のへリコプターが、パレスチナの武器製造工場と思われる場所

にミサイル5発を発射した。そのうちの2発が誤作動し、そのうちのl発が聖フイリボ教会

の近辺を爆破してしまった。具体的にはミサイルは屋根を貫通し、聖卓をわずか1メートル

位の距離でかすめた。攻撃を受け爆破された施設は教会から1キロメートルも離れていない

距離にあった。

真実、この攻撃は我々の宣教活動に対する攻撃であるということである。この発表がされ

たにもかかわらず、我々はイスラエル軍からは今のところ攻撃を認める声明や謝罪の旨の連絡を受けていない。

教区の関係者や友人から、我々が正義と平和を強く主張しすぎたために、また、平和と和

解のため、あるいは我々の置かれている状況を把握する活動が、平和を好まない人々の意向

に反したゆえに、彼らの標的になったのだと、助言を頂いている。

皆様のご支援と、この攻撃を非難する声に対して感謝いたします。このメッセージが祈り

と共にあることをおぽえてください。

こういうわけで、わたしたちは、」憐れみを受けた者としてこの務めをゆだねられている

のですから、落胆しません。(コリントU4:1)

キリストに在って

 主教リアー・アブ・エルーアッサール

         (ACSのニュースより)

▲ACC総主事どーターソン司祭より、日本聖公会が聖フイリボ教会再建のために1万ド

ルの献金を贈ったことに感謝する手紙が寄せられている。

大韓聖公会

 テジョン教区主教按手式

テジョン教区では1月25日に後継主教の按手式が行われました。現大韓聖公会首座主

教・テジョン教区主教のユン主教様が2月末日で定年退職されるためで、シン(Andrew

hin)師が按手されました。日本聖公会からは首座主教が出席され、管区事務所からは総主

事が随行いたしました。式は大聖堂では会衆を収容できず、市のユースセンターを借りての

盛会となり、大韓聖公会の主教様方はもとより、ホンコン聖公会大主教様をはじめ、シン主

教様がカリフオルニアで在留韓国人の牧会に当たられたご経験もおありで、米国聖公会の

主教様や司祭様も出席されました。日本の皆様によろしくとのことでした。

(総主事)

立教学院奨学金につぃてのお知らせ

一聖公会教役者の子及び聖公会神学院校長の推薦する大学院生に対する立教学院奨学金一

立教学院では、l998年度から「聖公会教役者の子及び聖公会神学院校長の推薦する大学

院生に対する奨学金規程」を制定しており、聖公会教役者の子で、立教学院の各学校の児童・生徒・学生に対して奨学金を交付しております。つきましては、次年度対象となる方が

いましたら、申請されますようお知らせいたします。申請の受付は小学校、池袋中高、新座中

高は各校事務室、大学は財務部資金課でおこなっており、締め切りは4月末日です。

JM研修者派遣について

ニューヨークのメトロボリタン・ジャバニーズ・ミニストリーより、5月中旬に2名の教

役者を2週間の予定で研修に招きたいとの連絡があった。応募の詳細については各教区主

教から説明していただくことになっています。

出版物案内

2003年「代梼表」 630(税込)

別冊諸式「大斎節中の礼拝」20032月第3刷発行。

「主の祈り」を共通訳に改訂。価357(税込)

『日本聖公会要黄2002-2003 2002121日発行 価1,050(税込)

*管区事溌所だより1月号同封のご往文ハガキでの申込みは3月末までに管区事務所へ

『日本聖公会法憲法規』(2002年総会改正)20029月発行 価630(税込)

*ご注文は聖公会出版へ

日本聖公会各教区報のなかから

第8回教区礼拝音楽担当者会に参加して

大阪教区報(第336号・20021222日発行)

紅葉が進み深まる秋を感じるll月8日〜9日に、仙台基督教会において全国10教区か

ら礼拝音楽担当者l7名、聖歌集改訂委員8名、管区事務所総主事の参加を得て第8回教区礼

拝音楽担当者会が開催された。佐藤忠男東北教区主教ご夫妻も臨席され、仙台基督教会始

め東北教区内外の諸教会から聖職、信徒約20名の傍聴があった。大阪教区からは、聖歌

集改訂委員会新メンバーの内田望司祭、礼拝音楽委員会より太田昌子、高橋明子の両べテラ

ン委員と新米委員の私の計4名が参加し、他教区に比して礼拝音楽に対する意識が高く活気

に満ちた教区と印象づけた。会議は、@改訂委員会からの「改訂古今聖歌集試用版」(以下

「試用版」と略」発刊(200111)以降の作業の経過.現状.展望報告と、各教区の礼拝音

楽の現状、「試用版」の普及・使用状況・反応等の報告、A「試用版」の聖歌、チャント別冊の紹

介、B質疑応答・分かち合い、の3つの柱で構成された。当日の朝タの礼拝など4つの礼拝

と聖餐式のすべてにおいて「試用版」からの聖歌とチャント別冊が導入され、一同やや戸惑

いながらも、新しい形の礼拝を実際に体験することとなった。

委員会からは、「試用版」に即して今年5月に出されたガイドブック「心は賛美に満ちて」

と、9月に発刊されたばかりのチャント別冊「礼拝式文用曲譜、朝夕の礼拝」が紹介され、有

効活用のヒントも提示された。

参加10教区からの報告では、礼拝音楽委員会がない教区、「試用版」未使用の教会が多い教

区がある一方、活発な研修会が頻繁に行なわれたり、教役者対象の礼拝音楽研修会まで行な

われた教区も見られ、教区間にかなり温度差が感じられた。「試用版」に対する反応では、

歌詞が身近、メロデイーがよい、昇階唱にふさわしい曲が多い、現代曲。オリジナル曲が多い

といった肯定的意見がある反面、日本語が生かされていない、楽譜間の歌詞が見にくくオー

ガニストも弾きにくい、歌詞とメロデイーの切れ目が合わないといった問題点も指摘され

た。

参加者と改訂委員の間で、熱心な質疑応答と分かち合いがなされたが、中でも参加者の最

大の関心事は、「本格版改訂聖歌集」の発刊時期と内容である。委員会から、20065月総会

で承認されることを目指して準備中であり、現行古今聖歌集からは約50%引き継がれる

予定で、「増補版」「試用版」は実際使用した結果を見た上で、取捨選択することへの理解を

求めたいと説明があった。

白熱のあまり予定時刻を大幅に越えるハードな日程であったが、仙台基督教会婦人会の

方々の暖かいおもてなしと、針金細工のかわいい天使像、名物牛タンに心が和み、改訂委員

会の不断の努力に脱帽、また管区事務所総主事三鍋裕司祭の閉会の挨拶には涙した。洗礼・

堅信5周年を迎えた9日に、聖餐式で使徒書朗読とフルート奏楽を献げる恵みに与ったこと

に心から感謝すると共に、礼拝音楽への思いを新たにし、与えられた場における責務に身の

引き締まる思いがした。(大阪城南キリスト教会 唐末規久子)

教区礼拝音楽担当者会に出席

         一今年は九州教区で開催一

九州教区報「はばたく」(第388号・20031月号)

例年のこの会が昨年11月8日〜9日、東北教区仙台基督教会にて開かれ、私と教育部宮

川菜穂子さんが参加致しました。神戸教区を除き全教区より総勢30名ほどの参加。一昨年

11月に発行された改訂試用版のうたわれ状況について、私達の教区ではほぽ3分の1の教会

が未使用、3分の2の教会は何らかの形で用いていますが、そのような各教区の現状報告。そ

して先般発行された「朝タの礼拝用チャント曲譜」を実際に用いて、1日めのタの礼拝、2日

めの朝の礼拝を執げた事が今回の新たな実践でありました。美しい礼拝堂の冷えた空気に

響くチャントの礼拝、感謝!この曲譜は試用版を購入した冊数だけは各教会毎に無料配布さ

れています。未請求の教会はどうか請求しお使いください。

委員会からの報告の内、大事な事を幾つか。@2006年の正式版発行までに他の曲集が発

行される事はありません。次回は正式版です。A現行古今聖歌集の内ほぽ半数程度が何ら

かの形で正式版に採用されます。Bおよそのテンポ表示要請が各教区から多かったので検

討する方向で考える。

さて、今回各教区に「宿題」が出されました。それは2曲の英詩の訳詩です。曲にするため

の翻訳詩の困難さを実感して貰いたいという親心でしょうか。我と思わん方ぜひぜひ名乗

り出て頂きますように公募致します。担当者まで乞ご連絡。

本年後半、9回めになるこの会を九州教区の何れかで行う事になりました。喜びをもって、全教区からの発信を聴く交わりを当教会で、という名乗り歓迎!この新たな一年、いずこの教

会にも「新しいうた」が神さまのみ前に届きますように!(司祭 キャサリン吉岡容子)

次の世に歌い継ぐために

『北関東教区時報』(第226号・2002l2月22日発行)

聖歌集改訂委員会が主催する「第8回教区礼拝音楽担当者会」が、ll月8日から9日に、

仙台キリスト教会を会場に開かれました。北関東教区からは、礼拝音楽担当者の野撰達也兄

(川越)と宣教部長である筆者、それに主催者側で聖歌集改訂委員である鈴木伸明司祭が出

席しました。

「改訂古今聖歌集試用版」が発行されてから1年経ちました。聖歌集改訂委員会では個

別の聖歌を改訂聖歌集に採用する作業と並行して、朝夕の礼拝のための式文曲譜の作成を

進めており、既に各教会に「改訂古今聖歌集試用版 別冊《礼拝式文用曲譜、朝夕の礼拝》」の

冊子が配布されています。

今回の担当者会では、先ず例年のように聖歌集改訂委員会から改訂作業の進捗状況の報

告と、各教区から「試用版」の使用や研修会開催その他普及への取り組みについての報告と

分かち合い、質疑応答を行いました。その後、今年は特に前述の「別冊《礼拝式文用曲譜、

朝夕の礼拝》」より、詩編や賛歌の歌(唱練習をし、実際に唱詠による朝夕の礼拝を行いました。

私たち北関東教区では、本年10月に「《改訂古今聖歌集試用版》使用状況に関するアン

ケート」をお願いしましたが、その結果の一部を含め席上で報告いたしました。

改訂古今聖歌集は2006年発行に向けて、今作業が進められています。「試用版」を実際に

手にして礼拝等で用いてみて、具体的な改正案や提言などがありましたら、ぜひ礼拝音楽担

当者や宣教部にご意見をお寄せください。より良い聖歌集を作り、後代に歌い継ぎたいと思

います。(司祭 ヨハネ小野寺達)