2000年教区報クリスマスメッセージ

インマヌエル

 イエスは「インマヌエル」という称号で呼ばれます。「神はわれらと共におられる」という意味です。イエスはすでに生まれた時から、私たちと共に、ことにこの世で苦しむ者と共におられます。イエスが「インマヌエル」と呼ばれるのは、イエスご自身が最初から苦しみを味わっておられたからです。

 イエスは、この世の無力な人と同じように、傷つき易く、権力者の迫害に苦しめられました。生まれたばかりのイエスは、ヘロデ王の迫害で、両親に連れられてエジプトに避難民として逃亡しなければなりませんでした。

 ここに掲げた二つの絵のうち、上のものは一六世紀に描かれたイエスと家族の「エジプトへの逃亡」の絵です。もう一つは、一九九一年のピナツボ火山の爆発の時、若い両親が幼児と家財道具を抱えて避難するアユタ族の家族です。避難民だったイエスは「インマヌエル」として、現代もこのような家族と共におられます。