NSKK 日本聖公会 東京教区
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春を迎える前に

主教 植田仁太郎

 キリスト教会のお祭りや祝日は、世界各地の地方に、もともとあったお祭りにその起源があり、それに新たにキリスト教の意味が与えられた、という例が少くありません。たとえば、クリスマスですが、もともとは各地で祝われていた冬至のお祭りです。冬至を境に一日一日と日が長くなり、光に浴する恵みが増してゆく−−そのお祭りの意味とイエス・キリスト誕生の意味が、見事に合体されたものです。
 もうひとつ大切な教会のお祭りは、「復活祭」−−キリストの死からの復活をお祝いする日です。これは、明らかに、ものみな芽吹く春の祭典と結びついたものです。復活日の決め方は、かなり複雑ですが、春分の日を基本にしていることは間違いないところです。あふれる陽光と、暖かさと、そして植物の再生は、まさにキリストの死からの復活を喜こび合うに相応しい季節です。
 文字どおり、自然は冬の間すべて死んでいるも同然です。その冬を、教会は、さらに、禁欲と断食の季節と定めました。それはイエスが、荒野で四十日間修行をしたという故事に呼応します。
 復活の喜こびを祝う季節の前の、禁欲の季節。これは、ただ春の前の冬、という季節の在りようを反映したのではありません。それは、真実というもの、本当の喜こびと恵みは、苦難と犠牲をみずから引き受ける、ということがあって初めて与えられるものだという、キリスト教の深いメッセージを伝えるものでもあります。

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