NSKK 日本聖公会 東京教区
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復活節を迎える

主教 植田仁太郎

 四月という月は、人生の中で、何かしら新しい日々を迎えることになるという、期待に満ちた月です。新しい学校への入学、学校という社会から仕事の世界へと足を踏み入れる就職、そして逆に定年を迎えて、長年の仕事中心の生活から新しい日常を迎える――それぞれの人生の岐路を迎えての、新たな出発の時です。
 それは、自然が(北半球では)冬から春へと移り、新たな生命の動きが始まるサイクルに合致するものでもあります。教会はこの季節に復活日(祭)を迎えます。その日は、毎年少しずつずれますが、色々な文化の中で祝われる春の祭典と無関係ではないと思います。  十字架上の刑死から復活したイエス・キリストに最初に出会った人々は、そこに本当の意味での「神の子」を見たのでした。生前のイエスの、どんな崇高な教えも、どんな不思議な奇跡の業も、それがイエスの神たることを証明するものではありませんでした。死からの復活だけが、イエスが神であり人であったことの証しとなりました。
 そこから、いわゆるキリスト教という信仰体系が生まれ、教会という信仰共同体が生まれました。その復活の出来事を憶える復活日が、すべてのもののいのちが躍動する春の季節に定められているのは、まことにその意味にかなっているように思います。聖餐式(ミサ)のクライマックスで、いつも私達はこう宣言します。「キリストは死に、キリストはよみがえり、キリストは再び来られます。」


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