NSKK 日本聖公会 東京教区
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様々な人生、様々な歩み

主教 植田仁太郎

   過ぐる夏の間、世の中の色々なニュースがありました。
 その世の中の出来事の中で、最も多く時間を割いて伝えられたのが、オリンピックでした。オリンピックに出場したスポーツ選手それぞれに人生のドラマがありました。ある競技に国の代表として選ばれた人々は、長い年月の間訓練に訓練を重ねてきた、その成果をほんの数分のうちに発揮しなければなりません。(陸上百メートル走では、わずか十秒前後、時間のかかる競技でもせいぜい二時間)その短い時間内に、体力・精神力・そして多分知力を、最高に高めなければなりません。それを果たせた人も居たし、果たせなかった人も居たし、体調すぐれず出場も出来なかった人も居ました。これまでのすべての人生を賭けた競技に勝利し、栄光に輝いた人も居れば、平凡な記録のうちに忘れられてしまう人も居りました。
 どんな結果であれ、オリンピックの代表に選ばれる程に、その人々はあらゆる点で恵まれた人々であることは確かでしょう。
 同時に、八月十五日を中心に、第二次大戦の悲惨な戦線を生き残った元兵士達の悲痛な証言を、テレビで聞きました。生き残った人々の人生、生き残ることの出来なかった人々の人生、これまた人の一生です。またその家族の人生もあります。
 アフガニスタンで人々に奉仕する中で、殺されてしまった青年もおりました。そして決してニュースにならない、日々の生活に苦労し続けている多くの人々の人生があります。  神よ、あらゆる人が、それぞれの人生の歩みの中に、その意味を見出すことが出来る社会を造ってゆく上で、私たちをどうぞ用いて下さいますように。