主教教書(18) コロナウイルス感染症の最近の状況の中で

2020年12月19日

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸

各教会・礼拝堂におかれましては、既にクリスマスに向けての出来得る限りの備えと工夫を重ねに重ねて進めてこられたことと思います。
しかしながらここ数日、殊に東京都におけるコロナウイルス感染症数、陽性率の激増を目の当たりにしております。また、12 月 17 日には医療提供体制警戒レベルは、最も深刻な「体制が逼迫している」(レベル 4)に引き上げられました。クリスマスへ向けて種々の備えをしてこられた一方で、不安や迷いも増しておられることと思います。

そこで、イブ礼拝、及びクリスマス礼拝については休止の可能性も含め再検討をお願い致します。但し、これまで入念に準備をしてこられたことも配慮し、礼拝をおこなう際には一層の予防と気持ちの引き締めをお願い致します。
なお、12 月 27 日(降誕後第一主日)以降、首都圏、殊に東京都のコロナウイルス感染症の最近の深刻化を鑑み、当初からの二本柱である「いのちを守り合うこと」「教会の社会的責任を果たすこと」を重んじ、医療提供体制警戒レベルが「3」になる迄を目安に、礼拝・公祷(会衆参加の礼拝・公祷)を休止と致します。


但し、教会・礼拝堂の全ての営みの休止、あるいは閉鎖ではなく、以前にもお伝えしましたように、私たちキリストの教会は祈りを止めることは決してあり得ません。今は私たちにとって信仰の鍛錬、霊的闘いの時でもありますが、同時に聖パウロが力強く伝えていますように「御言葉を宣べ伝えなさい。折が良くても悪くても励みなさい」「あなたは、どんな場合にも身を慎み、苦しみを耐え忍び、福音宣教者の仕事に励み、自分の務めを果たしなさい」への一層の応答の時にもなるはずです。

再度の礼拝・公祷休止により会衆が集えずとも、教役者は教会、礼拝堂を代表し礼拝と祈りを各教会、礼拝堂で守っております。従いまして、教区内に全ての教会、礼拝堂から一切の礼拝や祈りが消えたわけではありません。このことは教役者個人の霊的養いや訓練に止まるものではなく、キリストの教会と全世界のための祈り、信仰の業でもあります。

また、それぞれの場所での一人一人の祈りの内にキリストと繋がり一致を求めることは、教会の大切な伝統です。この困難な時こそ、み言葉を一層深く聴き、み言葉に仕え、宣べ伝えるという使命を忘れることなく、様々な不安や戸惑いを乗り越え、感染拡大を防ぐべく、私たちはキリスト者として各々の場所で一人で祈っている時でさえも、主イエス・キリストの体である一つの共同体に結ばれて続けているという信仰を共にし、確かめ合いたいものです。個々の信仰や霊性の大切さももちろんですが、そこだけに止まらず互いの配慮、「God First You Second I Third」を、キリストにある私たちの一致の指標にしたく願います。
そのためにも、今後も引き続き、祈祷書の「朝の礼拝」「朝の祈り」「聖書日課」などを用いて、神様との交わりの時、祈りの時を持たれることをお勧め致します。自宅で祈られることも命を守り合うことに通じます。

前回の礼拝・公祷休止の際にも各教役者によるホームページ等を活用した配信、メールやFAX、郵送による説教送付、また手紙や電話による信徒の方がたへのケア、祈りと黙想、み言葉に向き合う時間の増加など、教役者各々の賜物を活かした形での聖務遂行を切にお願い致します。
また、12 月 27 日(降誕後第一主日)以降の礼拝・公祷の再度休止に伴い、教会運営に支障のない限り、種々の会合は自粛を要請致します。但し、礼拝堂の扉を開けておくことは構いません。ご葬儀は十分な配慮の下、執行は構いません。


私たちはそれぞれ異なった場所で祈りを捧げるとしても、その祈りは決して個々人の祈りではなく、教会共同体の祈りとなり、祈りの輪、祈りにおける連帯を形作り、主イエス・キリストと父なる神様との交わりに重ね合わされ、聖なる捧げものとされます。
そこで、復活日に実施致しましたが、主日正午には、お昼時の忙しい時間ですが、一旦手を止め、心と言葉を合わせて、主イエス・キリストが授けてくださった「主の祈り」をそれぞれが居られる場所で、心を込めて捧げていただきたいと思います。私自身も祈ります。皆さまもご一緒にお祈りください。また、他の方々にも祈りに加わってくださるよう、お知らせとお勧めをお願い申し上げます。

既にお伝えしていますが、万が一感染された方が出た際には速やかに教会、及び教区事務所総主事(下条司祭)宛に通知ください。プライバシーには配慮し対応致します。

罹患された方がたの回復、医療現場に於いて命がけで献身、尽力しておられる方がた、エッセンシャルワーカー、社会福祉施設、高齢者施設、幼稚園、保育園等のお働きと、そこで献身していらっしゃる方がたのお働き、生活上の不安、困難を余儀なくされている方がたへの支え、ご逝去された方がたの魂の平安と悲しみの内にある方がたへの慰め、そしてこの危機の収束を切にお祈り致しましょう。
また、罹患された方がたへの偏見や差別に陥らぬよう併せて祈ります。


み子の訪れによってわたしたちを清め、心の闇を照らしてください。 アーメン


苦渋の選択、決断でありますが、皆さまのご理解、ご協力の程、切にお願い申し上げます。

主教教書(17) ご降誕の時に向けて(Ⅱ)

2020年12月12日

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸

 

クリスマスを目の前にする時となりました。既に前文書にも記しましたが、例年、クリスマスは日ごろ教会に来ることができない方がた、信徒ではない方がた等、多くの方がたが礼拝に参加される喜ばしい時でもあります。
しかしながら、現在新型コロナウイルス感染症第三波の勢いは衰えず、日本各地で過去最大の感染者数が更新され続けています。
当初から大事にし続けてきています「いのちを守り合うこと」「教会の社会的責任を果たすこと」は未だ外すことはありませんし、引き続き最優先させてまいります。
殊に「医療現場崩壊」という言葉を耳目にしない日々がない中、自分が感染しないだけではなく、他者に感染させない配慮は信仰の在り方と無縁ではないはずです。

これまでも申し上げてきたことですが、各教会・礼拝堂での慎重に慎重を重ねての最善の備え、対応に感謝申し上げます。礼拝や設備等への調整や工夫を重ねておられる中、慣れていくことが良いものと、「気の緩み」という慣れてはいけないものがある中で、降誕日、顕現節に向かい、教会委員会等で礼拝のあり方や集まりの方法など話し合いを重ねてこられたと思います。インフルエンザへの不安も高まる折ですので、更なる慎重と用心の上、諸々の判断をされますようお願い申し上げます。また信徒、教役者の皆さまには、引き続いて、手洗い手指の消毒、マスクの活用など基本的な感染症予防対策にご留意いただきますようお願い申し上げます。

前述のように「三つの密」を避けるために、例年のような多くの方がたに自由に参加していただく形は難しいことは歴然としています。
各教会・礼拝堂の規模や状況にもよりますが、礼拝回数、礼拝時間、礼拝参加形式への一層の配慮と工夫をお願い申し上げます。
また、例年行なわれています飲食を伴う「クリスマス祝会・愛餐会」は、残念ですが自粛くださるようお願い申し上げます。

今年は、主のご復活を集まって感謝し、祝うことができず、ご降誕も制限のある中でのこととならざるを得ません。物理的、身体的に共に集まることが難しい時であればこそ、「祈りと霊的なつながり」の中に居られる主の働きを信じ、祈り求めましょう。「私たちを今後ひどく襲う危険があるのは、無関心な利己主義というウィルスです」という、フランシスコ教皇の言葉も深く心に留めたいと思います。

これも既にお伝えしていますが、万が一感染された方が出た際には速やかに教会、及び教区事務所総主事(下条司祭)宛に通知ください。プライバシーには配慮し対応致します。

罹患された方がたの回復、医療現場に於いて命がけで献身、尽力しておられる方がたのお働き、エッセンシャルワーカーの方がたのお働き、生活上の不安、困難を余儀なくされている方がたへの支え、ご逝去された方がたの魂の平安と悲しみの内にある方がたへの慰め、そしてこの危機の収束を切にお祈り致しましょう。また、罹患された方がたへの偏見や差別に陥らぬよう併せて祈ります。

み子の訪れによってわたしたちを清め、心の闇を照らしてください。 アーメン

ご理解、ご協力の程、切にお願い申し上げます。

主教教書(16) ご降誕の時に向けて

2020年10月16日

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸

未だ収束の見えないコロナウイルス感染症の中、各教会・礼拝堂での慎重に慎重を重ねての最善の備え、対応に感謝申し上げます。
礼拝や設備等への調整や工夫を重ねておられる中、慣れていくことが良いものと、気の緩みという慣れてはいけないものがある中で、降臨節、降誕日、顕現節に向かい、教会員会等での話合いが始められる時期になりました。インフルエンザへの不安も高まる折ですので、更なる慎重と用心の上、諸々の判断をされますようお願い申し上げます。

殊にご降誕の期節には信徒でない方がたも加え、例年多くの方がたの礼拝参加が見られます。しかし、未だコロナウイルス感染症収束の兆しが見えず、加えて第二波への懸念も専門家から出されている中に在りましては、これまでも東京教区が大原則とし、確認し合ってきました「いのちを守り合うこと」「教会としての社会的責任を果たすこと」への対応を考えます時、また引き続き「三つの密」を避けるために、例年のような多くの方がたに自由に参加していただく形は難しいことは歴然としています。
各教会・礼拝堂の規模や状況にもよりますが、礼拝回数、礼拝時間、礼拝参加形式への一層の配慮と工夫をお願い申し上げます。
また、例年行なわれている「クリスマス祝会・愛餐会」は、残念ですが自粛くださるようお願い申し上げます。

なお、主教座聖堂から毎主日に配信しています聖餐式動画は、11月22日(降臨節前主日)をもって一旦休止致しますが、その後の大祝日や教区礼拝の配信は別途検討致します。
今年は、主のご復活を集まって感謝し、祝うことができず、ご降誕も制限のある中でのこととならざるを得ません。物理的、身体的に共に集まることが難しい時であればこそ、「場所でなく場と霊的なつながり」の中に居られる主の働きを信じ、祈り求めましょう。

既にお伝えしていますように、万が一感染された方が出た際には速やかに教会、及び教区事務所総主事(下条司祭)宛に通知ください。プライバシーには配慮し対応致します。

罹患された方がたの回復、医療の最前線で献身、尽力しておられる方がたのお働き、エッセンシャルワーカーの方がたのお働き、生活上の不安、困難を余儀なくされている方がたへの支え、ご逝去された方がたの魂の平安と悲しみの内にある方がたへの慰め、そしてこの危機の収束を切にお祈り致しましょう。
また、罹患された方がたへの偏見や差別に陥らぬよう併せて祈りたいと思います。

主が憐れみをもって、私たちの悩みを顧み、愁いと恐れを取り除き、み顔の光によって私たちに主を仰ぎ見る力と希望を注いでくださいますように アーメン

主教教書(15) 平和を覚えて祈る時に

2020年8月12日

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸

殊に8月は「平和」という言葉を数多く目や耳にします。しかし、8月に限らず毎日が「平和」を思い、実現する一日一日のはずです。

「私はあなたたちに平和を残し、平安を与える」と、十字架を目前にされたイエス様は言われました。その「平和」とは、命の造り主なる神様と、造られたものとの間に生み出される命の調和なくしては成り立ちません。また、そのために「まず、神の国と神の義とを求めなさい」と、イエス様は命じられました。

「人類は、一人一人が自分以外の人とも平和に暮らしているので無ければ、本当に平和とは言えない。そして、その平和の源とは、一人一人の中での自分との闘いにかかっている」
ということが、世界中から宗教者が集まった際に言われました。
イエス様の歩みを思います時、ご自身との闘いでもある十字架を通して、神様による平和を創り上げられました。
心を乱し、平安を失いがちな私たちに向けてのメッセージ、「恐れるな、私がいる!」は今も生きておられるイエス様の心、働きそのものです。別名「平和を造り出す器」であるキリストの教会は、いつ如何なる状況に在っても、殊に昨今の大変な状況であればこそ、一層み言葉への信頼と祈りを強め、深めてまいりましょう。

引き続き、各教会・礼拝堂での慎重に慎重を重ねての最善の備え、対応に感謝申し上げます。なお、相変わらず不安な状況が続いていることに加え、熱中症への心配もあります。殊に礼拝参加の際にはこれらの状況に留意され、更なる慎重と用心を重ね判断をされますようお願い申し上げます。
既にお伝えしていますように、万が一感染された方が出た際には速やかに教会、及び教区事務所総主事(下条司祭)宛に通知ください。プライバシーには配慮し対応致します。

罹患された方がたの回復、医療の最前線で献身、尽力しておられる方がたのお働き、生活上の不安、困難を余儀なくされている方がたへの支え、ご逝去された方がたの魂の平安と悲しみの内にある方がたへの慰めをお祈り致しましょう。また、罹患された方がたへの偏見や差別に陥らぬよう併せて祈りたいと思います。

主教教書(14) 礼拝(公祷)再開の中で

2020年7月15日

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸



 7月からの「礼拝(公祷)」再開に向け、各教会・礼拝堂での入念な備えを積み重ね、整えてこられたことに深く感謝申し上げます。
 その中、再開間もなく東京都では200名を超える感染者が出る日が続きました。そこで、急なことでしたが主教秘書より「今後の礼拝(公祷)について(継続・休止・様子を見て再検討等)」各教会・礼拝堂での対応を伺い、牧師・管理牧師より速やかな返信をいただきました。
 慎重に慎重を重ね、出来得る最善の備えをしていただいていることに、重ねまして感謝申し上げます。
 この時点で全教会・礼拝堂での「礼拝(公祷)再休止」の通達は致しませんが、各教会・礼拝堂に於かれましては、環境、状況への配慮と話し合いのもとでの対応をお願い申し上げます。どのような状況にあっても神様の計り知れない愛と大きな命のみ手に包まれていることへの確信と祈り、感謝をもって今日の事態に臨んでまいりたいと思います。
 また、罹患された方がたへの偏見や差別に陥らぬよう併せて祈りたいと思います。なお、万が一感染された方が出た際には、速やかに教会、及び教区事務所総主事(下条司祭)宛に通知ください。プライバシーには配慮し、感染経路確認等の上対応致します。なお、教役者が感染した場合には直ちに教会閉鎖と致します。
 礼拝参加の際には、これから夏に向けて熱中症などにも併せてご留意の上、それぞれご判断くださるようお願い申し上げます。
 なお、教会へお運びになれない方がたのために、今後も主教座聖堂からの映像配信はしばらく続けてまいります。
 感染症に罹った方がたの一日も早い回復、医療の最前線で力を尽くしておられる方がたの献身的なお働き、生活上の不安、困難を余儀なくされている方がたへの支え、ご逝去された方がたの魂の平安と悲しみの内にある方がたへの慰め、この危機の収束を切にお祈り致しましょう。
 主が憐れみをもって、私たちの悩みを顧み、愁いと恐れを取り除き、み顔の光によって私たちに主を仰ぎ見る力と希望を注いでくださいますように アーメン

主教教書(13) 礼拝(公祷)再開へ向けて

2020年6月12日

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸



 3 月 8 日(大斎節第二主日)より「礼拝(公祷)休止」を続けてきましたが、下記「11 項目」を基にし、7 月からを目標に「礼拝(公祷)再開」への第一段階へ進むことと致 します。 これまでの間、常置委員会、聖職会、各教会・礼拝堂教会委員会等で、礼拝(公祷)の段階的再開へ向けての様々な話し合い、シミュレーション、工夫を積み重ねて頂いております。 しかし、すぐさま礼拝(公祷)休止以前の教会に戻ることは考えられません。「緊急事態宣言」解除は「安全宣言」発令でも「ウイルス消滅宣言」発令でもないだけに、今後も状況を見つつ、慎重、かつ丁寧な備えをして再開へと向かいたいと思います。今後も様々な制約を設けなければなりませんが、それは「神様からの賜物である尊いいのちを守る(守り合う)ため」に、自分だけでなく他の方々のいのちをも守るために、キリストの教会としての責任ある前向きな行動とご理解ください。

「感染防止要件確保の確認」項目として
1)聖堂・礼拝堂の環境(密閉・密集・密接回避の徹底化と確立)
2)手洗・消毒・マスク着用等の適切な対応での礼拝出席 奉仕者の手洗・消毒の徹底 礼拝前の検温
3)礼拝回数・聖歌曲数・礼拝および式次第の工夫(場合により祈祷書の選択的使用の可能性)
4)聖餐式を行う場合の「平和の挨拶」「陪餐方法」(暫く現行方式継続)
5)聖堂・礼拝堂、礼拝用品、礼拝用書等の消毒
6)通常の礼拝出席者数・年齢構成・来会方法(公共交通機関)の確認と対応
7)礼拝出席者の記録(万が一の感染経路確認のため)
8)体調不良時の礼拝出席自粛の促し
9)不安時には、礼拝出席を控えることへの促しと安心感を与える配慮
10)礼拝(公祷)後の速やかな解散(同一日の次の礼拝まで留まらない)
11)愛餐会等飲食の休止継続


・先ずは礼拝(公祷)再開に焦点を置き(第一ステップ)、その他、教会の通常の集会は休止を継続し、再開は今後のステップとすること
・状況を鑑み、再開の日程や方法等について、ある程度教会
・礼拝堂単位の判断を尊重すること
・現状を考慮し、また礼拝(公祷)再開ゆえに、聖餐式に限らず、礼拝形式に差異が生じる可能性があること
・AA等の依存症自助グループ、給食活動等の対社会的、且つ命に関わるものの実施は寧ろ必要であり、十分な配慮、工夫の上実施可能とすること
・主日礼拝のみならず平日の礼拝など、人の出入りについても記録しておくこと

・感染者が出た際には、速やかに教会、及び教区事務所(下条司祭)宛に通知すること (含:二週間以内に教会に来ていた会衆等)その際、プライバシーには配慮し、感染経路確認等の上、対応すること教役者が感染した場合には、直ちに教会閉鎖とすること
・外部の活動に会場提供している場合、それらの団体にあらかじめ「閉鎖の場合」がある旨を通知しておく必要があること関連施設が併設されている場合には、同様の対応をすること

 また、礼拝(公祷)再開の折にも、移動手段なども含め、礼拝出席に不安のある方がたは決して無理をなさらず、出席をお控えいただきますようお願い致します。基礎疾患のある方がたや、重症化率の高いことが統計上判明しているご高齢の方がたには、何よりも「いのちを守る」ため、今しばらく自粛をお願い申し上げます。なお、教会へお運びになれない方がたのために、今後も主教座聖堂からの映像配信はしばらく続けてまいります。

 今後も毎主日正午には主イエス・キリストが授けられた「主の祈り」をそれぞれが居ら れる場所で、共通の信仰的業として捧げることを継続していきたくお願い申し上げます。 誰かのために、何かのためにできること、しなければならないことを祈りの内に聴き続 けたく思います。 併せまして、社会との接点の中での尊いお働き、殊に社会福祉施設、医療施設、高齢者施設、幼稚園、保育園等のお働き、社会生活の営みを支えるお働きをそこで献身していらっしゃる方がた、関係者のためにもお祈りを捧げます。私たちは各々の生活の場にありながらも祈りを通しての繋がり、強さ、そしてその大切さ、キリストの体という共同体の信仰の素晴らしさを深く心に刻んでおります。

 感染症に罹った方がたの一日も早い回復、医療の最前線で力を尽くしておられる方がた の献身的なお働き、生活上の不安、困難を余儀なくされている方がたへの支え、ご逝去された方がたの魂の平安と悲しみの内にある方がたへの慰め、この危機の収束を切にお 祈り致しましょう。

 神の命の息を吹き込まれている私たちですが、先月アメリカで、その同じ人間によって息をできなくさせられた心を痛める悲惨な事件が起こりました。神は全ての人に神の息を吹き込まれ、生きるようにされたにもかかわらず、このような事件が人によって引き起こされたことを心に留め、他人事として済ませるのではなく、私たちの問題、痛みとして悔い改めの祈りを捧げたいと思います。

 私たちは建物としての教会・礼拝堂には集まれずに過ごしてきましたが、祈りの連帯の 内に神の息を頂き、共に生かされている、このことを謙虚に、そして感謝をもって心に 刻みたいと思います。

 主が憐れみをもって、私たちの悩みを顧み、愁いと恐れを取り除き、み顔の光によって 私たちに主を仰ぎ見る力と希望を注いでくださいますように  アーメン

主教教書(12) 緊急事態宣言解除にあたり

2020年5月28日

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸

 5月25日「緊急事態宣言」が解除されました。 しかしながら、今後の感染再度拡大への懸念は、専門家より指摘されています。 「世間では遂に」とか、「首都圏もついに」という声もありますが、常置委員会、聖職会での話し合いを経まして、ひと月ほど推移を見守るとともに、その中で礼拝(公祷) 再開への備えを慎重、且つ丁寧に段階的に礼拝(公祷)再開への備えをし始めております。なお、「聖職会」は今後も引き続き開催し、心と力を合わせてまいります。    
 その中で、東京都、首都圏に於ける「自粛要請解除」を見つつ、引き続き「三密回避」 等の感染症への対策を熟考し、日程を見極めた上で段階的に礼拝(公祷)再開へ向かいます。
 教区といたしましては、礼拝(公祷)再開が可能な時期が決定次第、速かに日程と礼拝方法を各教会・礼拝堂にお知らせする予定でおります。
 
 3月8日(大斎節第二主日)からの礼拝(公祷)休止以前の教会にすぐさま戻ることは考えられません。それまでとは違う様々な制約を設けなければなりませんが、それは「神様からの賜物である尊いいのちを守る(守り合う)ため」に、自分だけではなく他の方々のいのちを守るために、キリストの教会としての責任ある前向きな行動とご理解ください。
 「緊急事態宣言」解除は、「安全宣言」発令でも「ウイルス消滅宣言」発令でもありませんし、「自粛要請解除宣言」でもありません。従いまして、今後も引き続き、大変恐縮ではございますが、礼拝(公祷)再開の折にも、移動手段なども含め、礼拝出席に不安のある方がたは決して無理をなさらず、出席をお控えいただきますようお願い致します。また、基礎疾患のある方がたやご高齢の方がたには、何よりも「いのちを守る」ために今しばらく自粛をお願い申し上げます。
 
 今後も毎主日正午には主イエス・キリストが授けてくださった「主の祈り」をそれぞれが居られる場所で、共通の信仰的業として捧げることを継続していきたくお願い申し上げます。引き続き、誰かのために、何かのためにできること、しなければならないことを祈りの内に聴き続けたく思います。 併せて、社会との接点の中での尊いお働き、殊に社会福祉施設、医療施設、高齢者施設、幼稚園、保育園等のお働き、社会生活の営みを支えるお働きをそこで献身していらっしゃる方がた、関係者のためにもお祈りを捧げます。私たちは各々の生活の場にありながらも祈りを通しての繋がり、強さ、そしてその大切さ、キリストの体という 共同体の信仰の素晴らしさを深く心に刻んでおります。
 
 感染症に罹った方がたの一日も早い回復、医療の最前線で力を尽くしておられる医療 従事者の献身的なお働き、生活上の不安、困難を余儀なくされている方がたへの支え、ご逝去された方々の魂の平安と悲しみの内にある方がたへの慰め、この危機の収束を切にお祈り致しましょう。
 
 主が憐れみをもって、私たちの悩みを顧み、愁いと恐れを取り除き、み顔の光によって私たちに主を仰ぎ見る力と希望を注いでくださいますように アーメン

主教教書(11) 緊急事態宣言延長の中で

2020年5月21日 昇 天 日

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸

 教会の暦は、主イエスのご昇天日から聖霊降臨へと向かっています。 大型連休明けには「緊急事態宣言」が解除されることを誰もが期待していましたが、更なる延長を余儀なくされ、専門家からは今後への不安の声等も出ております。
 一日でも早く通常の生活に戻りたいとの願いは全ての人の願いです。「そろそろ大丈 夫だろう」 「具体的な数字での目途が欲しい」との声もあります。しかしながら、依然として地球全体が「いのちの危機」に直面していることは否定できません。これまでの繰り返しになりますが、この深刻な状況の中、「神様からの賜物である尊いいのちを守る(守り合う)ため」に最善を尽くすこと、祈りによる連帯と神様への信頼に思いを深め続けたいと切に願います。殊に東京都の状況を見ます時、今後も引き続き礼拝(公祷)休止を余儀なくされています。同時に礼拝再開の具体的日付が出せず忸怩たる思いでおりますが、収束の時に向けて教会は今後も様々な方法を用いてキリストにある繋がりを確かめ合い、守り続けています。
 
 教区としましては、礼拝(公祷)再開が可能な時期が決定しましたら、速かにその日時と礼拝の方法を各教会・礼拝堂にお知らせする予定でおります。そのためにも、それに先立ち、今後 Zoom 等を用いての「聖職会」を複数回開催し、礼拝(公祷)再開へ向けての話し合いの時を持ち始めることに致します。この聖職会での協議を基に、段階的礼拝(公祷)再開への備えをし始めてまいります。
 
 イエス様の昇天は私たちを置き去りにして遥か空の彼方へ遠退かれたのではなく、更に大きく、広く神様の命に包み込んでくださることを伝えています。そのことを心に深く留めながら心と言葉を合わせて、今後も毎主日正午には主イエス・キリストが授けてくださった「主の祈り」をそれぞれが居られる場所で、共通の信仰的業として捧げることを継続していきたくお願い申し上げます。私自身も祈ります。皆さまもご一緒にお祈りください。また、他の方々にも祈りに加わってくださるよう、お知らせとお勧めをお願い申し上げます。この時期「Why」よりも「For What」の発想こそ大切であることを教えられ、誰かのために、何かのためにできること、しなければならないことを祈りの内に聴き続けたく思います。
 
 また、社会との接点の中での尊いお働き、殊に社会福祉施設、医療施設、高齢者施設、 幼稚園、保育園等のお働きと、そこで献身していらっしゃる方がた、関係者のためにもお祈りを捧げます。私たちは各々の生活の場にありながらも祈りを通しての繋がり、強さ、そしてその大切さ、キリストの体という共同体の信仰の素晴らしさを深く心に刻んでおります。
 
 感染症に罹った方がたの一日も早い回復、医療の最前線で力を尽くしておられる医療 従事者の献身的なお働き、生活上の不安、困難を余儀なくされている方がたへの支え、ご逝去された方々の魂の平安と悲しみの内にある方がたへの慰め、この危機の収束を切にお祈り致します。

主教教書(10) 主 日 正 午 の 祈 り

2020年4月23日

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸

 依然として不安の絶えないコロナウイルス感染症により、今や地球全体が「いのちの危機」に直面していると言えます。この深刻な状況の中、「神様からの賜物である尊いいのちを守るため」に最善を尽くすこと、祈りによる連帯と神様への信頼に思いを深め たいと切に願います。 未だ礼拝(公祷)が再開できない中、教会は様々な方法を用いてキリストにある繋がりを確かめ合い、守り続けています。決して、「神の民」「キリストの体」「聖霊の宮」である教会は消滅したのではありません。
 
 また、社会との接点の中での尊いお働き、殊に社会福祉施設、医療施設、高齢者施設、幼稚園、保育園等のお働きと、そこで献身していらっしゃる方がた、関係者のためにも お祈りを捧げます。私たちは各々の生活の場にありながらも祈りを通しての繋がり、強さ、そしてその大切さ、キリストの体という共同体の信仰の素晴らしさを深く心に刻んでおります。
 
 先般、「東京教区では復活日正午には、お昼時の忙しい時間ですが、一旦手を止め、心と言葉を合わせて、主イエス・キリストが授けてくださった『主の祈り』をそれぞれが居られる場所で捧げていただきたい」とのお願いをいたしましたところ、多くの方がたが共に捧げてくださったことを伺い、大変心強く感謝申し上げます。
 
 救い主キリストが授けてくださった「主の祈り」は、「わたしの」ではなく「わたしたちの」祈りであることを心に深く刻み、今後も毎主日正午には復活日同様、共通の信仰的業としてこの祈りを継続したいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
  私自身も祈ります。皆さまもご一緒にお祈りください。また、他の方々にも祈りに加わってくださるよう、お知らせとお勧めをお願い申し上げます。
 
 感染症に罹った方がたの一日も早い回復、医療の最前線で力を尽くしておられる医療従事者のお働き、生活上の不安、困難を余儀なくされている方がたへの支え、ご逝去された方々の魂の平安と悲しみの内にある方がたへの慰め、この危機の収束を切にお祈り致します。

主教教書(9) 復活日を迎える時にあたり

2020年4月10日  聖 金 曜 日

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸

 去る4月6日には東京都医師会から「医療的緊急事態宣言」が、また7日には政府から「緊急事態宣言」が出されました。しかしながら、依然として感染者の増加、感染経路の不明による深刻さは増しています。
 
 福音書には、十字架を前に、あるいは十字架の上で散々悩み、苦しまれるイエス・キリ ストの姿が描かれています。それは私たちの苦しみや悲しみ、不安を担おうとされる「十字架のキリスト」の姿です。今、世界中には「なぜ?」という問いは数限りなくあります。けれども、その答えがなかなか見出せない中にも十字架のキリストが、ご復活のキ リストが共に居られることを深く心に留めたいと思います。
 
 イエス様の十字架もご復活も、そして教会というキリストの体、神の民も消え去りはし ません。先の見えない不安な時、また信仰が問われている時であるからこそ、イエス様 に連なる私たちはイエス様を模範とし、祈りの力への信頼を失わず、それぞれ離れた場 に居つつも、祈りと信仰に結ばれ続けている、そのことへの確信を共に致しましょう。
 
 
 4 月 3日付の「聖週を迎えるに時にあたり(教書 7)」では、「東京教区では、復活日(4 月 12 日)正午には、お昼時の忙しい時間ですが、一旦手 を止め、心と言葉を合わせて、主イエス・キリストが授けてくださった「主の祈り」をそれぞれが居られる場所で捧げていただきたいと思います。私自身も祈ります。皆 さまもご一緒に祈りましょう。どうぞ、他の方々にも祈りに加わってくださるよう、お知らせとお勧めをお願い申し上げます」とのメッセージをお伝え致しました。本日、重ねてのことになりますが、「主の祈り」を授けられたイエス様が共に祈って下さることを感謝し、よろしくお願い申し上げます。
 
 
 感染症に罹った方がたの一日も早い回復と医療従事者のお働き、生活上の不安、困難を余儀なくされている方がたへの支え、ご逝去された方々の魂の平安と悲しみの内にある 方がたへの慰め、この危機の収束を切にお祈り致します。また、その他すべての人々、殊にご高齢の方がた、教会学校・日曜学校に来られない子どもたちの不安が和らげられ、一人一人の命が守られますように、そして、日ごろ教区、 教会・礼拝堂での種々の奉仕に携わっておられる方がたのためにもお祈り申し上げます