これからの教会のビジョン

ビジョン委員会

 2005年11月に創立70周年を迎えるにあたり、今、日本社会もその中にある教会も大きな曲がり角にあるとの認識に基づき、これからの教会のあり方についてアンケートや座談会を重ねてきた。その中で、わたしたちが取り組まなければならない幾つかの課題が浮かびあがってきた。下記の教会指針やビジョンは、その課題を議論する中で形を取ってきたものである。

一.教会指針

『イエスの心を生きる』

《ところが、旅をしていたあるサマリア人は、そばに来ると、その人を見て憐れに思い、近寄って傷に油を注ぎ、包帯をして、自分のろばに乗せ、宿屋に連れて行って介抱した。・・・イエスは言われた。「行って、あなたも同じようにしなさい。」》 〔ルカ 10 :33−37〕

 *今、日本社会は病み、行方を見失っているように見えます。教会が必要とされる時です。このようなとき、初心に帰りたいと思います。宣教は、一人ひとりが、「主イエスの心」を生きてみようとすることにほかなりません。主イエスは、空腹の群集を、子供を失った母親を、傷を負って倒れている旅人を深く憐れに思い、その人たち近寄って手を差し伸べられました。わたしたちも、一人ひとり違いますが、自分のできることをしてみようではありませんか。

二.教会ビジョン

〇安らぎのある教会

《疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい、休ませてあげよう。》〔マタイ 11:28〕

 *今、社会の中で、多くの人々が、子どもも、大人も、高齢者も、疲れ果てているように見えます。教会は、何より先ず、すべての人たちにとって、安らぎ、いやされ、再び立ち上がり、社会へ出て行くところになりたいと思います。

〇喜びにあふれる教会

《主において、常に喜びなさい。重ねて言います。喜びなさい。》〔フィリピ 4:4〕
《わたしの弟子だという理由で、この小さな者の一人に、冷たい水一杯でも飲ませてくれる人は、必ずその報いをうける。》〔マタイ 10:42〕

 *心の底から湧き上がってくる本当の喜びは、「イエスの心」を生きようとするとき、与えられるものです。「イエスの心」は、あなたが日常生活の中で出会う他者や出来事から逃げず、関係を続けることです。

〇開かれた教会

《わたしは、だれに対しても自由な者ですが、すべての人の奴隷になりました。できるだけ多くの人を得るためです。ユダヤ人に対しては、ユダヤ人のようになりました。ユダヤ人を得るためです。》〔コリント一 9:19―20〕
《体は、一つの部分ではなく、多くの部分から成っています。・・・目が手に向かって「お前は要らない」とは言えず、また、頭が足に向かって「お前は要らない」とも言えません。それどころか、体の中でほかよりも弱く見える部分が、かえって必要なのです。》〔コリント一 12:14―22〕

 *教会の扉は、いつも開かれていなければなりません。教会の周りには、第二の輪、第三の輪があって、次第に社会に溶け込んでいるのです。だれでも、教会に自由に出入りし、そして、教会に来る者は、だれひとり不必要な者はなく、一人ひとり、その人にふさわしい役割を担います。

三.教会のこれからの課題

 今、わたしたちが取り組まなければならない課題は、大きく五つに分けられます。この五つの課題に適切に対応することによって少しずつビジョンに近づきます。

(一)新しく教会に来る人々の受け入れ

 *ホームページなどを見てこの教会を訪れる方は、必ずしも少なくありません。しかし、教会に残る方はそう多くありません。それらの方々への対応は、宣教の第一線です。初めて教会の門を叩くには、大変な勇気がいるものです。その方々を、決して孤立させてはなりません。教会に来られる方々は多様です。そのための学びも必要となります。
  1. 一人ひとりが、他者の魂に関心を持とう(魂への配慮)。
  2. 心の問題などについて必要な学びを(研修)。

(二)信徒の役割の自覚

 *教会を維持、発展させるのは、信徒の責任です。一人ひとりが、もう一度、その意識を確認したいと思います。その観点から信徒奉事者の役割を再発見したいと思います。礼拝での奉仕に止まらず、宣教、教会教育の分野で、幅広い役割を期待します。また、教会を維持するために献金は不可欠です。そして、それは、「イエスの心を生きる」一つの形です。
  1. 信徒奉事者の実現。多くの信徒がその役割を経験します。
  2. 礼拝をより豊かに。一人ひとりが思いを持ち寄り、必要を分かち合います。
  3. 献金は強制ではありませんが、信徒の務めです。

(三)信仰の継承

 * 信仰は、一つの生き方を選ぶことです。子どもたちの生き方は、子どもたち自身が選ぶものではありますが、親として、教会として、子どもたちがどういう生き方を選ぶかについては、責任があります。子どもたちの自主性を尊重することと、子どもたちに正しい生き方を教えることと混同してはなりません。今、信徒の家庭においても教会離れが進みつつあり、信仰の継承が問われています。
  1. 日曜学校に皆が関心を持とう。
  2. 中高生世代には、彼らの生活パターンに合わせた、種々の取り組みを。
  3. 第二、第三世代を、教会に呼び戻す工夫を。

(四)高齢者と共に

 *年を取ることは、体からいろいろな力を失わせますが、そのために教会の交わりから疎外されることがあってはなりません。ことに高齢の方との意思疎通(コミュニケーション)には充分配慮がなされなければなりません。高齢期は、人生を完成させる大切な時です。
  1. きめ細かなコミュニケーションの工夫。
  2. 高齢の方々への訪問と教会への交通手段の確保。
  3. 趣味やおしゃべり、学びの会。

(五)地域社会との開かれた関係

 *地域社会に開かれた教会であることは、創立以来のよい伝統です。宣教は、わたしたちのすぐ外側のある人々、グループとの関わりから始まります。これを「第二の環」と言います。この「第二の環」との関係をより豊かで内容のあるものにしていきたいと思います。
  1. ボーイスカウト活動への積極的関わりと支援。
  2. 教会資源(施設など)の活用促進(手話の会、木彫の会、太極拳の会、フォーレを歌う会、ひだまりコンサートなど)。
  3. 錦華学院(児童擁護施設)、地元町内会、小中学校との関わり。
  4. 「山谷まりや食堂」「山谷希望の家」などとの関わり。

四.まとめ

 三つの「教会ビジョン」は、教会を巡る社会の様々な憂慮すべき状況の中で、教会はこうありたいという姿を現しています。教会指針『イエスの心を生きる』は、五つの課題に立ち向かい、ビジョンに向かって歩もうとするとき、わたしたちが常に心がけるべき心のあり方を表しています。五つの課題の優先度は、時により、人により変わるでしょう。今、ビジョン委員会では、次の三点を特に重要課題として提示したいと思います。

  1. 新しく教会へ来られる方々への心配り
    • 教会に来られる方々は多様です。その方々の魂への配慮(牧会的配慮)は、牧師だけでなく、信徒一人ひとりの課題です。
  2. 信徒の役割の自覚
    • 一人ひとり、洗礼を受けたときの生き生きした気持ちを取り戻したいと思います。信徒奉事者の経験は、その気持ちを再びよみがえらせてくれるかもしれません。信徒奉事者は礼拝や教会活動に、信徒一人ひとりの思いを持ち寄り、必要を分かち合うための中心的役割を担います。
  3. 豊かなコミュニケーション
    • 教会は、赤ちゃんからお年寄りまで共に生活する一つの家族(共同体)です。誰一人この交わりから疎外されてはなりません。コミュニケーションの不足は誤解を生みます。この交わりをもっと豊かにしていかなければなりません。そのため、家庭集会、聖書を学ぶ会、読書会、諸活動グループの働きを活発にします。そして、それらの活動が広まり重なりあって、教会全体を元気していきます。
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Last Update Oct/11/2005 (c)練馬聖ガブリエル教会