20180624聖霊降臨後第5主日(6月24日)

本日の日課から 使徒書 コリントの信徒への手紙Ⅱ5章14-21節 20180624聖霊降臨後第5主日(6月24日)


本日の使徒書に「肉に従って」という言葉があります。この「肉に従って」という表現は、人間的な価値観でという意味や人間的体験・経験を通してという意味などがあります。ここでパウロは、そのような意味でキリストを理解しようとはしないと断言しています。このことは、旧約日課と福音書を理解する上でも重要です。
本日の旧約日課のヨブ記の物語は、「肉に従って」考えれば、到底受け入れることのできない不条理が書かれています。実際、どのような理論を用いても友人たちは、ヨブを慰めることも納得させることもできませんでした。しかし、ヨブは、「肉に従って」大切だと思われる、すべてを失った時、主なる神様と対面することが、人間にとって最大の幸福であることを知りました。
福音書の汚れた霊(レギオン)にとりつかれた男の物語では、イエス様は、その人を汚れた霊から解放しました。しかし、周囲の人々は、「肉に従って」、汚れた霊に取りつかれた男の苦しみからの解放を喜ばず、失われた豚2千匹を惜しみました。
わたしたち人間にとって、理性を用いて、また体験を通して、何かを判断し行動することは大切です。しかし、そこに主なる神様の意志を見失わせるような、落とし穴があることも忘れてはなりません。聖書の言葉は、そのような私たちにとって、道標です。その道標に沿って歩んでいきたいと思います。