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質問 | ||||
部落、アイヌ、琉球そして台湾、朝鮮侵略をして、同化をして、差別をしていくという事が一つの国交上のシステムの態度だととらえた場合に、この移住労働者、移住外国人に関してこの侵略の概念というのはどういう風 にお考えですか。 |
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はい、ありがとうございます。それを言い落としました。 これはですね、今日お話しする中で出てくると思いますがちょっと今言っておきます。 朝鮮を植民地にした侵略というのは武力を使って政治的に統合してしまう、併合してしまうという、ものすごいハードな侵略主義、植民地主義でありました。 近代のヨーロッパ諸国がやった植民地というのはみんなそれですね。 日本もその尻馬にのかって一時やりましたが、結局、周りから袋叩きにあったという経過です。 ところが、戦後の植民地主義というのは、新植民地主義といわれるものだそうです。 つまりお金の力で出ていって支配していくという、資本が進出していって、その地域の経済を支配していく。 経済を支配するのですから、その時に必ず政治と結びついていくわけで、地元の政府というのは、そこの人達が選挙している形を取るけれども、実質的には資本本国が決めている。 例えばフィリピンの大統領が誰になるかというあたりは、だいたいワシントンのあたりで決まっていく。 フィリピンは、アキノ政権が成立した直後、マルコスさんが追放されるんですね。 私は、ちょうどインドネシアの今と同じ様なことが、フィリピンに起こったあの時期に、直後にフィリピンに行ったのですが、マルコスさんがあんまり酷いので見切りをつけたのがアメリカで、アメリカがマルコスさんに引導を渡してヘリコプターを出して、ハワイに引き取ってやって、散々使ってきたのだから見捨てるわけにはいかない。それを引き取ってあげて、後はアキノさん。 ちょうどアキノさんが大統領になった最初の一年間、私はフィリピンにいたわけですけれども、クーデターが起こるたびに右と左を切っていくという形を 取るんです。 マルコス政権を倒すのに、いちばん力のあった革新派の閣僚がどんどん切られていく。 右も切られるけれども、主に左が切られる。 結局クーデターを鎮圧するたびに 誰が力を持つかというと、ラモスさんです。 ですからあの一年で、アメリカは次はラモスさんを立てる筋書きを書いてるな、ということが読めましたね。 ラモスさんはアメリカのウエストポイントの士官学校の出身だと聞きました。 そうだとすると中身はアメリカの士官だということ。 そういう意味で、次はラモスさんというシナリオだなという風に思いました。 多少曲折ありましたけれども結局そうなりましたよね。 つまり第三世界の政府というのはほとんどがアメリカ系の(日本もそれに含まれるんですけれども)資本によって養われている政府です。 解放の神学と関係あるんですけれども、南米でそういうあり方に対して、植民地から独立して、自分たちの社会を作りたいということで、独立していきますと、それに対して独裁政権、軍事政権。 軍事クーデターを起こして、その軍事クーデターを起こす軍備と金は何処から出ているかというと、アメリカから出ているという形で押さえ込まれて行くわけです。 ニカラグアのように、革命政権が出来上がりますと、今度はそれに対してコントラの勢力が起こってきて、アメリカのお金でもって、アメリカで訓練された人達が入ってきて、内戦が続いて、ついにどちらも疲れ果てて政府がつぶれていって。 つまりそういうやり方で、新植民地主義というのは直接自分の所の軍隊を送りません。 むしろ地元の政権を金で買う、そして資本が、資源も何もかも全部持ってきてしまうということです。 そういう新植民地主義の支配ですから、これは形を変えた植民地支配なんですね。 そういう意味で侵略・同化・差別というのとほとんど変わっていない、やり方がソフトになっているとこ ろを一皮むいてみるとハッキリしてくるという事であります。 |
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