教界を護りつつ宣教をリード

教区事務所のスタッフとして、前任の山口千寿司祭がメリーランド教区へ行かれた一年間と、また再び三年ほど前から勤務させていただき、親しくご指導をいただきました。少しはお役に立つようにと願いつつ、ご迷惑をおかけするばかりだったようで申し訳ない思いがしております。

ことに竹田眞主教様は、昨年の春までの二年間は、日本聖公会の首座主教という重責を担われ、重ねて日本キリスト教連合会の委員長として日本宗教連盟の理事職、また在任中を通して関係学校や施設の運営に大きな貢献をなされています。

とてもその一つ一つをここに挙げることはできません。しかしそのお働きの期間は、「業務全般が順風満帆、安心してその任に邁進することができる」という状況の内にはなかったように思います。竹田主教のお働きのために神様が備えられた時と場には…運悪くと言うべきか、はたまたタイミング良くというべきか―日本聖公会の内外を問わずどの集まりにも、「滅多にこんなことは話題にならない」という事柄がしばしばその議題として用意されていたように思います。

例えば、文部省の宗教法人審議会の委員在任中には「宗教法人法改定」が話題となり、ついには審議会の進め方について、宗教団体関係の審議委員らと共に強い抗議を表明せざるを得ないとご判断をされたこともありました。日宗連では「情報公開法」や「靖国神社国営化」の問題、日キ連では最近の「献金袋印紙税課税問題」等々、教会の中もまたそれを取り巻く状況もが、従来の枠組みを超えて大きくかつ静かに変わろうとしている困難な時期に、預言者的な働き手の一人として発言し、交渉・協議の席に着き、宣教を推め教界を護る働きに積極的に関わり、それをリードされました。その姿勢は決して感情的に熱してというものではなく、どちらかといえば冷静に過ぎるのではと傍には思われるくらいでしたが、明確かつ的確な判断を伴うものであったと感じています。

こうした変化の流れはまだ続いています。そして竹田主教様が示された見識と態度は、私たちがこれからの教会のあり方を考え、宣教と奉仕の働きをなしてゆく上で、大切な示唆を含んだものであると確信しています。感謝して、御礼を申し上げたいと思います。

司祭下条裕章(教区総主事)

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