沖縄は一九七二年五月一五日の施政権返還(いわゆる「本土復帰」)以来、二六年を経過して、外見上は日本の社会の中に溶け込んでいるように見えます。しかし、その沖縄は今、県民一人当たり平均所得では全国の最下位、失業率は、全国平均のほぼ二倍という経済問題を抱え続けています。それに加えて、全国の米軍専用基地の七五%が沖縄県、特に沖縄本島に集中しています。米兵による犯罪と軍事演習などによる被害は、復帰以前と変わることなく、住民を脅かしています。
九五年九月に起きた米兵による少女暴行事件に対する沖縄県民の怒りと行動は、戦後五〇年と言われても、沖縄では戦後でないことの主張でもありました。
先の大戦では、アジアの関係諸国はじめ、広島、長崎の悲劇と共に、日本国民全てが辛く、悲しい思いをもっています。
先の大戦が一体何だったのかは、平和を考える時、それを振り返ることは大切なことではないでしょうか。沖縄戦には、振り返りに必要な全てのことが含まれているのです。