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なぜいまスチュワードシップが注目されるのか



スチュワードシップの基本の考え方は、このように旧新約聖書を通して一貫して示されているメッセージですが、スチュワードシップという言葉が使われるようになったのはわりあい最近のことです。
そのきっかけとなったのは、一九世紀後半のアメリカの教会におけるスチュワードシップ運動でした。

独立以前のアメリカでは、ヨーロッパの教会が移住した自国民から教会税を徴収していました。
しかし、強制的な教会税の徴収に対して教会の側からも強い反対運動が起り、独立後に教会税は廃止されました。
けれども、それによって教会財政は危機に陥ってしまいました。
そのとき、一信徒の呼びかけによって自発的な献金の運動が起り、やがて献金だけではなく自発的な奉仕を目的とする信徒の運動となって広まり、スチュワードシップという言葉で呼ばれるようになったといわれています。
「神の同労者 〜 恵みへの応答」
日本バプテスト連盟編
日本バプテスト連盟情報・出版部.1993
また英国では、第二次世界大戦によって多くの教会の建物が破壊され、その修復のために教会財政が危機的な状態に陥りました。
そのため、一九五〇年代にさかんにスチュワードシップのキャンペーンが行われ、自発的な献金によって教会財政の危機から救われたとのことです。

しかし、皮肉なことに、スチュワードシップの運動が教会財政の危機を救うのに成功したことによって、スチュワードシップが献金を増すための運動だと見なされるようになってしまいました。
その後一九七〇年代になって、教会が資金を集めることにばかり熱心になり、教会本来の働きをなしえなくなっているという反省が起り、神の恵みへの応答としてのスチュワードシップが再発見されるようになりました。

日本の教会では、これまでスチュワードシップという言葉はほとんど使われませんでしたが、信徒の自発的な奉仕が求められていることは、欧米や他の国々の教会と同様です。
とくに、日本は信徒数の少ない教会が多いため、信徒数のわりに聖職者が非常に多く、教会財政の相当部分が聖職者の人件費に用いられるので、教会や教区の活動には財政的な余裕がなくなり、より多くの信徒の奉仕を必要としています。

そこで、スチュワードシップが注目されるようになってきました。

しかし、もしスチュワードシップが、たんに献金や奉仕の呼びかけだけに終わるならば、欧米の教会でスチュワードシップが資金集めの活動になってしまったように、スチュワードシップ本来の意味が失われてしまいます。
したがって、スチュワードシップの考えを取り入れるには、まずスチュワードシップの基本の考えを学ぶことが大切です。


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