聖パウロという人物 〜剣と書物〜

新約聖書には以下の書が収められています。

  • マタイによる福音書
  • マルコによる福音書
  • ルカによる福音書
  • ヨハネによる福音書
  • 使徒言行録
  • ローマの信徒への手紙
  • コリントの信徒への手紙1
  • コリントの信徒への手紙2
  • ガラテヤの信徒への手紙
  • エフェソの信徒への手紙
  • フィリピの信徒への手紙
  • コロサイの信徒への手紙
  • テサロニケの信徒への手紙1
  • テサロニケの信徒への手紙2
  • テモテへの手紙1
  • テモテへの手紙2
  • テトスへの手紙
  • フィレモンへの手紙
  • ヘブライ人への手紙
  • ヤコブの手紙
  • ペトロの手紙1
  • ペトロの手紙2
  • ヨハネの手紙1
  • ヨハネの手紙2
  • ヨハネの手紙3
  • ユダの手紙
  • ヨハネの黙示録

このうち「ローマの信徒への手紙」から「ヘブライ人への手紙」までは『パウロ書簡』と呼ばれ、こんにちの学説上(一部の異論も ありますが)、聖パウロが執筆したと考えられています。「使徒言行録」とこれらの書簡を読むことにより、聖パウロの人柄や歩みを 知ることができます。

ユダヤ名「サウロ」(ヘブル語では「サウル」、「パウロ」はギリシャ名)は、熱心なユダヤ教徒であり、初代キリスト者を迫害する者の ひとりでした。サウロはある旅の途中で、突然鮮烈な光に照らされ、道に倒れ込みました。「サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか」 (使徒言行録8:4)と呼びかけるイエスの声が聞こえ、それ以来、彼は視力を失い、幻を見るようになりました。 ある日、彼が見た幻は「ダマスコでアナニアというキリスト者が視力を回復させる」というものでした。その幻のうちに示されたダマスコへ 出かけると、アナニアとの出会いがあり、彼は幻のとおり癒やされたのでした。「パウロの回心」として知られるその出来事以降、パウロは 一変してキリスト者としての道を歩み始め、それまでとは逆に自分が迫害される立場になったにもかかわらず、他のキリスト者たちと協力して 危険な旅を続け、イエス・キリストの教えを遠地まで届けました。
「キリスト教の歴史のなかで、彼がいなければ今日のように世界中に教えが広まることはなかった」と言われるほど、パウロの功績は大きい ものです。しかし、彼はローマに至ると軟禁、拘留され、斬首刑によって殉教を遂げます。彼の首は斬首後3度飛び、そこから泉がわき出た と言われており、その場所はTre Fontane(トレ・フォンターネ:3つの泉)と呼ばれています。

右の写真は、当教会の礼拝堂にあるパウロの聖像です。斬首刑で殉教し、たくさんの書簡を記したことから、多くの場合、聖パウロの 姿は"剣"と"書物"で象徴されます。 剣と書物を手にした聖パウロ像

(ご案内)当教会では、日本聖書協会発行の「聖書 新共同訳(旧約聖書続編つき)」を使用しています。

本文引用:
聖書 新共同訳
(c)共同訳聖書実行委員会
Executive Committee of The Common Bible Translation
(c)日本聖書協会
Japan Bible Society , Tokyo 1987,1988

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