日々の礼拝
朝の礼拝
2003  光 空に満つ
Jam lucis orto sidere
Latin, 5c.
SONG 34 (ANGEL'S SONG)
Orlando Gibbons (1585-1625)
 『古今』172番の改訂訳です。
 『古今』の収録詩曲の改訂作業は、必ず原詩と照らし合わせながら進めてきました。それによって、より分かりやすい言葉に訳し直したり、『古今』では訳されていなかった部分で現代において強調すべき点の訳出が可能となりました。また同時に、詩としての美しさを損なわないようにも留意しています( 作業のプロセスについては、本書6頁でも触れています )。
 この聖歌の原詩はラテン語で、英語の訳詩も多種あるため、特に『古今』の邦訳詩を基本にして、変更すべきと思われる部分についてのみ改訂しました。
 結果、1節においては、「光が空に満ちる今、わたしたちはいと高き神に心を上げよ」という部分を生かしています。2節では、内省的な表現を改め、「隣への愛をはぐくみたまえや」と、主に従う者の積極的な姿勢を打ち出しています。
 また5節は、父と子と聖霊なる三位一体の神への賛美なので、「アーメン」で締めくくられます。(アーメンの原則については、『試用版』の「この本の使い方・(7)」[8頁]、また、本書付録「アーメンがなくなる?」[184頁以下] を参照)
 一日の始めの新鮮な気持ちをもって、テンポも遅くならないように注意しながら生き生きと歌いたい聖歌です。主日の朝の聖餐式における、参入聖歌としてもふさわしく用いることができます。
 作曲者のギボンズは、英国ルネサンス期の偉大なオーガニストであり、礼拝音楽にも多数の作品があります。彼の作品は『試用版』では、他に2063「すべての神の民を」が収録されています。
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