日々の礼拝
朝の礼拝
2005  父なる神よ夜は去りて
Nocte surgentes vigilemus omnes
Latin, 10c..
CHRISTE SANCTORUM
Antiphoner, 1681
harm. Ralph Vaughan Williams (1872-1958)
 『古今』168番の改訂訳です。
 「父の神よ」という従来の歌い出しを「父なる神よ」とするために、1小節目の曲譜韻律(ミーター)を1音節増やしました。それに伴い2節では、「万有の主よ」を「全能の神」に変え、「すべてのものの支配者」という原詩の意味を、礼拝用語としてより普遍的な言葉に置き換えました。また、3節では、「み名の光」を「み名の栄え」として神の栄光を訳出し、「世にあまねし」を「世にひびきぬ」とすることによってその視覚的なイメージに、音声的な有り様も加えています。
 これは10世紀のラテン語聖歌による、神の偉大さを賛美する、朝の礼拝の歌です。伝統的には三位一体主日以降から降臨節に入るまでの期間(聖霊降臨後の節、祭色に緑を用いる時期)に用いられてきましたが、内容的には復活節にもふさわしいでしょう。特に2節は、復活節第2主日 (A年) の使徒書に対応しています。
 曲は、17世紀フランスのカトリック教会で普及した「フランス教会歌」です。パリで出版された“Antiphoner, 1681 ” に収められていたものに、この詩が組み合わせられて歌い継がれてきました。
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