教会暦
降臨節
2017  慰めよ民を

Johann Olearius (1611-1684)
PSALM 42
att. Louis Bourgeois (1510?-1561?)
(訳詩 森 紀旦、訳詩協力 藤村美織、大岡 創)
 イザヤ書40章の預言を主題にした内容です。イザヤ書は、40章以降を「第二イザヤ」と呼び、そこには特に救い主の到来の有り様が語られています。主イエスの先駆者として現れた洗礼者ヨハネは、イザヤの預言の成就として、自らを「荒れ野で叫ぶ声」と認識し、主の到来のために備えをするように説いて、人々に悔い改めの洗礼を施していました。この詩は、洗礼者ヨハネのメッセージそのものであると言えます。降臨節第2主日の聖書日課に対応しています。
 作詩のヨハネス・オレアーリウスは、17世紀ドイツ・ルター派の牧師です。
 曲は、『ジュネーヴ詩編歌』の代表的な曲の一つで、1551年の歌集に詩編42編を歌う曲として収められており、おそらくルイ・ブルジョワの作曲、または編曲のものと言われています。ルイ・ブルジョワは、カルヴァン派(改革派)の教会音楽と深い関わりを持つ音楽家・理論家で、詩編歌集の編纂や、会衆に詩編歌を普及する教育にも貢献した人物です。彼は、サン・ピエール教会で、宗教改革者ジャン・カルヴァン( Jean Calvin, 1509-64)のために約15年間、協力者として尽くしました。この旋律自体は『古今』51番で知られていましたが、今回、より原典に近い形(リズム)で収めました。
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