教会暦
降誕節
2027  世の初めに言があった
Before the world began
John L. Bell (1949-)
Graham Maule (1958-)
INCARNATION
John L. Bell (1949-)
Graham Maule (1958-)
(訳詩 宮崎 光)
 アイオナ共同体(および作者については、2002を参照)から生まれた、とても美しいクリスマスの聖歌です。
 「ロゴス賛歌」とも言われる、ヨハネによる福音書1章をモチーフにした歌で、毎年の降誕日、及び降誕後第1主日の福音書に対応しています。
 「言」は主イエス・キリストを表しており、み子の受肉(Incarnation)によって示された神の臨在は、「あなたのため」と歌うことにより、各人は福音に直面させられるのです。聖書の記述をそのままなぞるのではなく、それらを自分に向けられた事柄として受け止めさせる力ある聖歌です。
 原詩では各節の終わりは「I AM FOR YOU」(わたしはあなたのためにある)と歌われます。ちなみに「I AM」は、旧約聖書においてモーセに顕れた神 (ヤハウェ) ご自身の名前を、象徴的に示しています。
 訳詩に際しては、新共同訳聖書本文の言葉のリズムを意識しています。それゆえに、あえて「言があった」「迎え入れた」という語尾を置きましたので、歌い方の注意として、各フレーズの終わりの音を伸ばしすぎないようにしましょう。特に「世の初めに言があった」のフレーズは、語りかけるように歌い、三段目の上昇する旋律で少しクレッシェンド(だんだん大きく)して歌うと、きれいに歌えます。
 クリスマス以外にも、み言葉を深く味わう意図で用いたり、また、黙想会などにも適している歌です。
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