教会暦
顕現節
2034  山のいただきで光の中に
Christ upon the mountain peak
Brian Arthur Wren (1936-)
MANIN
鈴木隆太 (1959-)
(訳詩 宮崎 光 、訳詩協力 浜屋憲夫)
 大斎節前主日の福音書では、山の上で主イエスのみ姿がまばゆく輝いた、「主の変容」が読まれます。主はこの山を降りると、エルサレムでの十字架、そして復活への道を歩むことになります。
 「主イエス変容の日」(8月6日)の祝日にもふさわしい聖歌です。特にこの日は、主日と重なったときでも優先して守られる重要な祝日(『祈祷書』9頁・2の規定による)です。
 主の変容に立ち会った使徒たち(ペトロ、ヤコブ、ヨハネ)にわたしたちも加えられて、ともに「ハレルヤ!」と歌います。この詩に、人の気配もないような山の頂における霊的な出来事を、厳粛に描き出す曲が作られました(作曲者については2009を参照)。
 作詩のブライアン・レンは、フレッド・P・グリーン(2057、2068の作者)や、フレッド・カーン( Frederick H. Kaan, 1929-;『増補版』16番の作者)らとともに、「ヒム・エクスプロージョン (Hymn Explosion )」と呼ばれる、20世紀の英語創作賛美歌の量産期を導く中心的な作家として注目されています。彼は、英国合同改革派教会の牧師として牧会した後、現在は米国に移住して、神学者、詩人、賛美歌作家としての自由な活動をしています。『試用版』には、彼の作品が4編収められました(他に2044、2070、2100)。
 なおこの訳詩は、曲譜韻律(ミーター)が、MAGDEBURG(『古今』357番)にも適応するように整えられていますので、高らかに歌い上げようとするならばその組み合わせもふさわしいでしょう。
 参考までに追記しておきますが、『古今』では147番「きよきやまのうえ」が同じ出来事を歌ったものとしてすでに存在しています。美しいプレインソングですが、馴染みがなかったかもしれません。その際には、TALLIS' CANON(2008、『古今』189番)の曲などを用いると、容易に歌うことができます(『試用版』の「この本の使い方・12曲譜韻律」[ァ頁] の項 を参照)。
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