教会暦
大斎節
2035  十字のしるしの灰を受け
じゅうじのしるしの
森 紀旦 (1940-)
FEDERAL STREET
Henry Kemble Oliver (1800-1885)
 大斎始日(灰の水曜日)の礼拝から始めて、大斎節中いつでも用いられるように作られたものです。
 大斎節とは、復活日を迎える準備の時です。悔い改める罪とは、個人とこの世界の罪であり、わたしたちは、前方に輝く復活日の光に照らし返された紫(の祭色の時期)の40日間を意義深く歩んでいきましょう。復活日に洗礼を受ける志願者の準備の日々でもある大斎節は、同時に、すでに受洗しているわたしたちの信仰的学びの時でもあります。そのことが4節に歌われています。そして、聖金曜日(受苦日)を通って初めて、喜びのイースターとなります。
 作詩の森紀旦は、中部教区主教で聖歌集改訂委員会の委員長。『古今』では大斎節の項目の最初に55番「よそかふるまで」があり、大斎始日や大斎節第1主日の礼拝には必ずといっていいほど、その聖歌が歌われている現状を鑑み、改めて大斎節全体の意義を、特に主の復活への備えと教育・修養的期間として、再認識する願いを込めて書き下ろしました。
 作曲者のヘンリー・オリヴァーは、米国の教会で聖歌隊指揮者、オーガニストを務めました。この曲は1832年に作られた、彼の最初の作品だと伝えられています。曲としては、『古今』72番ですでに知られているものです。
 6節終わりの「主よさせてください」の「さい」は一音節で歌います。「さぁーい」と伸ばしすぎないように注意しながら、自然な感じで歌いましょう。
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