教会暦
復活節
2045  主はよみがえり
Christus ist erstanden
Michael Weisse (1480-1534)
CHRIST IST ERSTANDEN
Geistliche Lieder, 1533
(訳詩 堀口香代子)
 『古今』111番・第二譜と同曲のドイツのコラールで、今回訳出した詩は『古今』よりも結びつきが古いものです。
 十字軍に参加した人々が、東方教会の復活日前夜の徹夜礼拝において、「主は復活された」という歓呼に深い印象を受け、そこからこの歌が生まれたという説があります。
 作詩のミヒャエル・ヴァイセは、フランシスコ会修道士から、宗教改革に共鳴して1522年にボヘミヤ兄弟団に参加し、1531年には最初のドイツ語によるボヘミヤ兄弟団賛美歌集を編纂した人物です。
 ボヘミヤ兄弟団は、ボヘミヤの改革者フス (Jan Hus, 1369頃-1415) の流れを汲み、1467年頃にローマ・カトリック教会から完全に分離した、聖書を信仰の唯一の規範として純潔な生活を奉ずる教派です。
 旋律は、ラテン語の復活日の続唱である“Victimae paschali laudes(過越の小羊をほめたたえよ) ”に基づいています。荘厳な典礼聖歌としての伝統と風格を兼ね備えた旋律です。『古今』111番(第二譜)の旋律とは、多少異なります。
 また、元来の形に近い楽譜を採用したため、「おりかえし」部分が加えられています。この用い方については、楽譜に記してある通り、(a) 毎回、楽譜のまますべてを歌ってもよし、(b) 最後に一回だけ歌うことにしてもよし、(c) まったく歌わなくてもよし、という選択肢がありますので、礼拝の状況に応じた用い方をしてください。
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