教会暦
降臨節前主日
2050  主イェスの名にぬかづきて
At the Name of Jesus
Caroline Maria Noel (1817-1877)
KING'S WESTON
Ralph Vaughan Williams (1872-1958)
(訳詩 今井烝治)
 教会暦において一年の最後の主日となる「降臨節前主日」は、キリストが来たるべき世において、王として君臨されることを強調し、最近では「王であるキリスト」の主日と呼ばれてきました。その意図を反映して各節が歌われています。
 王であるキリストは、決してこの世の支配者のような姿ではなく、「身を低くし」人となった神としてのみ姿で、あらゆるものを輝かせる真の王として来られます。3節の内容から、「昇天日」に用いることもできます。
 作詩のキャロライン・M・ノエルは、ロンドンの賛美歌作家で、17歳頃に最初の賛美歌を書き、その後20年のブランクを経て、大病へのストレスから創作を再開し、病弱な人や孤独な人を対象とした歌を多く作りました。
 この詩のために、20世紀英国の代表的作曲家R・ヴォーン ウイリアムスが荘厳な曲を書き下ろしました。彼は、ロンドンの王立音楽学校やケンブリッジ大学で学び、C・H・H・パリー(2079参照)やスタンフォード Charles V. Stanford, 1852-1924 らに、またベルリンでブルッフに、パリでラヴェルに作曲を師事しました。イギリス民謡や伝統的な旋律を素材に優れた作品を生みだし、交響曲やオペラ、アンセムなどを残しています。『EH』では音楽主査として、20世紀の英語賛美歌の発展に大きく貢献しました。『試用版』では、彼の編曲により2005、2053、2094 が収められています。
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