月報「コイノニア」
2004年2月号 No.246


ラザロ、出て来なさい

司祭ヨハネ

イエスは、再び心に憤りを覚えて、墓に来られた。墓は洞穴で、石でふさがれていた。イエスが、「その石を取りのけなさい」と言われると、死んだラザロの姉妹マルタが、「主よ、四日もたっていますから、もうにおいます」と言った。イエスは、「もし信じるなら、神の栄光が見られると、言っておいたではないか」と言われた。人々が石を取りのけると、イエスは天を仰いで言われた。「父よ、わたしの願いを聞き入れてくださって感謝します。わたしの願いをいつも聞いてくださることを、わたしは知っています。しかし、わたしがこう言うのは、周りにいる群衆のためです。あなたがわたしをお遣わしになったことを、彼らに信じさせるためです。」こう言ってから、「ラザロ、出て来なさい」と大声で叫ばれた。すると、死んでいた人が、手と足を布で巻かれたまま出て来た。顔は覆いで包まれていた。イエスは人々に、「ほどいてやって、行かせなさい」と言われた。
     ヨハネによる福音書11・38―44

 ユダヤ人たちが石で打ち殺そうとしたので、イエスはエルサレムを去りました。そしてヨルダンの向こう側に滞在しておられたとき、マルタ・マリア姉妹の使いが来て、その兄弟ラザロの病気が知らされます。イエスが愛された彼らは、エルサレムにごく近いベタニアにいました。イエスはなお二日間同じ所に滞在してから、弟子たちに「もう一度、ユダヤに行こう」と言われます。弟子たちは「ユダヤ人たちがついこの間もあなたを石で打ち殺そうとしたのに、またそこへ行かれるのですか」と反対します。イエスはラザロが死んだことを告げ、「わたしがその場に居合わせなかったのは、あなたがたにとってよかった。あなたがたが信じるようになるためである」と言われ、彼を生き返らせるために行くと言われます。主が命がけでそこへ向かおうとしておられることを知ったトマスは「わたしたちも行って、一緒に死のう」と言います。
明らかにイエスは、ラザロの死後、時が経つのを待たれました。それは死がすべての終わりではなく、「わたしは復活であり、命である」ことをお示しになるためでした。
ラザロは墓に葬られて既に四日もたっていました。彼は死の領域である墓に移され、今や完全にその支配下にあります。あらゆる人間の交わりは死によって断たれ、葬りによって死の支配に委ねるほかありません。死の絶対性の前に人は嘆き悲しむのみです。この死の支配に対してイエスは憤られ、それに真っ向から挑戦されます。
受難物語は死との決戦の物語です。十字架の死と復活によって主は死に打ち勝ち、罪と死と悪魔の支配を打ち破り、永遠の命の支配を打ち立てられます。「ラザロ、出て来なさい」はその宣戦布告です。この言葉を、主はご自分の願いを神が聞き入れてくださるという確信の祈りをもって叫ばれました。まさにそのために主は神から遣わされた方だからです。
図はジオットが描くラザロの蘇生の場面です。鼻を覆う人、布をほどきにかかる人、驚く人、足元にひれ伏すマルタとマリア、それらの群像の中で、イエスとラザロが向き合っています。布で巻かれたラザロの姿は降誕場面における幼な子の姿と重なります。墓を背にしたラザロと墓に向かうイエス。ラザロと引き換えに、ご自身がラザロの姿になって墓に葬られることを暗示しているようです。


2004年度
受聖餐者総会開催

2月15日(日)礼拝堂にて

 去る2月15日、礼拝堂において受聖餐者総会が開催されました。午後1時15分、出席者35名、委任状77通、現在受聖餐者192名の過半数の出席を確認して、議長下田屋司祭が総会の開催を告げました。開会祈祷の後、司祭からの教勢報告と各部門代表による活動報告に続いて、会計報告、新年度の教会の目標と行事計画、予算について議事が進められ、各議案とも原案通り承認されました。
 宣教百年を契機に、主日礼拝出席者常時100名超、現在受聖餐者300名を目指して歩み続けましょう。

詳しい内容は教会にお問い合わせください。
                       (書記/菅原さと子・浦地愛)


みんなでつくる聖餐式

 マリア教会では、「みんなでつくる聖餐式」と称して、年に数回、担当を決めて創意工夫のなされた提案をし、その礼拝を実践しております。例えば、聖卓を中央に置いてそれを囲む形で会衆席を作ったりと、毎回好評になっています。
 2月22日のみんなでつくる聖餐式の担当は中年会。まずははやり得意の音楽で・・・ということで、様々な楽器を使って聖歌を演奏してみようということになりました。広く募集したところ、さすがは芸達者揃いのマリア教会。オルガン、ピアノ、歌はもちろん、ギター、フルート、ピッコロ、バイオリン、エレキベース、ドラムス、パーカッションなどの楽器が集まり、ひと味違う聖歌が演奏できるようになりました。前日夜遅くまで礼拝堂で音合わせをして、何とかゴスペルっぽい雰囲気に仕上げました。
「礼拝なのにそんなうるさい楽器を??」なんて訝っておられた方も、実際の演奏を聴いて「結構違和感なく聴けた」「楽しく礼拝ができた」と評判をいただきました。次の担当の折りには選曲等もっと工夫を凝らすつもりです。
 次回「みんなでつくる聖餐式」は4月25日、担当はCS(教会学校)。教区テーマ「子供といっしょに!」をいかに実践できるか!乞うご期待!


聖マリア幼稚園コーナー

 この一年間、長いようで、とても早く月日が流れたような気がします。私は、三歳児(花組)のクラスの副担任として一年を終えようとしています。特に花組の子ども達は、一年の間に心も体も成長し、とてもお兄さんお姉さんらしくなっています。入園当時は、「先生!先生!」と何でも先生とする事が多く、遊んでいても「自分が!自分が!」でお友達の事を考える余裕がありませんでした。しかし、小花ちゃんが入り、自分より小さいお友達には優しくするという事を自然に学び、今では、小花ちゃんに自分の使っていたおもちゃを貸してあげたり、小花ちゃんのお世話を自分から進んでしたりと、私がお手伝いするよりも丁寧にしてくれます。まるで小さな先生みたいで、頼りになります。そして、今までとは違い、お友達の事を考える事も出来てきました。お友達が悲しくなって泣いていると、慌ててティッシュを持って近寄り、涙をふいてあげたり、心配したり、泣いている理由を私に教えてくれたりと、わずか三,四歳でこんなに素敵な優しさが出てくるのだなぁと感動しました。私は、この一年の間に、マリア幼稚園でしか出来ないだろうなと思う経験をたくさんしてきました。一つずつ本当に丁寧に教えて頂き、ここだからこそ、こんなにしっかりと学べることが出来るのだと思います。また、二〇年間生きてきて、当たり前のように両親にしてきてもらった事を、改めて感謝の気持ちを持ちました。もうすぐ二年目に突入しますが、もっと一人一人の子ども達をしっかりと見ていける様にしたいと思っています。そして、不得意な事にも、どんどんチャレンジしきたいと思っています。
私は、2月に洗礼・堅信を受けさせてもらい、神様のお弟子さんとになって、教会の一員にも加えて頂きました。私は聖歌が好きで、聖歌隊の方々が歌っておられるのを聴いていると、心が穏やかになってきます。礼拝に出席すると、なんだか心が落ち着きます。でも、教会に来るまでに家から一時間かかるので、朝、なかなか起きられず、気が付いたら間に合わない時間になっていたりします。もう少し、きちんと礼拝に出られるようにしたいなあとは思っているのですが。また、教会の色々な事もお教えて下さい。
 よろしくお願いします。
                              (教諭 ラケル 北川美貴)


各部からのお知らせ

=婦人会=
2月29日(日)婦人会二月例会。大会準備。お仕事会アクリルたわし作り。

=日曜学校=
3月7日(日)お誕生会。14日(日)卒業お祝い会。
21日(日)・28日(日)春休み。

=ジュニアチャーチ=
3月は7日(日)21日(日)10時より朝の礼拝(礼拝堂)。
3月13日(土)〜14日(日)春のキャンプ。聖マリア教会にて『Maria de Camp』。

=青年会=
2月29日(日)昼食当番。1時半〜ギター講習会。

=幼稚園=
2月25日(水)八葉会。3月1日(月)母の会総会。
3日(水)春の集い。8日(月)お誕生会。11日(木)pre-pre school最終。
16日(火)子供同士お別れ会。17日(水)緑組お別れ会。
18日(木)卒園式。19日(金)修了式。

=ボーイスカウト二十四団=
2月28日(土)育成会総会(佐野屋)。
3月7日(日)視覚障害者マラソン奉仕。
<ビーバー隊>3月20日(土)〜21日(日)春季キャンプ。葛川山の家にて。
<カブ隊>4月2日(金)〜4日(日)春季カブホリディ。和束山の家にて。
ボーイ隊3月26日(金)〜28日(日)春季キャンプ。芦生キャンプ場にて。

=ハンドベル=
朝の部毎週火曜日10時半、
夜の部2月26日(木)、3月4日(木)、18日(木)7時半。


ニュースとお知らせ

=聖婚式=
2月22日14時から前田潤さん・米田亜季子さんの聖婚式を行いました。
また、16時半からザ・パレスサイドホテルで結婚披露パーティが開かれました。

=白神芳子さん回復=
一時集中治療室に移られましたが、近々病室に戻られる見込です。

=辻淳一さん退院=
腰の手術を受け無事退院されました。

=レクイエム=
2月18日(水)の逝去者記念聖餐式で次の方々を記念しました。
1日―星野せい(1961)、
2日―星野敏謙(1975)、マリア森重孔美子(1988)、
4日―ヨハネ速水久彦(1985)、続木ハナ(1955)、
5日―*大道静代・*ローズマリー大道佳子(2001)、
6日―エノク上羽国蔵(1975)、
8日―伊藤富美子(1992)、
9日―谷亮三(1973)、
10日―*アブラハム松永了(1999)、*木田祐次(1970)、*奥村金吾(2003)、
11日―岸三樹江(1970)、*上田延秋(1990)、
13日―司祭高松孝治(1946)、
14日―林和(1975)、
18日―ヤコブ速水保彦(1988)

=ギター講習会=
1月末からから末松義密さんによるギター講習会(青年部主催)が始まっています。毎月二回。

=大斎始日礼拝二つ=
2月25日(水)11時から灰の水曜日礼拝が行われました。悔い改めのしるしとして、昨年の聖週に用いたしゅろの十字架の灰で額に十字架を印しました。また、同日19時半から信伝協の大斎始日夕の礼拝が当教会で行われ、各教会から大勢が参加しました。説教者は浦地洪一司祭でした。

=大斎早朝聖餐式=
大斎節の週日には毎朝七時から聖餐式を行います。ただし祝日はその日の聖餐式とします。

=大斎節中の水曜日夕の礼拝=
毎週水曜日夜は信伝協の大斎集会に参加していただくために、当教会での夕の礼拝をお休みにします。

=『近代京都の名建築』寄贈=
山本進さんが京都市文化観光資源保護財団発行の同書を寄贈してくださいました。当教会の旧聖堂の写真も載っています。前室に展示中。

=住所変更=
前田潤・亜季子さん、續木徹さんの住所は教会へお問い合わせください。

=高松孝治長老について=
一九一七(大正六)年から一九二八(昭和三)年まで当教会で司牧された高松孝治長老についてご存じのことがありましたらお知らせください。


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