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《海外出張報告》 | |||
聖公会国際礼拝協議会 International Anglican Liturgical Consultation |
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ウィリアムス神学館 館長 司祭 ヨハネ 吉田 雅人 | |||
(1) | 協議会日程と場所・参加者 | ||
協議会は2003年8月4日〜9日まで、英国オックスフォード近郊のカデスデン村にあるリポン・カレッジを会場に開催された。参加者は17管区から61名で、日本聖公会からは管区礼拝委員の涌井康福司祭と筆者が参加した。 | |||
(2) | 協議会のテーマ・プログラム等 | ||
今回の協議会のテーマは、“Liturgical Education and Formation”「礼拝教育と形成」であった。プログラムは前頁のとおりである。プログラムのとおり7回の講義が行われたが、その講師と講演題は上記のとおりである。プログラムは、この講演を中心に、それに基づくグループ討議と全体での分かち合いという形で進められた。詳細は感想の部分で述べる。 | |||
(3) | 感想、その他 | ||
IALCは4年に一度全体協議会(full consultation)が開かれるが、今回は課題を発題する協議会であった。 今回の協議会のテーマは、“Liturgical Education and Formation”「礼拝教育と形成」であった。前回の協議会は事前にサマリーが送られてきたので、討議課題を十分に検討して臨むことができたが、今回はプログラムにあるような講義課題と講演者の名簿だけであったため、事前準備をすることができなかった。 協議会のこれまでの流れをふりかえるなら、1990年トロント−入信の式、1995年ダブリン−聖餐式、2001年バークレー−聖職按手式というように、WCCのリマ文書(BEM)に対応する形で課題が設定されていた。それらの課題は「ステートメンツ」として発表されており、その意味ではBEMに対応する聖公会の礼拝神学は、一応形を整えたと言えよう。すなわち今回からの課題は、それらを踏まえた上での展開ということなのか、あるいは別のレベルでの新たな課題設定なのか、その点についても事前の説明はなかった。 |
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○ | 「礼拝教育と形成」とは何を意味するのか | ||
そのような中で、今回の課題“Liturgical
Education and Formation”は、何を目的にしているのか、分かりにくい課題だったといえる。確かに前半部分については「礼拝教育」あるいは「礼拝についての教育」ということであるから、神学校における礼拝学の教育や、教会における信徒対象の礼拝教育ということで理解できるであろう。しかし問題は“Formation”という言葉である。辞書によれば、“formation”には
形成、成立、育成、発達、形成の仕方、成立ち、構造、組立て等の意味があるが、「この場合は一体何を意味しているのか」という疑問を抱いたまま参加した。 協議会が始まり、計7回の講義が行われた。ことに午前中の講義(L1・3・5・7)とそれに基づくグループ討議・全体会によって、“Liturgical Education and Formation”が意味する、あるいはこのことを再確認することが、今回の協議会の主要主題であることが明確になっていった。 議論の詳細については http://www.anglicancommunion.org/liturgy/docs/2003ialc.pdf を参照されたい。 |
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以下に筆者がポイントと感じた点を、意見を交えつつ述べる。 | |||
1) | 礼拝についての教育が、神学校や聖職継続教育プログラムだけでなく、管区・教区・各個教会単位で、十分に行われるべきである。しばしば礼拝教育は、洗礼・堅信時のガイダンスの域を出なかったり、神学教育の一課程としてしか行われていないという現実があるのではなかろうか。あるいは礼拝に奉仕する者だけのものになってはいないだろうか。典礼的礼拝が豊かに(日本聖公会の場合はまだ不十分かもしれないが)用意されているにもかかわらず、それらが十分に用いられておらず、画一的・習慣的になってはいないだろうか。これらが祈祷書において意図されている意味で十分に用いられるためには、教会共同体全体が礼拝の意味・意義について丁寧な学び直しをすることが求められる。 | ||
2) | 「形成 Formation」とは、リタージカルな(典礼的)礼拝による「教会・神の民」の形成という意味である。「教会」が真の神の民として成長していくために、教会はさまざまな方法を用いてきた。聖書の学び・種々の特別な訓練プログラム・レイリーダーの養成・青少年信徒の養育等々である。しかしながらこれらのプログラムに出席して学びを深めることができるのは、特定の年齢層・意識的な志願者・選ばれた者であった。それらのプログラムの有効性は十分に認められねばならないが、同時にそれらのもつ 限界性にも目を向けなければならないであろう。つまりそれらのプログラムの限界性 とは、多様な人々によって構成されている共同体全体をカバーできるものではなかっ たという点である。この限界性を克服するものとして、我々は「教会・神の民」を形成する礼拝に注目する。この礼拝とは特別のものではなく、我々の日常的信仰生活において守られている聖餐式・朝夕の礼拝であり、入信の式や牧会的諸式も含めたその他の諸式のことである。これらの諸礼拝には、我々が真の神の民として整えられ、成長し、形成されていくのに必要かつ本質的なメッセージが込められている。またこれらの礼拝をたゆまず行っていくことによって、共同体は霊においても肉においても養育され、整えられて、真のキリストの肢体・神の宮とされていくのである。 | ||
○ | 「礼拝教育と形成」の展開 | ||
この両者を有機的に行うことが、教会が教会として形成され、神とこの世界の人々に真に仕える者とされていくために欠くことのできないものとなるであろう。しかしこれはあくまでも理論的な側面であり、実際の問題としては、より多くの人々(特に教会から遠ざかっている人々や、年に数回しか礼拝に出席しない人々)をどのように礼拝に招くのかということがあろう。これらは聖職信徒を問わず行われる地道な牧会活動と、前述の種々のプログラムとの組み合わせによって達成される必要があろう。すなわち主日礼拝を中心に据え、その礼拝と他の諸プログラムを有機的に組み合わせることが求められると言える。 その意味においては、今回の協議会の課題は目新しいことではなく、教会が伝統的に強調してきたことである。しかしながら多様化が進む教会において、再度この点に関心を集中し、教会の様々な働きを全体的に再構築することが求められているように思う。 |
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(4) | その他のトピックス | ||
@Eucharistic Foodsについて | |||
全聖公会エキュメニカル関係常設委員会(Inter-Anglican Standing Commission on Ecumenical Relations)が、前回のIALCで提示された“Eucharistic Foods”の問題についてコメントしているため、この問題について次回の全体協議会で課題とすることを確認した。 | |||
A管区報告(Provincial Report) | |||
各管区の礼拝に関する動向の分かち合いであるが、2001年協議会では報告できなかったため、今回、NSKKが1990年に祈祷書改定を行ったこととその特色、ローマ・カトリック教会との共通訳主の祈り、管区礼拝委員会の設置、今後の作業課題等についてプレゼンンテーションした。詳細は文書でも提出し、前述のウェブサイトに全文が掲載されている。(英文) | |||
B次回の全体協議会について | |||
次回全体協議会は、2005年8月初旬にプラハで開催される予定である。ソシエタス・リタジカはドレスデンで開催される。 |
8月4日(月) | 5日(火) | 6日(水) | 7日(木) | 8日(金) | 9日(土) | ||||||
07:30 | 朝の礼拝 | 07:30 | 朝の礼拝 | 07:30 | 朝の礼拝 | 07:30 | 朝の礼拝 | 07:30 | 朝の礼拝 | ||
08:00 | 朝食 | 08:00 | 朝食 | 08:00 | 朝食 | 08:00 | 朝食 | 08:00 | 朝食 | ||
09:00 | 講義1 | 09:00 | 講義1 | 09:00 | 講義1 | 09:00 | 講義1 | 09:00 | |||
09:45 | グループ | 09:45 | グループ | 09:45 | グループ | 09:45 | グループ | Ecumenica | |||
Partnerから | |||||||||||
10:45 | お茶 | 10:45 | お茶 | 10:45 | お茶 | 10:45 | お茶 | 10:45 | お茶 | ||
11:45 | 全体会 | 11:45 | 全体会 | 11:45 | 全体会 | 11:45 | 全体会 | 11:15 | 次回の | ||
会合は? | |||||||||||
12:30 | 昼の祈り | 12:15 | 聖餐式 | 12:30 | 昼の祈り | 12:30 | 昼の祈り | 12:30 | 昼食 | ||
13:00 | 昼食 | 13:00 | 昼食 | 13:00 | 昼食 | 13:00 | 昼食 | 13:30 | 解散 | ||
14:30 | 講義2 | 自由時間 | 14:30 | 講義6 | 14:30 | ACCから | |||||
14:00〜16:00 | 15:15 | 討議 | 15:15 | 討議 | Eucharistic Food | ||||||
受け付け | |||||||||||
16:00 | お茶 | 16:00 | お茶 | 16:00 | お茶 | 16:00 | お茶 | 16:00 | お茶 | ||
17:00 | 聖餐式 | 16:30 | 管区報告 | 16:30 | 講義4 | 16:30 | 16:30 | 管区報告 | |||
CPHのプレゼン | 17:30 | 聖餐式 | |||||||||
18:00 | 歓迎 | 18:00 | 夕の祈り | 18:00 | 夕の祈り | 18:00 | 夕の祈り | ||||
18:30 | Cash Bar | 18:30 | Cash Bar | 18:30 | Cash Bar | 18:30 | Cash Bar | ||||
19:00 | 夕食 | 19:00 | 夕食 | 19:00 | 夕食 | 19:00 | 夕食 | 19:00 | 宴会 | ||
20:00 | オリテン | 20:00 | メンバーから | 20:00 | メンバーから | Bunk Off | |||||
21:00 | 終了 | 21:00 | 終了 | 21:00 | 終了 |