聖路加国際大学 聖ルカ礼拝堂

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復活節第5主日(A年)(2020/05/08)

「イエスは言われた。『わたしは道であり、真理であり、命である。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行くことができない』」(ヨハネ14:6)
イエスさまは弟子たちに「わたしは道であり、真理であり、命である」とはっきりと言われた。ギリシャ語では、これらの名詞には定冠詞が付く。イエスさまは複数の道、真理、命の中の1つではない。唯一の道、唯一の真理、唯一の命である。かなりの主張だ。このように話す人は頭がおかしいではないかと思われてしまう。イエスさまは果たして頭がおかしいのか。その生き方、その教え、その死に方、またイエスさまが弟子に与えた影響、そして彼らが世界に与えた影響??これらを見て、ナザレのイエスは正気ではなかったと示唆するものはあるか。もしイエスさまが本当の道なら、当然その終点もある。すべての道がどこかに通じる。多くの人は人生で自分の道を作ろうとする。それはそれで結構だが、それぞれの終点はどこか、分かっているかしら。イエスさまが主張しておられるのは、ご自分が神へとつながる道なのだ、ということ。しかも、その神とは、創造主であり裁き主でありつつ、その「家にはたくさんの住む所」をわたしたちのために用意し、愛してくださる父でもある、とこの真理をイエスさまは伝えて具現化なさった。さらに、再び顔を天の父に向け、その家に戻る道を歩み出す人こそ、真の命を味わう人なのだとイエスさまは教えてくださる。その命は今や信じる人の心の中で始まり、父のみ国に至るまで、終わることのない命である、と。「あなたは命の道を示してくださる? み前には溢れる喜び、みもとには永遠の楽しみがある」(詩編16:11)。(司祭 ケビン・シーバー)

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