聖路加国際大学 聖ルカ礼拝堂

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2020年5月24日(2020/05/22)

「イエスは、そこから彼らをベタニアの辺りまで連れて行き、手を上げて祝福された。そして、祝福しながら彼らを離れ、天に上げられた。」(ルカ24:50-51)
イエスさまの手についていろいろ黙想してみよう。赤ん坊のイエスさまの手。あんな形で、天という自由自在に動ける、栄光に満ちた次元から、全能の神のみ子がご自分を弱く、低くして、わたしたち弱い人間と同じレベルまでへりくだり、この世に現れたのだ。その赤ん坊が成長して義理のお父さんヨセフに倣って大工となった。小さい、しわしわの手が硬い、たこだらけのたくみの手になった。30歳の頃、天の父に召し出され、神さまの愛の国を教えながら巡り歩くイエスさまはある日、重い皮膚病を患っている人に出会う。周りの人に感染することを恐れられ、家と町から隔離され、辛い、寂しい、苦しい日々を長年過ごしてきたこの人がイエスさまに、「主よ、み心ならば、わたしを癒すことがおできになります」と言った。すると、イエスさまは躊躇せず、感染されることを恐れず、ご自分の手をその人の上に置き、癒してくださった。神さまの愛の国はこのようなものだ、と。最期の晩餐の席で、翌日のご自分の十字架を意識してイエスさまはパンを手にとり「これはわたしの体だ」と言われた。わたしがあなたたちの命を養う者だ、と。そしてぶどう酒の杯を手にとり「これはわたしの血だ」と言われた。わたしの犠牲によってあなたたちの罪は赦され、サタンの支配から自由になる、と。そして翌日、ついに十字架の上で、世界中の弱い人、道に迷う人、悲しむ人、絶望する人を抱きしめられるように、イエスさまは両手を広げて、ご自分の命をささげられた。三日後、復活したイエスさまは、十字架の釘で刺されたその手の傷跡を弟子たちにお見せになった。ほら、天の父の愛は死よりも強いものだ、と示された。そして昇天の出来事。イエスさまは手を上げて弟子たちを祝福した。祝福しながら天の父のもとに、時空を超えたその次元に戻られた。イエスさまの手を見て天の神さまの心を知ることができる。わたしたちを愛してやまない、共にいてくださる神さま。わたしたちを祝福したい神さま。わたしたちの真の喜びを望まれる神さま。その永遠の喜びのためにみ子をお与えになった神さま。何があっても決して見捨てることのない神さま。(司祭 ケビン・シーバー)

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