聖霊降臨後第25主日(特定26) 
日曜学校教話 2008.11.2

マタイによる福音書 23:1〜12

「仕えるものになりなさい」

シメオン 元津 毅

 皆さんは10月31日をどう過ごしましたか?最近町で「ハロウィン」を祝うことが流行っている様子です。魔女やお化けの格好をして「ジャック・オ・ランタン」を飾ったりしています。僕にも5歳の姪と3歳の甥がいて、ハロウィンのコスチュームで楽しんだそうです。彼らはお寺の経営する幼稚園に通っているのですが、僕にこう質問するのです「ねえ、教会でもハロウィンやるの?」
 皆さんの中にはもう聖マーガレット教会の日曜学校に一年以上来ている人が多いので、わかると思いますが、教会の暦と一般の暦は少し違います。教会の暦に「ハロウィン」はありません。これはアイルランドやスコットランドに住んでいたケルト民族のお祭りだったのです。ケルト民族の一年は11月1日から始まります。新年を別の言葉で言い換えると、そう、お正月です。その前日10月31日はつまり大晦日。ケルト民族の宗教ドルイド教では10月31日に先祖の霊が地上に戻って魔物が地上を飛び交うと考えていました。近代になってからは魔女やお化けのコスチュームで悪ふざけするお祭りになったのです。
 ハロウィンは教会の暦にはありませんが、11月1日は「諸聖徒日」といってすべての聖人を記念する日です。ついでに今日11月2日は「諸魂日」つまり死んだ人の魂のために祈る日です。わかりやすく言えば、ちょうどこの時期は日本の「お盆」に相当し、この時期にお墓参りや墓地礼拝をする人や教会もあります。
仕えるものになりなさい
 さて、先ほど読まれた福音書の中で、イエス様は11節で「あなた方のうちで一番偉い人は、仕えるものになりなさい」と集まった群衆とお弟子さんたちに語りかけます。またその前の部分では「あなた方は先生と呼ばれてはならない・・・地上のものを父と呼んではならない・・・教師と呼ばれてもいけない。」とも言っています。僕がびっくりするのは「地上のものを父と呼んではならない」という部分です。
 皆さんのところへ知らない人がやってきて「あなたのお父さんをお父さんと呼んではいけない」といわれたらどうしますか?よく考えてみてください。 もう一度読み直してみると、イエス様は「天の神様だけが父で、神様の前ではみんなすべて平等なのだ」といっているように思えます。そうして「偉い人は仕えるものになりなさい」と勧めています。
 皆さん思い出してください。イエス様が最初に漁師だったペトロ、アンデレ、ヤコブ、ヨハネの4人に「私についてきなさい」といわれました。結果的に4人は漁師を辞めてイエス様についてゆきました。そうしてイエス様のお弟子さんたちはイエス様についていった結果、イエス様の教えを述べ伝える最初の人々になりました。 イエス様はそのご生涯を通して私たちを救いに導いてくださるのですが、その第一歩はイエス様の「私についてきなさい」に始まり、ここでは「仕えるものになりなさい」と呼びかけています。 イエス様自身が「仕えるもの」となって私たち人間の罪を負い、十字架の上で死なれました。 どうしたら「イエス様に仕えるもの」になれるのか。私自身に問いかけられています。
 最初
の部分で暦の話をしました。これから先は色々行事がありますが、なんと言っても重要なのはクリスマス、イースター、ペンテコステです。皆さんと一緒にこれから聖マーガレット教会の日曜学校で、暦に従ってイエス様のご生涯をたどりながらこのことを考えてゆきましょう。

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