英国教会やアメリカ聖公会の場合

 英国教会やアメリカ聖公会の規定を見ますと、英国教会にはレイ・リーダー(Lay Reader)という奉仕職があります。

これについては病人を訪問し、病人と共に信仰書や聖書を朗読する任務が書かれてあります。また日曜学校などで教えることもあります。また主教の指示によって自分の教会の牧師を助けるということもあります。それから早祷、晩祷、嘆願などの司式をします。

ただし赦罪は除きます。日本聖公会の祈祷書の朝夕の礼拝には懺悔はありますが赦罪はありません。

英国教会祈祷書では懺悔の後、司式者が司祭の場合は赦罪の宣言をすることになっています。赦罪は司祭固有のつとめですからレイ・リーダーが司式者の場合は赦罪を除くわけです。

結婚の予告、朗読、ある場合には説教をします。また、子供の入信の準備、会衆の献金の受領と捧げること、あるいはその補佐の仕事です。


レイ・リーダーと一緒にレイ・ワーカー(Lay Worker)の規定もあります。レイ・ワーカーも同じような規定です。早晩祷の司式、聖餐式における分餐の補佐、使徒書・福音書の朗読、あるいは主教の許可により説教、誕生感謝の祈りの司式、幼年葬送式の司式、結婚の予告などができると書かれてあります。

それからアメリカ聖公会の法規にもレイ・リーダーの項目もありますが、教会の牧師が信徒でふさわしいとみなした人物を任命します。それも礼拝を司式することが書かれてあります。

また、司牧的奉仕や教会の事務的なことに携わることができます。自分の教会以外のところでその職務を行うという時には特別な認可が必要になります。再任を妨げないということが書かれていますが、英国にせよアメリカにせよ、適切な準備と訓練を行う規定があります。

 英国教会やアメリカ聖公会のレイ・リーダーとか、レイ・ワーカーが信徒奉事者に近い仕事ではないかと思います。

従来、教会の公式の職務、特に礼拝の執行、牧会や教育などの任務は聖職がほとんど独占していました。

信徒が教会の仕事をしたり、一定の職務執行のため認可を受けたり、公式に任命される習慣はつい最近のことであります。中世ではそういうことはなかったと思います。