5 宗教改革 −信徒の立場の回復

 宗教改革の時代になりますと、信徒の立場が回復されてきます。
自己意識が次第に出てくる時代でもあります。
中世の一方的な聖職の権威による宗教支配に納得しなくなってきたのです。

そして人間(信徒)の在り方が再確認されていきます。

また、航海の技術も進み、また海外伝道の機運が盛り上がります。
最初はスペインやポルトガルなどからカトリックが進出しますが、一八世紀になるとオランダ、イギリスなどプロテスタントが海外伝道を始めます。
ヨーロッパの進んだ知識や技術を、アジア、アフリカの人びとに伝えようという動きとともにキリスト教伝道も展開するのです。

そしてアジア、アフリカの各地に教会ができるのですが、最初は現地の人は司祭にはなれませんでした。
聖職としてふさわしい資格がないとされていたからです。

しかし、現地のことに精通し、宣教師たちの手伝いをする人が必要となり、伝道師(カテキスト)が現地で誕生します。
彼らは報酬も少なく、神学教育も十分に受ける機会が与えられませんでした。
有名な宣教史家スティーブン・ニールは「当時の宣教状況の中で伝道活動で英雄的貢献をしたのはカテキストたちだ」と言っています。

現地の司祭によって土着化した教会となたのはつい最近のことですが、実際は現地の人が当時から伝道の活躍をしていました。
やはりこういう働きが教会の信徒の働きのひとつのモデルになっています。