三、 初めて聞いて分かるように

 また本当に手紙であったとすると、朗読を聴く人は誰もコピーを持って聞いてはいない筈です。
 最初のキリスト者の礼拝においてそうだったでしょう。聖書本文を会衆全体が持って読めるなどというのは、ずっとずっと後の時代のことです。
 聖書朗読の際に、会衆もちゃんと聖書を目で追って読むように、という指導を受けられた方もいらっしゃると思います。
 それはそれで聖書に対する真剣さと言えますし、否定するものではありません。
 しかし朗読者の基本的な姿勢としては、文字を追っていない聞き手が「初めて聴いて分かる」ように読むことが大切です。
 聞き手も出来るなら、文字を追うよりも、人の肉声を通して語りかけてくる神の言葉そのものに、耳と心を傾けてみたらと思います。
「聖書のみ言葉を聞きましょう」