気仙沼市

高台にあったため津波の被害を逃れた ひまわり

ここでは、被災した障がいを持つ方々を支援するため、社会福祉法人洗心会が運営している通所作業所「ワークショップひまわり」の製品買い取りや作業補助、作業所スタッフの方のお手伝いなどをしています。

(福)洗心会「ワークショップひまわり」の情報

震災前の新施設

宮城県気仙沼市にある社会福祉法人洗心会は障がいのある方たちの作業所や施設、生活支援センターなど事務局を含め9つの施設を持ち、この地で長く地域と障がい者をつなぐ働きをしてきました。その施設の中の1つ、「ワークショップひまわり」はパンやお菓子の生産、海産物の加工などの作業を通して就労に必要な知識や能力を高め、就労支援を行う通所作業所です。ここで利用者のみなさんは仕事をし、収入を得ていました。
もっと交通の便の良い海側に、さらに使いやすく大きな作業所が2011年4月から稼働する予定で、3月末には新しい厨房の試運転が行われることになっていました。

 

新施設のあった場所(震災後)

ところが新しい作業所は3月11日の津波で被災した上、火災が起きて、一度も使われることなく全てが文字通り灰燼に帰してしまったのです。さらに3月初めに自治体に出していた申請書が正式に受理される前であったため、公的には何の保証もなく、法人がすべてを被るしかない状況です。

今は、地震で大きな機械が動いて壁に穴があいたりしたものの、高台にあったため津波をまぬがれた元の施設で作業が行われています。また、気仙沼にあった洗心会の本部も津波で流されてしまったため、ホームページも目下準備中です。

活動内容

◆商品買い上げ支援

プロジェクトでは「ひまわり」のクッキー買い上げ支援を1年間行いました(2011年9月〜2012年8月)。日本聖公会婦人会が取りまとめ役となり、クッキーは毎週日本各地の教会・施設に届けられました。以下の4つが主な目的です。

●ひまわりに仕事をするやりがいが生まれる
●震災後の受注減少による賃金の低下が改善される
●クッキーを受け取った皆さんに被災地を憶えてお祈りいただく
●多くの方がひまわりと出会う機会を作り、ひまわりのファンの増加、ひまわりの自立に繋げる

ひまわりの商品について詳しくはコチラのページをご覧ください。
≫ひまわりの商品を手に入れるには

◆作業補助

プロジェクトのスタッフやボランティアの方がひまわりを訪問し、クッキーのラッピングや野菜の袋詰め等の作業をいっしょに行わせて頂いています。いっしょに作業をする中で、仮設住宅での生活のお話を聞くこともあります。

◆送迎・通院支援

通院先の被災による移転、交通機関の運行停止等 の事情により通院が困難になったひまわりの利用者の方の送迎のお手伝いをしています。郵便局や役所への手続きのための送迎も行いました。住む場所も変わ り、交通機関が震災前のようには利用できない状況下で移動手段は限られ、困難な生活が続いています。

気仙沼市の情報

太平洋に面した沿岸域は、半島や複雑な入り江など、変化に富んだリアス式海岸を形成しており、このリアス式海岸特有の海岸美により、陸中海岸国立公園及び海中公園、並びに南三陸金華山国定公園の指定を受けています。世界屈指の好漁場・三陸沖漁場を控えているため、市の基幹産業は水産業とそれに関連する製造業などです。カツオ、サメ、メカジキの水揚げは日本一で、サンマも日本有数の水揚げ実績を誇り、内湾ではカキ、ホタテ、ワカメ、ホヤなどの養殖も盛んに行われています。特産品「フカヒレ」は日本一の産地です。震災時は地震・津波に加え、タンクから流出した重油に引火して大規模な火災が発生しました。平成23年10月末日時点の人口は,70,336人。

震災被害データ(宮城県発表平成24年4月6日現在)

●人的被害
死亡者        1,142人
(直接死       1,063人)
(関連死       79人)
行方不明者      308人

・直接死とは:津波や家屋倒壊などが原因で死亡したと被災市町村で確認された方の合計。
・関連死とは:直接死以外で、この震災が原因で死亡したと災害弔慰金支給審査会等で認定された方の合計。

●建築物被害
全壊         8,483棟
半壊         2,552棟
一部損壊       4,555棟

応急仮設住宅(国土交通省住宅局発表平成24年4月2日現在)

地区数        93地区
戸数         3,504戸