月報「コイノニア」
2000年6月号 No.202


聖霊降臨と主の栄光

司祭ヨハネ

「初めからこれらのことを言わなかったのは、わたしがあなたがたと一緒にいたからである。今わたしは、わたしをお遣わしになった方のもとに行こうとしているが、あなたがたはだれも、『どこへ行くのか』と尋ねない。むしろ、わたしがこれらのことを話したので、あなたがたの心は悲しみで満たされている。しかし、実を言うと、わたしが去って行くのは、あなたがたのためになる。わたしが去って行かなければ、弁護者はあなたがたのところに来ないからである。わたしが行けば、弁護者をあなたがたのところに送る。・・・
 言っておきたいことは、まだたくさんあるが、今、あなたがたには理解できない。しかし、その方、すなわち、真理の霊が来ると、あなたがたを導いて真理をことごとく悟らせる。その方は、自分から語るのではなく、聞いたことを語り、また、これから起こることをあなたがたに告げるからである。その方はわたしに栄光を与える。私のものを受けて、あなたがたに告げるからである。父が持っておられるものはすべて、わたしのものである。だから、わたしは、『その方がわたしのものを受けて、あなたがたに告げる』と言ったのである。」
        (ヨハネ福音書16・4―7、12―15)

復活節も終盤。昇天日を経て聖霊降臨日がそのしめくくりとなります。聖ルカはその福音書と使徒言行録において、主の復活―昇天―聖霊降臨をこの世の時間の流れの中に位置づけて語りました。教会暦は聖ルカの記述に基づき、復活日から四十日目に昇天日、五十日目に聖霊降臨日を祝います。それは私たちにはごく自然なことに感じられます。私たちはこの世の時の流れの中で生き、信仰もまたそれに沿って展開し成長して行くものだからです。一方、聖ヨハネは時間的にではなく、主イエスの『栄光の時』として、十字架・復活・昇天・聖霊降臨をいわば一つのこととしてとらえています。
復活の日の夕方、弟子たちが集まっているところへ姿を現された主は、彼らに息を吹きかけて「聖霊を受けなさい」と言われました(ヨハネ二〇・二二)。『ヨハネ福音書における聖霊降臨』と言われる箇所です。神が息(霊)を吹き込むという表現が旧約にあり、主は息を吹きかけるという象徴的行為によって弟子たちに聖霊を送られました。
冒頭の聖句はご受難の前夜に弟子たちに語られたみ言葉です。そこでは、主が去って行かれたなら、弁護者(すなわち真理の霊)を送ると約束され、主は今、ご自分をお遣わしになった方(父なる神)のもとに行こうとしていると言われます。去って行くとは十字架に挙げられることであり、同時に天に挙げられることでもあります。こうしてすべてが『栄光の時』の中に置かれます。
その栄光とは主イエスが業を成し遂げて地上で現された神の栄光であり、世界が造られる前に御子が持っておられた栄光です(ヨハネ一七・四、五)。真理の霊は主イエスの栄光を受けて弟子たちに伝え、真理をことごとく悟らせることによって主に栄光を与えます。それゆえにこそ聖ヨハネは福音書の冒頭で「言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。わたしたちはその栄光を見た。それは父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた。」(一・一四)と宣言することができたのです。
ヨハネ福音書は実に栄光に始まり栄光に終わります。そして終わりの栄光が初めの栄光に一層の輝きを与えます。聖霊降臨はわたしたちがこの主の栄光に与ることです。聖パウロは言います。「わたしたちは皆、顔の覆いを除かれて、鏡のように主の栄光を映し出しながら、栄光から栄光へと、主と同じ姿に造りかえられていきます。これは主の霊の働きによることです。」  (Uコリント三・一八)
(図は一五世紀初頭ルブリョフ派のイコン「主の昇天」)


礼拝奉仕者懇談会行われる

5月14日(日)午後1時から3時まで会議室において、礼拝奉仕者懇談会が行われました。新礼拝堂の完成に伴い、礼拝奉仕について見直しの機運が高まり、実現したのもです。
下田屋司祭、伊藤神学生、オールターより鎌田洋、村田、野崎、浦地愛、サーバーより新実康、斉藤、佐々木亨、南、オーガニストより佐々木暢、末松、教会委員より宗像、続木(書記)が参加され、熱い討論がなされ、マニュアル造り、勉強会、講習会等、今後の進め方も決められました。以下に議事録を転載させていただきます。

1.教会委員(続木)より
・新礼拝堂での礼拝のあり方を皆で考えながら、また、下田屋先生の礼拝に対する考え方等をふまえながら、それぞれの奉仕者が再度自覚を新たにし、レベルアップを図っていきたいと考えます。そのための話し合いです。
・それぞれの奉仕者のメンバーを再度確定して、聖霊降臨日に任命式を行う予定です。
・また、それぞれの役割毎のマニュアル造り、勉強会、講習会等も今後計画していきたいと教会委員会としては考えています。

2.下田屋司祭より
・キリスト教でも教派によって礼拝の持ち方に違いがあります。さらに、二〇世紀の「リタージカルムーブメント」(初代教会への回帰)によってもたらされた変化もあります。
・例えば、プロテスタントの教会では礼拝堂を「聖堂」ではなく「会堂」と呼びますが、それは単に呼び方だけでなく、礼拝堂の性格そのものが聖公会とは異なり、「聖なる空間」という概念がありません。その違いが礼拝堂の構造や形、レイアウト等に反映しています。
・「リタージカルムーブメント」の一つの帰結は、初代教会が「最後の晩餐」にならって聖卓を囲んで礼拝していた形を聖餐式に回復しようとするものです。聖堂を最初からそのような造りにする教会も増えてきています。しかしそれが絶対だということではありません。
・伝統的な形にもそれなりに深い意味があり、新しい考え方が常に正しいわけでもありません。「感謝と賛美の祭り」としての聖餐式をいつも大切にし、与えられた聖堂の形の中で最大限の美しさと豊かさで礼拝の心を表現していくという姿勢で自分たちの礼拝を考え、オールター、サーバー、オーガニストそれぞれのやり方の中に生かしていきたいと思います。
・礼拝奉仕にあたっては、私たちが持っている全ての賜物を献げて礼拝に奉仕する、自分達のでき得る最高の努力を払って礼拝を整えていく、という姿勢で臨みたいものです。
・この聖堂はできたばかりで、自分は出来立てのホヤホヤのところへ司祭としてやってきました。マリア教会の皆さんが礼拝堂建築のプロセスの中で考えてこられたこと、また、一人一人の思いも色々あると思います。聖マリア教会の礼拝の新しい伝統をこれから自分たちで造っていくのだという、そういうつもりで、試行錯誤的な面も色々出てくると思いますが、皆で心を合わせて考えていきたいと思います。

3.ディスカッション
Mさん=葡萄酒は冷蔵庫に入れるものなのですか?
Kさん=昔は一升瓶のワインでやっていた。ポートワインの時もあった。夏場以外は冷蔵庫に入れる理由は無いと思う。
Mさん=最近では女性でもサーバーをしている教会もあるようだが。
Sさん=マリアでも、良子先生がサーバーをされたことがある。
Sさん=昔はサーバーにせよ、オールターにせよ、年に一回は講習会をしていた。また、まとめ役のリーダー的な人がいて、新しく始める人にはその人が教えてあげていた。礼拝堂が無い間にそのへんがうやむやになってしまっている。またそのへんのところをきちっとする必要がある。
Sさん=自分も奏楽を始めて数年経つが、今だにわからないことがたくさんある。
司祭=具体的なやり方そのものも大切ですが、そのことの裏にある目に見えない「意味」をきちっと理解して目に見えることをする、ということが大切ですね。
Sさん=山田先生のころ造られたガリ版刷りのマニュアルがあったはず。
Sさん=自分も前の神学生の上松さんから、どこのか判らないがマニュアルを見せてもらって、とても助かったことがある。
Nさん=対面式になってからのサーバーのマニュアル的なものは今のところどこにも無いのではないか。最近、教区でも礼拝学の笹森先生の指導のもと、礼拝奉仕者の講習会が行われた。
Tさん=今日の形(初め司式者席と聖書台をチャンセルの下に置き、赦罪から後をチャンセルの上でする)は、説教や聖書が身近に感じられてよかった。
司祭=前半「み言葉の部」と、後半「聖餐の部」を明確に分けるという形です。陪餐の時に動きやすいという利点もあります。これからも色々な形を試みたいと思います。
Sさん=クリーデンステーブルも、もう少し聖卓に近い方が良い。洗礼盤も少し会衆席から遠すぎるのではないか。
司祭=洗礼盤がチャンセルの上にあるのは不自然なので、移動させることを教会委員会で考えています。
Nさん=アニュスデイの前のお祈りを省略する考え方もある様ですね。
司祭=私は「近づきの祈り」を紫の期節にのみ使い、それ以外は使ってきませんでした。
Sさん=ローソクを消すタイミングはどれが正しいのですか。
司祭=ローソクの火は臨在の象徴ですから、お祭りの間点けておくという考え方です。
Nさん=桑山先生は生涯執事でサーバー学の権威、そういう方の講習等も良いのではないか。

4.まとめ
・各奉仕者グループから、二人ずつ程度核になるリーダー(マニュアル委員)を決めて、下田屋先生との話し合いの中でマニュアル造りをする。
・今後の各奉仕のメンバーを新たに確認し、六月一一日(日)聖霊降臨日の礼拝の中で任命式を執り行う。

―メンバー案―
 礼拝奉仕者並びに各リーダー(マニュアル委員)を下記の人達にお願いする。今日参加しておられない方には下田屋先生から連絡していただく。
●オールター
リーダー=服部伸子、浦地愛
メンバー=鎌田洋子、村田洋子、野崎裕輝、佐々木富美子、邨田志津子、浅間麻衣、生谷朋子、津田恵子、人与紀久子、住吉恵美、久保優里、小林格子、南明美
●サーバー
リーダー=新実康男、南寛
メンバー=佐々木亨、吉村伸、斉藤仁、前田潤、西逸朗、森田朋宏(新)、岩城昭夫(復活)、津田繁(復活)、久保田栄三(復活)
●オーガニスト
リーダー;末松玲子、続木創
メンバー;吉村由理、山本真美子、大鹿加奈子、佐々木暢子、松田朋子、豊里弥生(復活)  
――主の祈り
      ・・・・閉会


第1回S.D.G.コンサート開催!

2000年6月18日(日)17時開演

「Soli Deo Gloria」とは、「ただ主の栄光のためにのみ」という意味で、バッハが自作の楽譜の巻末に必ず自筆で記したという名句です。礼拝音楽委員会ではこのシリーズを年4回を目標に開催する予定です。上記は判読不能と思われますのでチラシをご覧ください。聖マリア教会主催事業ですので、みんなで盛り上げて成功に導きたいと思います。積極的な宣伝活動もお願いいたします。

コンサート詳細ページへ


聖マリア幼稚園コーナー

教諭 生谷朋子

旧礼拝堂の玄関が取り壊され、本格的な工事が始まり、大きな工事車両が園庭に出入りするようになったのが一年前。いま、幼稚園のすぐ隣に静かに子ども達を迎えてくれる新しい礼拝堂が建っています。そして朝、登園してくると小礼拝堂でお祈りをする子どもの姿があります。改めて子ども達の中に「神様」を通して育ちつつある「想い」を実感しています。
私が、この聖マリア幼稚園・教会に出会った四年前、すでに、旧礼拝堂は取り壊されていました。毎週、土曜日になるとホールに並んだ遊具やおもちゃを保育室に片付け、月曜日になるとその遊具やおもちゃをホールへ出す事が子ども達の週末の、そして週明けのお手伝いでした。
今、こうして子ども達が「ちょっとせんせい、小礼拝堂いってくるわ」「いっぱいお祈りしてたら、おそくなってん」・・・。と話す言葉を耳にすると、子ども達にとっての「神様のお家」の存在が大人同様身近なものであり、大切な育ちの場である事に変わりはないのだと教えられています。水曜日には聖話を聴き献金をお奉げする「水曜礼拝」も行っています。「神様」を感じる環境がこんなにも身近に感じられる事は大変うれしい事です。子ども達と共にこの「神様のお家」が無事に建つ事を願い過ごしてきた三年。そして「今」。
卒園した子ども達の小さな手と手もまた、この新しい礼拝堂の為にあった事を忘れずにいたいと思います。神様のお導きのもと、「マリア」という場におかれて四年。驚くべき時間の経過に翻弄されながら「今」を過ごしています。最近においてはいわゆる「マリア語」が自然と口を突いて出てきます。「あっちむいて、こっち向いたら十年でっせ!!」が最近身近に感じる今日この頃です。

6月からPre-Pre Schoolが
始まっています。

○対象は満2才から就園までの
 子どもたちとお母さまがたです。
○週二回午前10時より11時半まで
 みなさまご一緒に遊びましょう。

お問い合わせは菅原園長まで


ニュースとお知らせ

=訃報=
5月15日(月)午前7時21分、野本武さん御母堂野本カヅヱさんが松江市で逝去されました。享年91歳。葬儀は仏式で行われましたが、生前はカトリック教会で公教要理を学ばれるなどキリスト教に関心をもっておられました。主の御許にある魂の平安のためにお祈りください。

=中根冬雄さんの近況=
熊谷維久子さんからメールが届き、中根冬雄さんの最近の写真をいただきました。廊下の壁に掲示してありますのでご覧下さい。

=笠井シズエさん逝去3周年記念式=
5月27日(土)午前10時30分から行われ、新しい納骨堂に納骨されました。

=結婚50年おめでとうございます=
佐々木功・富美子ご夫妻は6月3日、結婚50年の記念日を迎えられます。おめでとうございます。

=昇天日礼拝へどうぞ=
6月1日(今週木曜日)は昇天日です。聖ルカによれば、主は御復活の後40日の間弟子たちにお姿を現され、父なる神の御許に帰られました。イースターから40日目の昇天日はいつも木曜日にあたります。昇天日礼拝にご参集ください。

=答唱詩編を用います=
6月より武藤主教様のご教示により、旧約聖書朗読の後に答唱詩編を用います。旧約聖書のみ言葉を聞いてそれに応答する私たちの祈りを助けるために、教会は伝統的に詩編による賛美の祈りを用いてきました。

=聖霊降臨日聖餐式=
復活日から50日目の6月11日は聖霊降臨日です。主イエスが約束された聖霊の降臨により教会が誕生した日としてイースター、クリスマスと並ぶ三大祝日です。礼拝では聖歌隊がご奉仕します。また、オルター、サーバー、オルガニストの任命式が行われます。

=礼拝奉仕者懇談会=
5月14日(日)午後開かれた礼拝奉仕者懇談会にはオルター、サーバー、オルガニストなど各分野から14名の方々が集まって、新しい聖堂での礼拝奉仕のあり方を話し合いました。それぞれのリーダーを決め、マニュアル作成に着手すること、また、メンバーを確定して6月11日聖霊降臨日に任命式を行うことなどが決まりました。(2面参照)

=電話システム更新=
電話システムの契約期限切れを機に、教会と幼稚園の電話システムを更新しました。二つの回線をそれぞれISDNに切り替えてインターネット接続を容易にし、二階会議室や幼稚園各保育室に電話が新設されました。なおベストリーはコードレス電話で対応します。

=日曜学校北小松キャンプ=
本年も日曜学校のキャンプが7月22日(土)23日(日)に復活学園北小松キャンプ場にて行われます。キャンプ長は浦地愛さん。副キャンプ長吉村伸さん。スタッフを募集しています。お手伝いいただける方、浦地、吉村までお申し出下さい。次回スタッフミーティングは6月13日(火)午後7時半より。

=ジュニア・チャーチ芦生キャンプ=
ジュニア・チャーチでは8月5日(土)6日(日)に当教会芦生キャンプサイトにてキャンプを行います。スタッフ募集中。お手伝いいただける方は吉村まで。

=東梅田教会から聖堂見学に=
13日、日本基督教団東梅田教会(大阪)から教会委員の方々4名が見学に来られました。ヴォーリズ建築事務所からの紹介で、これから礼拝堂建築に取りかかるとのことです。

=上野と津の婦人たちからお礼のことば=
教区婦人会大会の機会に、当教会の礼拝に出席された両教会婦人会の方々からお礼状やお礼の電話をいただきました。

=名札をつけましょう!=
受付にある名札に教名・氏名を記入して着用して下さい。持ち帰らずにご自分のメールボックスに入れてお帰り下さい。

=聖歌隊「親睦会」=
5月28日(日)午後6時から、ブルスケッタ(岩倉)で開かれました。イースターで大好評だった聖歌隊の親睦をはかり、その活動を定期化してもっともっと豊かな礼拝をお献げできるようにして行きたいとの願いから計画され、大変楽しいひとときを過ごしました。今後も聖歌隊を募集していきます。礼拝音楽委員会まで。

=礼拝音楽委員会=
5月12日(金)夜開催され、京都聖マリア教会Soli Deo Gloriaコンサート(教会主催)や教会後援のコンサートについて、また聖歌隊の活動などについて話し合いました。
3面掲載の通り、第1回コンサートは6月18日(日)午後5時から『西谷玲子とその仲間たち――J・Sバッハ没後二五〇年を想って』と決定されています。ちらしとチケットができましたので周りの方々にもお勧めください。また、市内の諸教会にもお願いしました。

=第四五回日本聖公会GFSリーダー研修会=
7月27日(木)〜29日(土)青森県南津軽郡大鰐温泉にて参加費二五、〇〇〇円申込締切6月18日佐々木富美子さんまで。

=司祭神学館講義日程=
ウイリアムス神学館講義のため毎週次の時間帯は留守になります。ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。
○水曜日 8時半―10時半(教理学T)13時―15時(教理学V)
○木曜日14時半―16時半(ヘブライ語T)
○金曜日10時―12時(ヘブライ語U)


他の月の月報へ

インデックスページに戻る