月報「コイノニア」
2000年7月号 No.203


聖なる三位一体の神

司祭ヨハネ

わたしたちは皆、この方の満ちあふれる豊かさの中から、恵みの上に、更に恵みを受けた。律法はモーセを通して与えられたが、恵みと真理はイエス・キリストを通して現れたからである。いまだかつて、神を見た者はいない。父のふところにいる独り子である神、この方が神を示されたのである。
       (ヨハネによる福音書第1章16節―18節)

上の図は古い時代から用いられてきた聖三位一体のシンボルの一つであり、三位一体の教理の図解でもあります。楯型の「枠とその影響を取り除いた図形の輪郭を逆三角形に見立て、中央のdeusと書かれた球が手前に浮き上がっていると想像すると、三角錐(正四面体と考える方が良いでしょう)を真上から見た図と見なすことができます。
正四面体の底面の三つの頂点にはそれぞれpater(父)、filius(子)、spiritus sanctus(聖霊)と書かれた球があり、中央の球は「神」です。「神」と「父」「子」「聖霊」を結ぶ腕(正四面体の綾)にはそれぞれ「est」と書かれ、「父は神である」「子は神である」「聖霊は神である」と読まれます。あるいは逆に「神は父であり子であり聖霊である」ともなります。底面の三つの頂点を結ぶ腕にはそれぞれ「non est」とあり、「父は子でない」「子は聖霊でない」「聖霊は父でない」と読まれます。つまり、父と子と聖霊ははっきり区別されるということです。
祈祷書の付録にアタナシオ信経があります。そこには「わたしたちは三位一体の唯一の神、唯一である三位一体の神を位格を混同することなく、本質を分けることなく礼拝する。なぜなら、父は一つの位格、子も他の位格、聖霊も他の位格であるからである。しかし、父、子、聖霊の神性はまったく一つであり、栄光は等しく、尊厳は共に永遠である」とあります。こうして見ると、上の正四面体はこの信経の説く三位一体の教理を巧みに図解していることが分かります。
人間の理屈からすれば矛盾に満ちた「三位一体の唯一の神」という神秘的な知識はどこから来たのでしょうか。主イエス・キリストを通して与えられた神の啓示からです。人として世に来られた神の子イエスが私たちのために十字架に死んで復活させられ、父なる神からゆだねられた御業を完全に成し遂げて父の御許へ帰られ(昇天)、弟子たちに約束された通り聖霊を降されました。この主イエスへの信仰によって、教会は三位一体の神秘的知識へと導かれました。実にキリストこそ三位一体の神の決定的な啓示です。
しかしキリスト以前にも、明からさまではないにしても、神はご自身を三位一体のお方としてお示しになっていました。旧約聖書のあちらこちらにそのお姿が垣間見られます。その一つが、マムレの樫の木の所で主がアブラハムに現れたというくだりです(創世記一八・一以下)。そこでは主が三人の人として来られ、アブラハムは彼らをもてなしました。教会は昔からこの箇所を三位一体の顕現として理解し、その場面を描くことによって三位一体の神への信仰を表現してきました。上に掲げたイコンはそのようなものとして特に有名です。最初の正四面体を重ねて見ましょう。
人の知恵を超えた三位一体の唯一の神を礼拝することこそ、霊と真理をもってする礼拝(ヨハネ4・24)です。
(図は15世紀初頭アンドレイ・ルブリョフ作のイコン「聖三位一体」)


聖霊降臨日大礼拝行われる

6月11日(日)聖霊降臨日(ペンテコステ)の礼拝は、例年とは大きく違い、降誕日(クリスマス)、復活日(イースター)と並ぶ三つ目の大きな祝日という教会暦の位置づけを確認するような大礼拝となりました。
発足後、益々活発な活動を続けている礼拝音楽委員会率いる聖歌隊の奉仕も加わり、素晴らしい礼拝になりました。
また、聖餐式の中で、サーバー、オルガニスト、オールターギルドの礼拝奉仕者任命式も行われ、信徒全員で守っていく礼拝の大切さを再確認しました。

○聖歌隊がご奉仕
 この日の礼拝では復活日と同様に聖歌隊がプロセッションに加わり、チャンセル左側に座を占めて、力いっぱい賛美の歌声を響かせました。復活日礼拝では時間切れで歌い残した「主よ人の望みの喜びよ」も素晴らしい出来栄えでした。
 祈祷書のルブリック(小さい文字で印刷された指示)によく「歌いまたは唱える」とあるように、礼拝の言葉は本来的に音楽と結びついています。音楽は私たちが主を賛美するために神様から与えられた賜物です。私たちの礼拝を音楽的にもっともっと豊かにしていくために、聖歌隊のご奉仕の機会を今後大いに増やしたいと願っています。
○三大祝日の一つ聖霊降臨日
日本ではクリスマスが歳末商戦に利用されるほどよく知られていますが、イースターはほとんど教会の中でしか知られていません。さらに聖霊降臨日となると、教会員にさえ、クリスマス・イースターと並ぶ大祝日としては意識されていないことがあります。
聖霊の降臨は主イエスのみ業の完成です。聖霊の降臨によって弟子たちは主イエスのみ業の意味を本当に理解し、全世界に福音を宣べ伝える器として教会が誕生しました。国や時代を超えて人々が信仰に導かれて教会に結ばれるのは聖霊のお働きによります。聖霊なる神は私たちにとって最も身近なお方です。そのような聖霊が世に来てくださった日であるがゆえに、三大祝日に数えられるのです。


第1回SDGコンサート大成功!

 新しい礼拝堂でのコンサート企画の第一弾、今後の為にも絶対に成功させたいと、スタッフ一同張り切って臨みました。結果は皆さんご覧の通り、目標(200人)を上回る215人のお客様の熱気に包まれ、本当に意義深いコンサートになったと感謝しております。企画を立ててくださった末松玲子さん、ご協力いただいた皆さん、本当に有り難うございました。
 素敵な裏話を一つ。ロ短調のソナタを演奏し終わって舞台裏に戻られた野津直之さんが、感極まった様子で、「今日の演奏は自分でも特別だった。コンサートホールとは全然違う。自分が演奏してるんじゃなくて神様に演奏させられているという感じ。自分がクリスチャンだったことをこんなに実感したことはない」とおっしゃるのです。
 むむむ・・これぞ「Soli Deo Gloria」(神にのみ栄光)の真髄!、と、それを聞いた僕の方も大いに感動。
 SDGコンサートシリーズの目的は、@音楽で神様を賛美すること、A多くの人に礼拝堂に、マリア教会に来ていただくこと、の二つです。
 今年もあと三回、一流の演奏家の皆さんの協力を得て、すばらしい企画が待っています。今後とも教会一丸の盛り上げをよろしくお願いいたします。  (続木創)

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楽しくつらい
   教会実習

神学生 イサク伊藤幸雄

 実習でお邪魔するようになって、早くも二ヶ月半たちました。初めての日が復活日で、あまりの人の多さに頭がくらくらしましたが、ようやく慣れてきました。実習はとても楽しくもあり、つらくもあります。
 楽しいことその一。オカリナ教室でご婦人たちとお付き合いできることです。現在生徒さんは五人、皆さんとても一所懸命です。でもなぜかおかしくて笑い声が絶えません。私の母ほどの年齢の方が主で、いろいろお気遣いしてくださるので私は安心して甘えていられます。毎週土曜日の午後三時半から四時半までやっていますのでご希望のある方はぜひ一度のぞいてみてください。
 楽しいことその二。日曜学校の子供たちと触れ合うことです。変なおっちゃんの私を仲間に入れてくれたようです。男の子たちからもらったポケモンカードを大事に持っています。礼拝中にゴソゴソしていて、子供たちと一緒に菅原先生に叱られたこともあります。
 楽しいことその三。聖歌隊に混ぜていただいて、聖霊降臨日にバッハの「主よ、人の望みよ、喜びよ」と、モーツアルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を歌わせていただいたことです。このことは我が人生の十大思い出のひとつとして残るでしょう。
 楽しいことその四。マリア教会の多くの人たちと知り合いになれたこと。(ごまスリスリ?) でもまだまだ知らない人がいっぱいです。私がそばに行ったとき嫌がらないでね。
 お待たせしました。つらいことその一。英語礼拝。学校で習ったはずなのに、だめなのです。日課朗読をしなければいけない時など血圧が急上昇します。 
 つらいことその二。毎週土曜日の夕の礼拝で勧話をすること。その日の聖書日課を読んで必死に考えます。こんなに真剣に聖書を読んだことって今まであったかしら。でも、この事ってお恵みだなと感じるときがあります。
そんな訳で、49歳、愛知県出身、体重45キロの神学生を来年三月までよろしくお願いします。


聖マリア幼稚園コーナー

教諭 浅間麻衣

今から四年前の、1996年11月、私は平安女学院短期大学保育科の学生として、聖マリア幼稚園を訪れました。緊張した面持ちで幼稚園の門をくぐりましたが、何とも言えない落ち着いた雰囲気と、優しい笑顔の先生方、そして可愛らしく人なつっこい子ども達に出迎えていただき、すっかり緊張の糸がほどけました。「こんにちは!」と、自然に声をかけてくれる子ども達、子どもらしく伸び伸びとしていて、本当に幼稚園が楽しくってしかたがない、ということが子ども達の遊ぶ姿、表情からひしひしと伝わってきました。元気いっぱいだけれど、しっとりと落ち着くときには、心静かに先生のお話に瞳をキラキラさせて耳を傾けることができる。そして、小さな手を組み合わせお祈りする姿、なんて素敵な幼稚園なんだろう・・・聖マリア幼稚園の先生になりたいなぁ・・・と思い、採用試験を受けさせていただくことをきめました。そして、採用試験当日、「どうぞ・・・。」(可愛いおばちゃん先生もいはんにゃ・・)良子先生に出迎えていただきました。試験を終え、家に帰り暫くして学校の就職科からの一本の電話・・・
「採用していただけることになりましたよ、ピアノの練習をするように。」「ありがとうございます!。」電話を切り、振り向くと、すぐ後ろで目に涙を浮かべた両親の姿がありました。この日の喜びはいつになっても忘れることはありません。
 聖マリア幼稚園の先生になり、聖マリア教会の礼拝に出席させていただき、教会の信徒の方々にも、暖かく迎えていただきました。同期の朋子先生と共に洗礼、堅信を授かり、良子先生が、「嬉しいことですわぁ・・。」と喜んでくださった事も、二人にとって忘れられない思い出となりました。毎日、子ども達と礼拝をお捧げいたしますが、幼い頃から、神様を知り、何にでも素直に、「ありがとう。」と、感謝することが出来る事をとてもうらやましく思います。そして、そんな子ども達の側にいると、神様がいつも見守っていてくださっていることを感じることができる事に、心から感謝したいと思います。
 聖マリア幼稚園を愛し、子ども達を愛する、チャプレン、先生方と共に、これからも神様のお導きのもと歩んで行きたいと思います。
 また、いつも聖マリア幼稚園の事を、気に留めて温かく見守ってくださる多くの方々に心から感謝いたします。どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。

Pre-Pre Schoolが
始まっています。

○対象は満2才から就園までの
 子どもたちとお母さまがたです。
○週二回午前10時より11時半まで
 みなさまご一緒に遊びましょう。

お問い合わせは菅原園長まで


ニュースとお知らせ

=ヒルダ植松糸子さん葬儀=
6月8日、植松糸子さんが京都厚生園で逝去されました。9日19時通夜の祈り、10日11時葬送式が当教会で行われ、教会員の皆様のご奉仕により、新聖堂はじめての葬儀を滞りなく終えることができました。ありがとうございました。遺族の方々も心から感謝しておられました。

=鎌田洋子さん手術成功=
8日京都国立病院に入院された鎌田洋子さんは15日に手術を受けられました。手術は成功しました。御加祷ありがとうございます。まだしばらくは術後療養が続きますので引き続きお祈りください。

=礼拝奉仕者任命式=
6月11日聖霊降臨日に礼拝奉仕者任命式が行われ、サーバー、オルガニスト、オールターギルドが任命されました。また、その後さらに数名の方々が追加され、6月25日聖霊降臨後第二主日に第二次の任命式が行われました。今後新しい聖堂にふさわしい礼拝奉仕のあり方を研究し、各分野のマニュアルを作成して、研修会・講習会などを実施することになっています。
次の方々が任命を受けられました。(★印は各グループのリーダー。敬称略)
●サーバー(10名)
★新実康男、★南寛、佐々木亨、吉村伸、斎藤仁、前田潤、西逸朗、森田朋宏、岩城昭夫、津田繁
●オルガニスト(8名)
★末松玲子、★続木創、吉村由理、山本眞美子、大鹿加奈子、佐々木暢子、松田朋子、豊里弥生
●オルター(19名)
★服部伸子、★浦地愛、鎌田洋子、村田洋子、野崎裕輝子、佐々木富美子、邨田志津子、浅間麻衣、生谷朋子、津田恵子、人与紀久子、住吉恵美、久保優里、小林格子、南明美、新実正枝、浦地恭子、続木泰子、野嶋敦代

=西宮聖ペテロ教会からお客様=
6月4日(日)、同教会から総勢17名の方々が礼拝に出席されました。新聖堂建築に際しては補助スリッパをたくさん寄贈していただきました。ありがとうございました。

=夕の礼拝へもどうぞ=
週日午前7時朝の礼拝(祝日・小祝日は聖餐式)に加えて、毎夕7時から夕の礼拝を行います(いずれも小聖堂)。また、土曜日夕の礼拝は主聖堂で唱詠晩祷とします。どの礼拝でもお気軽にご参加ください。

=堅信式日程決まる=
7月30日(日)、武藤主教様をお迎えして堅信式をしていただくことになりました。今週から堅信準備教育を開始します。現在のところ佐々木智子、佐々木牧子、津田恵理子、南耕祐の4名の方々が受堅信を希望しておられます。他にご希望の方があればお申し出ください。

=建築委員会、聖堂十字架設置方法を決定=
象嵌細工の専門家辻淳一さんから新聖堂に十字架をお献げしたいとのお申し出を受け、先に建築委員会はありがたくお受けすることにしましたが、九日夜開かれた委員会において、正面の壁に取り付ける形にすることを決めました。

=日曜学校北小松キャンプ=
本年も日曜学校のキャンプが7月22日(土)23日(日)に復活学園北小松キャンプ場にて行われます。スタッフを募集しています。お手伝いいただける方、浦地愛までお申し出下さい。

=ジュニア・芦生キャンプ=
ジュニア・チャーチでは8月5日(土)6日(日)に当教会芦生キャンプサイトにてキャンプを行います。スタッフ募集中。お手伝いいただける方は吉村まで。

=BS24団夏のキャンプ=
▽ビーバー隊=7月22日(土)23日(日)和知青少年山の家
▽カブ隊=7月28日(金)〜30日(日)るり渓
▽ボーイ隊=8月12日(土)〜15日(火)芦生キャンプ場

=青年会役員決まる=
1月より保留になっていた青年会の役員が決定しました。会長・前田潤、副会長・松田朋子です。よろしくお願いします。6月29日(木)夕刻、斉藤宅にてミーティング。

=婦人会6月例会行われる=
婦人会の6月例会が6月25日(日)昼食後教会会館にて行われました。一部・礼拝、二部・報告、三部・「婦人会ってなあに?」と題して話し合いが持たれました。

=第41回京都教区信徒の集い=
主題=主に栄光あれ ハレルヤ―ご降誕二〇〇〇年を祝う感謝礼拝
日時=9月14日(木)午後3時―15日(金・祭)午後1時
▽会場=京都厚生年金休暇センター
会費=一般14000円、中高大生12000円、幼児小学生8000円
▽申込締切7月18日(会費全額納入)。詳細は掲示板でご覧ください。

=第45回日本聖公会GFSリーダー研修会=
7月27日(木)〜29日(土)青森県南津軽郡大鰐温泉にて参加費25000円
申込締切6月18日佐々木富美子さんまで。

=森紀旦著『主日の御言葉』―教会暦・聖餐式聖書日課・特祷=
聖公会出版から出版されます。定価2800円。注文は電話・ファクス・E-Mail: nskk-pub@tka.att.ne.jpまたは書店で。

=司祭神学館講義日程=
ウイリアムス神学館講義のため毎週次の時間帯は留守になります。ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。
○水曜日8時半―10時半(教理学T)13時―15時(教理学V)
○木曜日14時半―16時半(ヘブライ語T)
○金曜日10時―12時(ヘブライ語U)


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