月報「コイノニア」
2000年11月号 No.207


聖徒の交わり

司祭ヨハネ

父よ、あなたがわたしの内におられ、わたしがあなたの内にいるように、すべての人を一つにしてください。彼らもわたしたちの内にいるようにしてください。そうすれば、世は、あなたがわたしをお遣わしになったことを、信じるようになります。あなたがくださった栄光を、わたしは彼らに与えました。わたしたちが一つであるように、彼らも一つになるためです。わたしが彼らの内におり、あなたがわたしの内におられるのは、彼らが完全に一つになるためです。
(ヨハネによる福音書 第17章21―23節)

主イエスは弟子たちと共に過ごされた最後の夜、弟子たちのために、また、彼らの証言によって主を信じる私たちのために、このように祈られました。それは時間と空間を超えて、すべての人、すべての被造物が、父と子の交わりとして表現される神の内にあって完全に一つとされることを意味します。
新約聖書では、主を信じる者たちがしばしば「聖徒」と呼ばれています。これについて聖パウロは「あなたがたは、主イエス・キリストの名によって、またわたしたちの神の霊によって、洗われ、きよめられ、義とされた」(一コリント6・11)と説明し、「主につく者は主と一つの霊になる」「自分のからだは、神から受けて自分の内に宿っている聖霊の宮であって、あなたがたは、もはや自分自身のものではない。あなたがたは、代価を払って買い取られたのだ」(同6・17、19―20)と述べています。そして彼自身についても「人間の知恵によってではなく神の恵みによって、神の神聖と真実とによって行動してきた」(二コリント1・12)と語ります。はじめに引用したみ言の少し前の箇所で、主は「真理によって、彼らを聖なる者としてください」(ヨハネ17・17)と祈られました。聖パウロの言葉は、この主の祈りが私たちの内に実現したことを伝えていると言えましょう。
11月1日は諸聖徒日、2日は諸魂日と、逝去者記念が続きます。伝統的には、特定の日を定めて記念される聖人以外のすべての聖人たちを記念するのが諸聖徒日、聖人以外のすべての逝去者を記念するのが諸魂日とされています。一方、上で見てきた意味では、聖人であってもなくても、主を信じて世を去った人々はすべて「聖徒」であり、今なお世にある私たちもまた「聖徒」ということになります。しかし、生きているがゆえに日々罪を犯す私たちは、自分が「聖徒」の名に全くそぐわない者であることを知っています。聖なる方は神おひとりです。にもかかわらず私たちが「聖徒」とされるのは、きわみまでご自身を低くされた主の贖いの御業によるのであり、もっぱら神の恵みによるものです。
図は一四世紀プスコフ派のイコン「主の復活(古聖所への降下)」です。「東方教会のイコンの伝統には輝かしい姿をもって墓から立ち上がる復活画像はない」、「自らを無とし、低いものとするために古聖所(陰府)にまで下ってその扉を踏み砕き、アダムとエバの手を取って引き上げるキリストの姿」によって復活を表現すると言われます(古谷功著「イコン」より)。その主の御体と御血に与る聖餐の恵みによって私たちは主と一つになり、世を去った者も世にある者も互いに一つとされて、聖徒の交わりが実現します。その意味で、聖餐式はいつも逝去者記念の時でもあります。私たちの聖堂で祭壇の周囲に納骨堂が配置されているのも、「み使いとみ使いの頭および天の全会衆とともに、主の尊いみ名をあがめ、常に主をたたえ」(聖餐式文)ることの表現なのです。


2000 年度 バザー開催

 今年も11月3日午前10時より午後3時まで、京都聖マリア教会において、京都聖マリア教会・ボーイスカウト京都第24団共催(聖マリア幼稚園協力)によるバザーが開催されます。
 今年のバザーは新礼拝堂完成後初のバザーということもあり、礼拝堂を教会以外の方に見ていただく機会にしたいと思っています。そこで、受付を礼拝堂前室に置くとともに、礼拝堂の扉も開けておき、バロック調のBGMでも流しておこうと思っています。礼拝堂の中に入ることはできませんが、丸太町通から礼拝堂の中が見えるなんて、素敵じゃないですか。さらに、二階会衆席を見学用に開放することも考えていますので、お知り合いに献金のお礼をしたい方はもちろん、礼拝堂を自慢したいだけの方も、ご利用ください。
 礼拝堂が教会の表の顔なら、バザーで窺える人間関係の素晴らしさは、教会のもう一つの顔です。この機会にご近所の皆さん、お友達にも声をかけていただき、一人でも多くの方に教会を知ってもらえるバザーにしたいと思っています。ご協力を!

 それではコイノニア名物「コーナー紹介」です。

受 付

 丸太町通から礼拝堂に入ると、前室に受付ブースがあります。前売りチケットの精算がまだの方はここで精算してください。また、チケットをお持ちでない方は、この受付で購入できます。
 チケットはおでん400円、カレーライス400円、喫茶セット300円が連なったもので、額面1100円を1000円で販売します。ばら売りも可能です。この三種以外の出し物については現金でお買い求めください。
なお、当日券は園庭のサブ受付でも販売しています。
 自転車は教会西隣の玄部寮の前に置いてください。勿論当日は乗用車の乗り入れでき
ませんので、ご注意ください。
 今年は左図面のように会場が園庭、幼稚園ホール、屋上、会館ホールに分かれています。礼拝堂入口、幼稚園南玄関で靴袋を渡しますので、靴は各自でお持ちください。

飲食コーナー

*おでん
 婦人会のおでんはいつも大人気。長年鍛え上げられた絶妙のさじ加減?は、まさに玄人はだし。

*カレーライス
 昨年から教会定番の「うどん」に代わり登場したのがボーイカレー。こちらもキャンプの定番料理とあってプロの味。担当者は子供優先の甘口か大人向けの辛口にするかで、神経性脱毛症が進行したとぼやいております。

*喫茶セット
 青年会・ジュニアチャーチがお贈りするとろーり生クリームのシフォンケーキと飲物のセット。昨年、新企画で大好評だったライブ喫茶がますますパワーアップ。今年はプロの歌手も呼んでいます。もちろん主役は皆様お客様。レパートリー2222曲の中から好きな曲をチョイスして生演奏をバックに歌っていただきます。カラオケ得意のお父さんお母さん、どうぞステージで生オケを!

*生ビール・ジュース
 買い物をして一段落、やはり生ビールです。今年もたくさん飲んでもらいます。
 ビール券の差し入れも大歓迎。横で焼く干物の匂いが誘惑を増します。

物販コーナー

*寄贈品
 バザーの核である寄贈品。なかなかの掘り出し物もあります。目を皿にして、手をパワーシャベルにして探して下さい!

*萬古焼・紙植木鉢
 四年目の萬古焼に加えて、紙製リサイクル植木鉢が新登場。軽くて地面に植え替えればそのまま土になる優れものです。

*野菜
 ボーイスカウト三輪団委員の奥様の実家より朝どりの野菜を産地直送。土の匂いのする野菜を!

*山菜・干物
 佃煮は、我らの芦生キャンプ場のある美山町の名産品です。干物はジュニアOBの中央市場コウジ商店自慢の品々。スーパーの特売品との違いを確認ください

*お総菜
 京都聖マリア教会婦人会が腕によりをかけて造ったお総菜。そのさじ加減は名人芸。

*甘納豆
 ボーイスカウトの元団委員、遠藤さんの甘納豆。これもマリアのバザー名物です。

*雑貨
 ユニクロよりもユニーク、無印よりも良品、ダイソーよりも高級?一見の価値有り。

*手芸品
 マリア教会婦人会はここでも技を見せます。乞うご期待

*ホーリーコーナー
旧礼拝堂腰板でつくった十字架、新礼拝堂完成記念写真立てなど、マニア垂涎のマリアグッズを販売。

子供コーナー

 幼稚園屋上はボーイスカウトによる子供コーナー。毎年子供そっちのけでコイン落としに熱中するお父さん、ここは子供天国ですよ、ご注意を!


10月29日(日)礼拝後、および11月2日(木)にバザー準備を行います。特に前日準備には、午後2時より幼稚園の床の養生、教会会館二階に保管している寄贈品の移動等、午後5時から寄贈品陳列、午後7時から園庭の会場設営等、多くの労力が必要になります。
みなさまのご協力をお願いいたします。


連載
京都聖マリア教会の印象(2)

司祭 ヨセフ 小谷春夫

聖書について、教会史について、教理史について、礼拝の歴史について絶えず思いを尽くしながら説教の準備をするのが第一ですが、教会の信徒との交わり、求道者やいろいろな理由で訪ねてくる人々との交わりには牧会者として一般社会の常識を欠かすことはできません。しかし後者は実際上は信徒の人々にいつも教えられて勤めを果たすのが通常です。
京都聖マリア教会は1903年(明治36年)に宣教が開始されてから百年近くの歴史をもっています。その間に社会の中といいますか歴史の流れといいますか牧師の働き、信徒の動き、それを取り巻く社会の変化を省みることも意味のあることだと思います。
 昭和六〇年頃だと思いますが、和服を召された品のある老紳士の突然の訪問を受けました。そして語り始められました。「私は昔京都第一商業学校に学んだものですが、そのときに教えていただいたサウター先生のことが忘れられない。お辞めになった後英国に帰られたと聞きますがその後どうされたかおわかりになりませんか」と。その当時の学校の新聞の記事などを見せてくださいました。その後一保堂茶舗の家族で教団の牧師になられた渡辺泰造師もこられて同じことの相談をうけました。
 日本の学校教育の歴史について書いてある本に次のことが記されていました。
「文部省雇外国人・明治初期の我が国高等教育は、外国人教師に依頼するところがはなはだ多かった。明治六年四月の学制二編追加によれば、外国人教師を雇って西洋における学芸、技術を教授する高尚な学校は、これをすべて専門学校と称することとなっている。外国人教師から学習すべき学芸・技術は、法律学、医学、星学、数学、物理、化学、工学等であった。・・・文部省雇外国人の数は、これに代わるべき留学生が相次いで帰朝するに及んで減少をみたが、明治中期以後再び増加するようになった。7年以降大正12年(明治16年以降は10年ごと)に至る外国人教師の数を示すと次の表のとおりである。」

サウター先生のことはいろいろ手を尽くしましたが分かりませんでした。同じ名のサウターさんの墓碑が若王子墓地のウイリアムス主教の記念碑の前にあり、京都マリア教会の英文の教籍簿にはサウターさんの葬儀の記録が記されていますが京都商業で教えられたサウター先生の家族の方であるかかどうかの確証はありません。マリア教会に来られた老紳士も渡辺牧師もその後連絡は途絶えました。しかし京都聖マリア教会には、当時日本社会が熱心に求めた目標に応えて働きをする人が集まっていたことは確かです。前号で創立者カスバート司祭のことを書きましたが、彼も第三高等学校で教授として教えられていたし、人々の世界に対する目を開かせる語学塾も英仏独について開かれたといわれます。単に教えるだけでなく人々に忘れられない人格的印象を与えておられた例といえましょう。
京都聖マリア教会の日本社会に貢献した伝統はこれからも伝えていきたいものです。


十月定例教会委員会より

10月8日(日)

《報告事項》
一、教区会信徒代議員を谷嘉明氏から佐々木功氏に変更。
二、青年会は11月5日(日)近江八幡「むべの里」老人施設を訪問予定。
三、教会大掃除を12月3日(日)に実施する。
四、ジュニアチャーチは11月12日(日)秋の遠足(神戸ドッグガーデン、王子動物園)
五、日曜学校は15日バザーポスター作り、22日南禅寺野外礼拝、29日比叡山遠足
六、マリア・コイノニア11月号から教会委員会報告掲載
七、幼稚園、9月22日母の会バザー、10月3日親子芋掘り、10月20日比叡山ふれあいの森遠足、27日和菓子講習会。新入園児今のところ9名、新年度園児数26名。
八、ボーイスカウト、15日ビーバー入隊式。司祭祝福
九、礼拝音楽委員会、1日の教会コンサート成功裡に終了。11月5日(日)逝去者記念式はハンドベルクワイヤと聖歌隊の奉仕を予定。
十、営繕、聖所木製椅子(婦人会指定献金)選考中。補修用工具セットを備付ける。節電に努める。納骨箱真鍮プレート準備中。
十一、伝道区会、区長選挙の結果門脇司祭に。1月9日信伝協新年会当番はマリア教会とアグネス教会。
《協議事項》
一、九月度会計報告承認
・一般会計
GFS予算三万のうち二万を青年会と日曜学校に回す。
札幌キリスト教会改築募金に協力費から二万を献げる。
礼拝堂建築に伴う会館の空調、屋根修理等一般会計からの支出は450万。
・礼拝堂建築会計
借入金残高1450万。献金申込額と既献金額との差、及び納骨堂献金予定未達成分に相当。
二、次回の委員会は11月5日(日)午後


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