月報「コイノニア」
2001年8月号 No.216


主の変容

司祭ヨハネ

 六日の後、イエスは、ペトロ、それにヤコブとその兄弟ヨハネだけを連れて、高い山に登られた。イエスの姿が彼らの目の前で変わり、顔は太陽のように輝き、服は光のように白くなった。見ると、モーセとエリヤが現れ、イエスと語り合っていた。 ペトロが口をはさんでイエスに言った。「主よ、わたしたちがここにいるのは、すばらしいことです。お望みでしたら、わたしがここに仮小屋を三つ建てましょう。一つはあなたのため、一つはモーセのため、もう一つはエリヤのためです。」ペトロがこう話しているうちに、光り輝く雲が彼らを覆った。すると、「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者。これに聞け」という声が雲の中から聞こえた。弟子たちはこれを聞いてひれ伏し、非常に恐れた。イエスは近づき、彼らに手を触れて言われた。「起きなさい。恐れることはない。」彼らが顔を上げて見ると、イエスのほかにはだれもいなかった。 (マタイによる福音書第17章1―3節)

 8月6日、主イエス変容の日は東方教会に起源をもつ祝日です。東方では、初期には地域的で非公式な祝日だったようですが、紀元千年にはすでに広い範囲で祝日として教会暦に組み込まれていました。一方、西方でこの日が祝日となったのは1457年からです。それには当時の国際情勢が大きく働いています。
その4年前の1453年、東方教会の中心地であり、千年にわたって東ローマ帝国の首都であったコンスターチノープルが、イスラムのオスマン・トルコ帝国軍の猛攻撃を受けてついに陥落しました。それだけでも西方教会にとって大きな衝撃でしたが、勢いに乗ったトルコはさらに西に向かって軍を進めてキリスト教世界を浸食し、両者の勢力地図が大きく塗り替えられて行きました。強力な常備軍をもつトルコの軍事力の前で、西方世界は直接的な脅威にさらされました。
1456年7月22日、ベルグラードにおける戦いで、西方の連合軍はようやくトルコ軍に勝利し、イスラム勢力の拡大を阻止するきっかけをかろうじて作ることができました。その勝利の知らせがローマに届いたのが8月6日、東方教会の変容の祝日にあたる日でした。時のローマ教皇カリストゥス三世は、それを記念して、西方教会でもこの日に主の変容を祝うよう命じ、翌1457年から公式に教会暦に組み込まれました。
このような経緯に見られるように、西方教会における主の変容の祝日は、いわば外的条件の下で、教会暦の他の祝日と直接的な関係を持たない、独立した祝日として置かれています。それとは対照的に、東方教会の変容の日は、顕現日や復活日と並ぶ最重要な祝日として位置づけられてきました。
東方教会においては、その最初から、祝日の位置づけとも関連して、主の変容をめぐり非常に深い神学的な考察が積み重ねられてきた歴史があります。もちろん、教会暦の祝日でなくても、変容の出来事をめぐる神学的考察は西方でも劣らず豊かになされています。しかしその内容は東西両教会において大きく異なっています。それについては別の機会に取り上げることにして、今回は、冒頭の聖句と、上に掲げた図をご覧になりながら、黙想していただきたく思います。

図は14世紀末(つまりコンスタンチノープル陥落の約半世紀前)、フェオファン・グレクが描いた「主の変容」のイコンです。キリストは、ペトロとヤコブとヨハネの三人の弟子をタボル山(伝統的に変容の出来事が起こった山とされている)へ連れて行き、まばゆいばかりの白熱の光に輝く姿を彼らの前に現されます。画面下部の弟子たちは激しい反応を示し、伏して視力を守っています。対照的に上部では、不動の姿で強い光を放射するキリストがモーセとエリヤと語り合っています。さらに中央左右には小さな場面が描かれ、左は弟子たちを連れて山へ登るキリスト、右は山から再び世に下っていくキリストです。


マリアの夏〜キャンプ・行事報告特集

日曜学校キャンプ

○7月20日(金・祝)21日(日)、復活学園北小松キャンプ場にて。

 今年も例年と同じように、【北小松のキャンプ場がとれるかどうか?】というところからスタートしました。でも、準備が進んで行き、申込〆切が近づくに連れて、また、キャンプ当日が近づくに連れて、子ども達の数は膨れていきます。「去年参加したら楽しかったので・・・。」そんな声をたくさん耳にしました。そんな子ども達が増えて嬉しい反面、「スタッフの数が・・・キャビンリーダーの数が・・・!」と動揺を隠せないのも事実でした。でも、何とかなるものです!人数は少なくても、参加して下さった大人の方々、中高生のみんなの行動力。お陰様で、子ども達は順調に進んでいくプログラムを思う存分楽しんでくれたように思います。
 今回のテーマ『出来んで〜!』。琵琶湖で水泳が出来る、バナナボート(お菓子)を作ることが出来る、キャンプファイヤーが出来る・・・そして、何よりも「みんなと一緒に、神さまと一緒だからメチャクチャ楽しいキャンプが出来てんで〜っ!」と子ども達に伝えたい、そんなキャンプでした。 残念ながら体調を崩し、先に帰った子どもが四人もいましたが、後はみんな元気に怪我もなく過ごせました。良いお天気の中、子ども達と楽しい時間を過ごせた事、とても感謝です。         (キャンプ長・浦地愛)


ジュニアチャーチキャンプ

○8月3日(金)〜5日(日)、当教会芦生キャンプサイトにて。

 今年のジュニアチャーチキャンプは、参加キャンパーは九名と、ちょうどいい人数で行いました。また久々の二泊三日ということでプログラムにも余裕ができ、大変有意義キャンプになりました。新しい企画も盛りだくさん。特に聖書研究については三日間毎日のプログラムに組み込み、若い大学生スタッフを交えてキャンパー達が真剣に話し合いました。いつもワイワイ楽しく騒いでいる中高生達があんなに真剣に話し合い、考え、自分の意見を述べ会う・・素晴らしい姿でした。
 また、キャンプファイヤーについては、いつもの賑やかで楽しいボンファイヤーとは別に、一日目の夜にはホーリーファイヤーを行い、火を見つめてみんなで語り合いました。
 三日目に行った新企画「第一回芦生ディスクゴルフ大会」も大変盛り上がり、優勝者の佐々木智子さんは極秘裏に用意されたトロフィーを片手に大満足でした。
 昨年作ったマタイ福音書一章の系図もパワーアップできたし、巨大シャボン玉でも楽しく遊びました。来年もぜひ二泊三日の日程を組みたいと思います。スタッフの皆さんのご協力をお願いします。 (リーダー・吉村伸)


24団ビーバー隊キャンプ

○7月28日(土)〜29日(日)、加茂青少年山の家にて。

 今季のビーバー隊キャンプは「スター誕生・ビーバー座を作ろう」をテーマにして行いました。キャンプ前の集会からスカウト達はそれぞれのTシャツに生まれ星座を書き、キャンプ1日目は、プラネタリウム鑑賞やミニプラネタリウムの工作などを行いました。二日目は、スターコレクションなるポイントラリーを行い各ポイントで星をもらい、最後に大きな星をもらい元気に、また事故も無く、2001年夏季キャンプを終えました。   (隊長・長谷川和彦)


24団カブ隊キャンプ

○8月3日(金)〜5日(日)、舞鶴市小橋にて。

 今年のカブ隊のキャンプは、日本海に面した舞鶴市小橋で行いました。キャンプでは宝さがしをテーマに、自分たちで作った箱メガネとシュノーケルと釣りざおを使ったゲームや、廃校を使った肝試し、ポイントラリーなどに挑戦した後、海に浮かべた筏の下に隠された宝物を探し出しました。スカウトみんなが猛暑の中で元気一杯プログラムを楽しみ、ひとまわり成長できたキャンプでした。   (隊長・中川武志)


24団ボーイ隊キャンプ

○7月12日(土)〜14日(火)、芦生キャンプサイトにて。

 ボーイ隊は芦生キャンプ場で恒例の夏季キャンプを行いました。テーマは「モンゴリアンキャンプ」、工作を中心に固定キャンプの技術を高めるのが目的です。一方、二日目の小林丈二上級班長による野点や、3日目の班別自主プログラムなど新しい試みも行われました。班別自主プログラムでは、二班が八ヶ峰登山に挑戦しましたが、残る2班は水泳と昼寝という不届きプログラムであったため、リーダーにより三輪川(水汲み場から杉林に至る側溝)改修工事の強制労働に従事させられました。 (隊長・米山誠)


8月号次ページへ