月報「コイノニア」
2002年1月号 No.221


イスラームをめぐって(四)

司祭ヨハネ

言え、「これぞ神にして唯一者、
神にして永遠なる者。
生まず、生まれず、
一人として並ぶ者はない」
  (第112章「真髄の章」)

 正統派イスラームでは「六信五行」を教えます。信ずるだけでは十分でなく行いが伴わなければならない。信と行を兼ね備えた者こそ真のムスリムである。信(イーマーン)はイスラーム信仰の柱である神・天使・啓典・預言者・来世・天命の六つから成ります。行(イバーダート)は個々のムスリムが神に対して直接負っている義務であり、実践を重んじるイスラームの基礎であって、これには信仰告白・礼拝・断食・喜捨・巡礼の五つがあります。啓典については十一月号で、礼拝については前回触れました。
信仰告白は、最小限の基本信条「アッラーの他に神はなし。ムハンマドはアッラーの使徒である」を告白することで、礼拝をはじめ様々な場で常に口にされます。
アッラーは絶対に単一で、生みも生まれもせず永遠に存在し、並びうる者は何一つない。福音の啓示を伝えたイエスは最も尊ばれるべき預言者であるが、決して神ではあり得ない。キリスト教徒は人間を神とする誤りをおかしている。唯一絶対の超越者アッラーは全知全能であり、天地万物の創造主、万物の根源であり大原動力である。アッラーは真理であり善であり美である。こうした神の称号や形容詞を数え上げて九十九の徳相とされました。ムスリムの数珠には百個の珠があり、最も大きい珠がアッラーを、残り九十九個はアッラーの徳相を表すと言われます。
コーランの各章は必ず「慈悲深き慈愛あまねきアッラーの御名において」という言葉で始まります。ムハンマドは神の慈悲深さと慈愛の普遍性を強調しました。アッラーの慈愛は種族や民族を越えてあらゆるものにおよぶ。ユダヤ教徒はこの唯一の神の啓示をはじめて受けながら、自らを神に選ばれた特別の民とし、一民族の神として矮小化する誤りをおかした。
なお、「アッラー」は神の名ではなく「神」を意味する普通名詞です。それは「神々」というときの「神(イラー)」に定冠詞をつけた形で、ムハンマド以前のアラブ多神教徒たちの間ですでに最高神という意味で知られていたと言われます。その神殿がメッカのカーバ神殿でした。ムハンマドは、アッラーが多神の中の最高神などでなく唯一絶対の神であるとする宗教改革を断行し、神々のカーバ神殿を唯一神アッラーの神殿に変えてしまいました。
アッラーはその御心を人類に伝えるために、アーダム以降数多くの預言者を遣わされました。コーランには二十五人の預言者の名が見られるそうですが、その中でも、アーダム、ノア、イブラーヒム、モーゼ、イエス、ムハンマドの六人を最も偉大な者とし、ムハンマドこそあらゆる預言者にまさる最後の預言者であるとします。信仰告白の後半はこれを告白しています。
一方、天使の観念はユダヤ教やキリスト教徒から学んだと言われます。初期のムハンマドは神から直接啓示を受けたと信じていましたが、後に、神が人間に直接語りかけることはないと知ってから、神の使いとしての天使がコーランに登場するようになりました。天使ミカエルと、ムハンマドに啓示を伝えたとされるガブリエル(11月号図版参照)の二人です。
上の図は「夜の旅の章」一節に基づくもので、いろいろ考えさせられます。メッカ時代の後期、多神教徒からの激しい迫害の中で絶望の日々を過ごしていたある夜、ムハンマドは天使ガブリエル(上図の先導役)に連れられて天馬に乗り、一晩でメッカからエルサレム神殿まで往復した夢を見た。ムハンマドの顔が描かれていないのは、彼に対する個人崇拝を避けるためと言われます。


新教会委員の
  抱負とひとこと

昨年12月25日、2002年度の教会委員・信徒代議員選挙の即日開票が行なわれました。教会委員会で任命された2名の開票委員による開票の結果、12名の教会委員および2名の信徒代議員が選出されました。
明けて1月6日(日)、新旧合同の教会委員会が教会会館二階集会室で行われ、協議事項として左記の役割分担が決定いたしました。
新しい年の教会委員さんにひとことお願いしました。

教会委員等任務分担
(◎印は長、*印は教会委員以外でご協力をお願いする方々。敬称略)
▽書記=◎南寛、菅原さと子
▽会計=◎西逸郎、佐々木亨
▽渉外=◎南寛、新実康男、*宗像康雄、*野嶋久暉
▽礼拝(宣教)=◎新実康男、立石昭三、辻法子、続木創
<礼拝音楽委員会>◎續木創、*林悦子、*末松玲子、*吉村由理、*森田朋宏
▽営繕=◎服部卓爾、野本武、久保田栄三、*田中泰之、*津田繁
▽広報=◎吉村伸、菅原さと子
▽芦生キャンプ場=◎佐々木亨、久保田栄三
▽墓地・納骨堂=◎服部卓爾、立石昭三、野本武、*邨田志津子
▽幼稚園委員会=◎新実康男、野本武
▽各グループ担当教会委員
婦人会=辻法子
青年会=吉村伸
ジュニアチャーチ=吉村伸
日曜学校=菅原さと子
GFS=辻法子
幼稚園=菅原さと子
ボーイスカウト=南寛
教区日曜学校賛助会=*続木智子
教区神学生後援会=立石昭三会計監査=*小林格子、*森田朋宏


パウロ 久保田栄三

 今年も教会委員会の一員として働かせていただくことになりました。ボーイスカウト第24団は我が教会の大切な一角だと自負しています。そのパイプ役として次世代につなげていくお役を命じられていると思っています。営繕についても、比較的昼間の時間帯に融通のつく年代でもあります。幼稚園も含め、可能な範囲で協力させていただきます。よろしくお願いします。

ダビデ 佐々木 亨

 またまた、お金に縁遠い私が会計担当に任ぜられました。不景気と物騒な話題ばかりのこの頃、主の御業にあずかる私たちこそ、明るく楽しく、主を賛美しつつ、創造の道を歩んで行きましょう。
ハレルヤ。

ルデア 菅原さと子

 2002年度の教会委員会のメンバーの一人として、また新しい年が始まりました。
 私に、本来与えられている幼稚園の仕事の報告、日曜学校での関わり、南兄の補佐役としての書記、吉村兄の補佐役としての広報を担当させていただきます。
 幼稚園については、少子化の進む中、昨年は教会委員会で「幼稚園委員会」と言うものが発足され、「教会の中の幼稚園」としての在り方を考えていただく機会を得た事を感謝致します。また日曜学校では、11人の先生達が自分の時間の許す範囲でのご奉仕をして下さっています。月一度の教師会を守りながら、教会信徒の子供達や当幼稚園を卒園した園児を教会に招きいれられるように、出来るだけの努力をさせていただきたいと考えています。
 この教会の特色とも思われる老若男女の幅広い信徒の方々の中で、一番可愛らしい、小さい人たちとの関わりを楽しみ、幼い頃にこそ大切と思われる宗教教育の一助となれば嬉しいと思っています。どうぞ、本年も皆様のご協力を宜しくお願いいたします。

ヨシュア 立石昭三

 昨年はかなり教会に出席して皆様のバックグラウンドが判って来ました.今年も病気になられたら、また病気の事がご心配でしたら,どうぞご遠慮なく,これまでの経験や友人関係を生かして,その方に、またご家族に最もよい方法を共に考えて行きたいと思います.時々留守をしますが居ります限りはご一緒に悩みます。

デボラ 辻 法子

 デボラを駄法螺に変えようかと思っています。
 まずは皆さん、建築会計ようやく五年で終止符を打ちました。でも借金は残りました。ゼロに出来なかったのが残念ですが、でも、みんなの力の凄さをしみじみと感じさせてもらいました。それが教会の素晴らしさ、そこにつながる喜びを感じさせていただきました。次は幼稚園のことをみんなでしっかり考えましょうよ。みんなでやれば怖くないどころか、楽しくて・・・。ほんとう!! 中年の働き盛りでめっぽう多忙な毎日を過ごしていますが、どうかお使いください。
 本年もよろしくお願いいたします。主に感謝。

モーセ 続木 創

 礼拝堂建築会計も終結のメドが立ち、建築委員会も無事解散ということで、これは本当に感慨無量。今後のテーマは「教勢の拡大」ではないでしょうか。まずは信徒数300人、毎主日の平均礼拝出席者100人あたりを目標にしたいものです。これが達成できれば幼稚園やら財政やらの諸問題は自然と解決するのではないかというのが僕の持論です。

マルコ 新實康男

 例年になく今年は三つも担当を与えられました。礼拝宣教、信伝協、そして幼稚園委員会です。
 耳新しい幼稚園委員会は、少子化の影響下における幼稚園運営について、教会及び教会員が物心両面において理解を深め、又どのように協力していけるかを考え、教会委員会に答申するものです。近年の急激な園児減少は、教会建築中による保育環境の悪化の影響が考えられ、教会員も真剣にとりくまねばなりません。
 一月の教会委員会では最年長ということで乾杯を指名され、そんな年になっていることの自覚はまったくないのですが、改めて色々考えなければ等と思いはじめております。

パウロ 西 逸郎

 昨年に引き続き、本年も会計をすることになりました。私にとって教会委員として会計の仕事をしたのは八年ぶりのことであり、当時と現在における会計処理の仕方が若干異なっていたことから、昨年は当惑し通しの一年でしたが、無事会計年度を終了できてホッとしています。八年前はまだ金利も高く、まとまった資金からの財産収入も得ることが出来ましたが、今の時点ではそれは困難となっています。しかし、今後に備えた蓄えはしておく必要があるとも考えられます。
 いずれにしても信徒各位からお献げいただく献金を正確に仕訳し、教会運営に必要な事項については有効に利用して、2002年も勘定を締められるように頑張っていきたいと思っております。


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