月報「コイノニア」
2003年8月号 No.240
すべては天上で始まった
司祭ヨハネ
しかし、時が満ちると、神は、その御子を女から、しかも律法の下に生まれた者としてお遣わしになりました。
ガラテヤ4・4
イタリア、パドヴァのスクロヴェーニ家礼拝堂に、ジオットはキリストとマリアの生涯を画題とする三八場面を中心とする壁画を描きました(1303―5年)。ここ八回ほどマリア・コイノニアの一面を飾ってきたのは、その抜粋写真集『ジオットのイエス伝』(新教出版社1978年、800部限定出版)から借りたものです。
聖堂内部は高いアーチ型の天井をもち、丈の高いトンネルのように思えるほど単純なバジリカ様式で、床以外の全面が壁画で埋められています。前回(七月号)掲げた『最後の審判』図は、聖堂入口のある西側の壁の上半分いっぱいに描かれたものでした。その真向かいに当る東側(祭壇側)の壁の天井近くに描かれているのが下の絵です。下方に暗く開いているアーチ型の空間は内陣入口の上部で、その奥に至聖所があります。
この絵の(向かって)左下には天使の上半身が見え、右下にはマリアの上半身が見えます。受胎告知の一部です。内陣入口のアーチを隔てて御使ガブリエルとおとめマリアが向き合った形です。両者とも、それぞれ一対のバルコニーのようなもので支えられた平屋根をもつ建物の中にいます。そこだけが非常に立体的に描かれているため、バルコニーと屋根のひさしが実際に手前に張り出しているように見えます。この平屋根から下が地上の世界のようです。一枚の絵として描かれた受胎告知はよく見ますが、ここでは天上と地上の出会いとして、二人の間の距離を表現しようとしているかのようです。
平屋根の上方には天使の群、内陣アーチの真上には玉座に座す父なる神がおられます。『天使ガブリエルの派遣』とも呼ばれる図です。玉座のそば、神の右手側(向かって左)にいるのがガブリエルでしょうか。
降誕物語に始まるキリストの生涯は、受胎告知から説き起こされるのが普通です。たしかに、地上の世界にとっては、受胎告知こそ神の介入の始まりです。しかしジオットは、キリストの生涯を天上における御使ガブリエルの派遣の場面から説き起こします。玉座に在す神ご自身が、まさに「時は満ちた」と判断されて御子を地上に送ることを決断し、御使ガブリエルをおとめマリアのもとに派遣すべく命令を下される。この場面を描くことによって、他の全壁画を通して語られる地上でのキリストの生涯が、徹頭徹尾父なる神の御意志のもとに置かれていることを強く訴えています。
人間イエスからではなく、父なる神から遣わされた神の御子からすべてが始まる。地上からではなく、天上からすべてが始まるという信仰が見事に表現されています。
マリアの夏
〜キャンプ・行事報告特集
日曜学校キャンプ
○7月19日(土)〜20日(日・祝)、復活学園北小松キャンプ場にて。
「今年は北小松でキャンプが出来ひん!」「大変!」・・・そこから始まった今年のキャンプ。教師会で他の場所を検討したりはしたものの、有り難い事に北小松キャンプ場をお借りする事が出来る事になり、子ども34名、大人29名でのキャンプが行われました。今年は、テーマを『ともだちっていいな。』に決め、〈キャビンのお友だち〉を意識してもらおうとプログラムを考えました。お天気の都合上、とにかく早め早めにプログラムをこなし、準備の段階では考えていなかった予定外のプログラムもする事が出来、楽しい時間を過ごす事が出来ました。
今年のキャンプでは、[ハリー・ポッター]のお話から少しヒントを得、キャンプ中何かにつけ、キャビン毎にポイント制のゲームを取り入れてみました。集合が早いキャビンには一ポイント、何かを頑張ったキャビンには一ポイント・・・という風に。そして、閉会礼拝の後、最高得点のキャビンの子ども達は表彰状と景品を、他の子供達は参加賞としてキャンディーをもらい、疲れてはいるけれど、集合時とは全然違う笑顔で帰って行きました。「来年も来よな!」・・・子ども達からそんな言葉が聞けるキャンプが今年も出来た事を、キャンプに関わって下さった方々に、そして神様に感謝します。
(マーガレット 浦地 愛)
ジュニアチャーチキャンプ
○8月8日(金)〜10日(日)、京都聖マリア教会二階集会室、および芦生キャンプ場にて。
今年のジュニアチャーチ夏のキャンプは超変則。なんていっても台風10号が近畿地方を直撃。せっかく準備したプログラムも全く実行できない状況に陥ってしまいました。前日には、芦生でキャンプをするのは危険と判断し、芦生へ行くのは見合わせましたが、予定通り定時には集合し、キャンプを実行しました。
第一日目。午前中はまだ雨も降り出していないので動物園へ。がら空きの動物園で朝の礼拝を献げました。お弁当・ゲーム大会のあとは、芦生で二日目に行う予定であった大料理対決!おのおのが買い出しから始め、思い思いの料理を作り、みんなでいただきました。夜の礼拝は小礼拝堂で司祭の司式のもと厳粛な礼拝を捧げ、それからは芦生では絶対不可能な「ビデオを鑑賞しながらの聖書研究」。聖書片手に「天地創造」を見、話合いました。
翌日午後からは台風一過の芦生へ向かい、残りのプログラムをこなしました。
迷惑な台風ではあるのですが、お陰で思わぬ素敵な経験が出来たジュニアチャーチでした。
(ペテロ 吉村 伸)
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動物園での朝の礼拝 |
京都教区小学生キャンプ
○7月28日(月)〜30(水)、復活学園北小松キャンプ場にて。
小学3年生が3名、5年生が1名、高校生スタッフが1名、スタッフが1名、計六名が参加。小学生キャンプへ、当教会からの参加は数年振り。雨の為に、一部プログラムの変更はありましたが、思いっきり泳いだり、遊んだり、踊ったり・・・。神様から与えられた『僕だけ・私だけのこと』を考えたりもしました。
京都教区ジュニアユースキャンプ
○8月14日(木)〜17日(日)、サン大淀キャンプ場にて。
当教会からは末松めぐみ1名が参加しました。全参加者が5名というこぢんまりしたキャンプでしたが、京都聖マリア教会の本領を存分に発揮してきたようです。
24団ビーバー隊キャンプ
○8月2日(土)〜3日(日)、加茂青少年山の家にて。
ビーバー隊は「一番星みぃ〜つけた」をテーマに、一日目はプラネタリウム館で工作や星の勉強をしました。スカウト達は天体に興味があるようで皆真剣なまなざし。二日目は、星座や星を見つけるゲームをしながらハイキングを行いました。猛暑にもかかわらずスカウト達は元気一杯で、病気・ケガすることなく無事キャンプを終えることができました。
(ビーバー隊副長 平林陽子)
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