月報「コイノニア」
2004年1月号 No.245


最初のしるし

司祭ヨハネ

イエスが、「水がめに水をいっぱい入れなさい」と言われると、召し使いたちは、かめの縁まで水を満たした。イエスは、「さあ、それをくんで宴会の世話役のところへ持って行きなさい」と言われた。召し使いたちは運んで行った。世話役はぶどう酒に変わった水の味見をした。このぶどう酒がどこから来たのか、水をくんだ召し使いたちは知っていたが、世話役は知らなかったので、花婿を呼んで、言った。「だれでも初めに良いぶどう酒を出し、酔いがまわったころに劣ったものを出すものですが、あなたは良いぶどう酒を今まで取って置かれました。」イエスは、この最初のしるしをガリラヤのカナで行って、その栄光を現された。それで、弟子たちはイエスを信じた。
           ヨハネによる福音書2・7―11

 主の顕現の一つとして、カナの婚宴での出来事があることを前号で申しました。それは「三日目に、ガリラヤのカナで婚礼があって、イエスの母がそこにいた。イエスも、その弟子たちも婚礼に招かれた」という言葉で始まります。カナはイエスの故郷ナザレから20キロほど北にある村です。イエスの母が、ぶどう酒がなくなったことを心配し、召し使いたちに「この人が何か言いつけたら、その通りにしてください」と指図していることから見て、母は婚宴の主催者に近い立場にあるようです。おそらくマリアの非常に近い親戚にあたる人の婚礼なのでしょう。ジオットの描くこの場面(上図)でも、中央の花婿の隣りにマリアを座らせています。
この絵で、イエスは招かれた客として画面の左端に座り、その右手側から見た姿で描かれています。祝福を与えるイエスの右手と右上半身全体の形は、後に出てくるラザロのよみがえりやエルサレム入城の場面に描かれた主の姿と非常によく一致しています。それは単にイエスの姿が定型化されているということでなく、カナの婚宴を主の受難・復活と結びつけて描こうとしたジオットの意図の現れのように思われます。
婚宴は、しばしば、神の国における祝宴として終末論的な意味をもって語られます。旧約においては、神とその民との関係が婚姻関係になぞらえられ、不実の妻イスラエルを愛する忠実な夫としての神の姿を預言者たちは強調しています。この婚姻関係は新約において、花婿なる小羊キリストの来臨と、キリストの血によって聖化された花嫁なる教会との永遠の婚宴として完成されます。
ぶどう酒も、主が渡される夜、「罪の赦しを得させるようにと、あなたがたおよび多くの人のために流すわたしの新しい契約の血」と言われた御言葉を思い起こさせ、「三日目に」という書き出しは主の復活を連想させます。「ユダヤ人が清めに用いる石の水がめが六つ置いてあった」に、清めの水に代表される旧約の律法の不完全さ(完全数7に満たない6は不完全数)を見、そのかめの縁までいっぱいに満たされた旧約の水を「あなたは良いぶどう酒を今まで取って置かれました」と言われた最良のぶどう酒に変えられた主の御業に、新約の救いの完全性の主張を見ることができるでしょう。
福音記者ヨハネが「イエスはこの最初のしるしをガリラヤのカナで行って、その栄光を現された」と言うとき、この「最初のしるし」は主の十字架と復活に重ね合わせて語られているのではないでしょうか。


新教会委員の
  抱負とひとこと

昨年12月25日、2004年度の教会委員・信徒代議員選挙の即日開票が行なわれました。指名された4名の開票委員による開票の結果、
12名の教会委員および2名の信徒代議員が選出されました。
新しい年の教会委員さんにひとことお願いしました。


書記担当・広報担当
日曜学校連絡担当

マーガレット 浦地 愛

 教会委員に選ばれてから「おめでとう!」とたくさんの方に声をかけて頂きました。普段「おめでとう」と言ってもらえたら嬉しい筈なのに、今回に限り、とても気が重くなっていました。何をするのか、何が出来るのか判りません。
・・・が、書記というお仕事を教えて頂きながら、また日曜学校とのパイプ役をしながら、今までに「ん?」と思った事、この(若い?)年齢だからこそ思う事、平日も教会に居てるからこそ思う事など、そんな思いを委員会の中で声に出せれば・・・と思っています。(小心者の私にどこまで出来るか判りませんが。)この一年間、頑張り過ぎずに、頑張りたいと思います。よろしくお願いいたします。

会計担当
芦生キャンプ場管理担当

ダビデ 佐々木 亨

 会計・芦生キャンプ場担当のダビデ佐々木亨です。初めて教会委員を仰せつかってから、きっちり三年ごとにお休みをいただいていた私が不覚にも申告を怠り4年目となってしまいました。教会の内情を出来るだけ多くの方に知っていただくためにも、新しい教会委員の誕生を期待していたのですが、今回は新メンバーお二人を迎えることが出来ました。嬉しいことです。宣教百年の記念事業も始まります。皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

書記担当・広報担当
GFS・幼稚園連絡担当

ルデア 菅原さと子

教会委員の役割を担って

 2004年度も引き続き、書記、幼稚園からの報告、コイノニアへの関わり、そしてGFSとの連絡係をさせて頂く事になりました。その中でも書記は責任重大、ニューカマーの愛ちゃんと共にお役が果せるようにと考えています。幼稚園はお陰さまで今春は六四人で出発する予定です。ミレニアムベイビーと団塊の世代の孫とが相まって少し増加の傾向を見せていますが、少子化という社会現象には変わり有りません。
 コイノニアを通じても幼稚園の情報を発信したいと思います。また、GFSは賛助会員にして頂いていますが、まあそのうち本会員になれる日があれば嬉しいなあとの思いで連絡係をさせて頂きます。力及ばずの私ですが今年もよろしくお願い致します。
 神様の御心に適って与えられた働きが出来ますように。

墓地・納骨堂担当

ヨシュア 谷 嘉明

私は週日は下関で単身赴任で遠隔地生活していますので二年前に役が解けて以来委員にならず気の休まる思いをしておりましたが、昨年をもって一年お休みをされる委員の方が数名にのぼり、今年度はひょっとすればという不安がありました。その予感がみごと的中する結果となりました。今年の五月で満七〇才になる私にどれほどのことができるかは疑問ではありますが、できる限りの努力をいたそうと思います。いよいよ京都聖マリア教会も新しい世紀に突入し、福音伝道への努力と馬力を加速して行かねばなりませんが、コックピットに座らせていただきまして、大きく進路をはずれそうになった時に大きい声を出したいと思います。この多忙な身をご理解いただき、温かく見守っていただきといと存じます。2月15日の信徒総会の当日は仙台で学会があり、さっそく欠席するということになり、このようなことが時々あるということを恐れながら。。。

会計担当
婦人会連絡担当

リベカ 續木泰子

 会計をお手伝いすることになりました。諸先輩の方々の清々しいお働きにいつも励まされています。今年はマリア教会婦人会が京都教区婦人会の事務局当番教会の年にあたり、そのお役目にも沢山の方々のお祈りと働きが捧げられる一年です。賛美と祈りに満ちた日々を共にできることに感謝です。どうぞよろしくお願いいたします。

会計担当
ボーイスカウト連絡担当

パウロ 西 逸郎

 昨年は教会委員として会計担当を拝命しただけでなく、まりあ寄席の実行委員長をやり、なおかつボーイスカウト京都24団の団委員としてまたまた会計を仰せつかるという結構忙しい一年でありました。
 最初は「俺に三役もこなせるんかいな?」と自問自答しておりましたが、多くの方々のご協力により無事越年できました。感謝しております。
 今年は会計担当のみならず教会委員としてボーイスカウト連絡担当の役目も承ることになりました。私にとって教会は「心の故郷」であり、ボーイスカウトは「育ての親」、寄席は「道楽の極み」だと認識しています。どれも欠かすことはできません。
 所詮私の能力では全てを完璧にこなすことなどできる術はありませんが、責任者としての使命は皆さん方の支えによってでもまっとうできるよう一生懸命取組んでまいります。どうぞよろしくお願い致します。
 また、今年から教会委員会にニューフェースをお迎えすることになりましたが、いっぱしの先輩教会委員としてその模範となれるよう、緊張感を持って処していくつもりです。
 それと、別件ながらサーバーの時、もうちょっとしっかりとできるようにしなければ…。サーバーの時も緊張して礼拝に臨んでいるのですが、どうも緊張しすぎて順序を間違えたりして…、後になって反省ばっかりしています。とは言うものの、いずれはなんとかサマになると信じてます。お導きがあるはずです。
 乞う、ご期待!

営繕担当
渉外(信伝協)担当

ピリポ 野嶋久暉

改革という風潮について

 現在世間では、改革という考え方は、大変前向きであると思われています。今の改革は、費用対効果(最小の費用で最大の効果)を上げるという考えが大となっています。教会では、この考え方は合わないと思います。教会では、日曜日の礼拝を守ること、福音を述べ伝えることが何よりも優先され、基本であると考えます。
 幼稚園、SS、JC、青年会、婦人会の活動が担う役割は大きく、そこがうまくいくことが教会の底力となります。最近の行事や催事は、頻繁で多彩になっていますが、基本に立ち返り、真に主日礼拝三桁を目指すことに精力を傾けてはいかがですか。
 私も頑張ります。どうぞよろしくお願い致します。

礼拝・宣教担当
宣教百年記念事業担当
幼稚園委員会連絡担当

マルコ 野本 武

 マリア教会は、宣教百年を過ぎ、二世紀目に入りました。次の百年に向けた、その初年に、教会委員に選出されて、身の引き締る想いです。
 私たちは、今、未曾有の大不況の最中にあり、世の中は右肩下がりの勾配が、ますます強くなってきています。
 その将来は全く不透明と言えるでしょう。そのことは、教会にとっても言えることであろうと思います。
 信徒の加齢化が進み、年金生活者が増えてまいります。私も近い将来仲間入りです。今後の教会運営基盤の弱体化を懸念するものです。
 幸い、マリア教会では若い世代の信徒の方々の活躍に目を見張るものがあります。今年度の教会委員にも若い方々が選出されました。嬉しく、頼もしいことで、多くの期待をもちます。
 自分の歳を思い浮かべて、一体、何が奉仕できるのかと自問しているところです。気持ちはまだまだ青年ですので、せめて、あらゆる場で、中高年・熟年の世代と若い世代の架け橋になれるように、最善を尽くしていきたいと心しているしだいです。
 宜しくお願い申し上げます。

営繕担当
渉外(信伝協)担当
墓地・納骨堂担当

サムエル 服部卓爾

これからの課題

 女性が増えて委員会が若返ったことは嬉しいことです。
 私の担当は営繕と渉外です。礼拝堂は新築3年ですが維持費が随分かかります。会館は20年目で中補修が必要です。幼稚園舎は74年目。老朽化対策を考えねばなりません。
 教会も教区も聖公会も日本社会も少子高齢化が課題です。今、子供と高齢者、弱者のことを考える視点が必要です。
 宣教百年記念事業の募金や教会史の発行も意味がありますが、これからは信徒各層が将来のことを考え話し合って、教会の宣教を着実に進めて行くことがより大切ではないかと考えています。


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