月報「コイノニア」
2004年5月号 No.249


あなたがたは力を受ける

司祭ヨハネ

 イエスは言われた。「父が御自分の権威をもってお定めになった時や時期は、あなたがたの知るところではない。あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てにまで至るまで、わたしの証人となる。」こう話し終わると、イエスは彼らが見ているうちに天に上げられたが、雲に覆われて彼らの目から見えなくなった。イエスが離れ去って行かれるとき、彼らは天を見つめていた。すると、白い服を着た二人の人がそばに立って、言った。「ガリラヤの人たち、なぜ天を見上げて立っているのか。あなたがたから離れて天に上げられたイエスは、天に行かれるのをあなたがたが見たのと同じ有様で、またおいでになる。」
                使徒言行録1・1-11

 写真はアシジの聖フランチェスコ聖堂にあるジオットの絵です。聖堂玄関側の壁(ファサード)の上部、バラ窓の下、向かって右に昇天、左に聖霊降臨の場面が描かれています。これまで見てきたパドヴァのスクロヴェーニ家礼拝堂の絵に比べて傷みが進んでいますが、さらに1997年9月26日の地震により、ファサード直前の天井が崩れ落ち、天井画の一部が失われました。幸いこの絵は残りましたが、傷みはさらに進んだかもしれません。
福音記者聖ルカによれば、主イエスは復活の後40日にわたって弟子たちに現れ、神の国について話されました。そして食事を共にしていたとき、命じられました。「エルサレムを離れず、前にわたしから聞いた、父の約束されたものを待ちなさい。ヨハネは水で洗礼を授けたが、あなたがたは間もなく聖霊による洗礼を授けられるからである」(使1・3―5)。そして天に昇り、十日後の五旬祭の日に聖霊降臨の出来事が起こりました。
パドヴァのジオットは弟子たちに上から降りそそぐ光線で聖霊を表現しました(コイノニア238号)。アシジのジオットも、この図では見えにくいですが、光線を描いています。しかし最も目立つのは、鳩のような姿で描かれた聖霊です。明らかに、主イエスの洗礼の場面で「天が開け、聖霊が鳩のように目に見える姿でイエスの上に降って来た」(ルカ3・21―22)といわれた聖霊です。円形に開けた天から光が地上に降りそそぎ、その光線に乗るようにして鳩のような姿で降って来ます。それによって、この出来事が聖霊による洗礼であることを表現しています。
 一方、右側の昇天の図には、昇って行かれる主の両手の先に波紋のような同心円が描かれています。それは左側の図で円形に開かれた天に対応しているようです。主の洗礼においては父が御子に向かって天を開かれたが、聖霊降臨においては御子が昇天によって天を開かれた。御子ご自身が地と天を結ぶ道となり、今その道を通って聖霊が降ってくるといったイメージでしょうか。「わたしは道であり、真理であり、命である」(ヨハネ14・6)というみ言葉を思い出します。ジオットは左右に配置した一組の絵によって、出来事の意味を豊かに表現しています。
降誕、洗礼、十字架の死と復活、昇天と聖霊降臨。天と地を結ぶ下降と上昇の道が幾層にも重なり、その道に与る者が力を受けるのです。


京都教区婦人会大会京都で開催!

 第108回京都教区婦人会大会は5月13日から14日の両日、高地主教様と共に延べ200名を越す方々をお迎えして開催されました。
 当番教会になった私たちマリア教会婦人会では、昨年から少しずつ準備をしてきました。皆様からのアンケートを元に、「蛇のように賢く,鳩のように素直に」マタイによる福音書11章28節を、チャプレン下田屋先生がテーマに据えてくださいました。
 大会一日目、会場の宝が池プリンスホテルに婦人会メンバーは集合。何回かの打ち合わせ通り、スケジュール表を片手に準備開始です。地下鉄駅周辺でのご案内に向かう人達、スムースな受付を工夫するチーム、心のこもった手作り品をルデヤ会バザーに並べるメンバー等々、夢中で働きました。12時半の受付開始と共に、代表者会出席者の方々から皆様懐かしそうに到着され、いよいよ開会です。
 「現代世界とキリスト者の生き方を考える」というテーマでの講演会を、東京教区三光教会信徒で関西学院大学教授の藤田太寅先生にお願いし、一般参加の形で好評の内に行いました。続く夕食懇親会では、教会紹介の後、マリア幼稚園園長の菅原先生に登場いただき、五月のお誕生日会をしていただきました。笑顔に包まれた嬉しいひと時でした。
 翌日はマリアの礼拝堂いっぱいの大会礼拝。ハンドベルの響き、フルートやセシリア会、聖歌隊有志の歌声が聖堂に満ちました。
 一年に一度こうして集い、また北へ南へと散って行くのです。そのお世話をさせていただき、目に見えることと見えないことの両面で、本当に多くの学びと祈りの機会を与えられてきました。大会に参加できた感謝と、参加は出来なかったけれど共に祈って下さった方々の祈りに支えられて、無事に終えられたと感じました。多くの方々に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。(續木や)


みんなでつくる聖餐式

 もはやマリア教会の名物といってもいい「みんなでつくる聖餐式」。4月25日の担当はCS(教会学校)。CSというのはチャーチスクールの略で、教会学校。マリアでは日曜学校(SS・小学生)とジュニアチャーチ(JC・中高生)をまとめてそう呼んでいます。今年の教区テーマ「子供といっしょに!」に因んで子どもたちが共に参加できる聖餐式をJCの中高生中心に考え、実践に向けて会議をし、日曜学校で歌の練習をし、この日を迎えました。
 まず、入って目に付いたのは聖卓の位置。会衆席フロア中央より入口側において聖卓を囲む形をとりました。また、子どもたちの要望で、壁面等には前日から準備した風船のデコレーションがあり、楽しそうな雰囲気です。旧約聖書朗読はSSの子どもたちが聖卓の前で外側を向いて全員で朗読。使徒書はCS校長先生の朗読、そして、福音書は登場人物の台詞をJCの子どもたちが受け持つ形で朗読されました。陪餐中のアンセムは、子どもたちの歌声。子どものソロありと、チャンセルがステージになり天使の歌声が聖堂内に響き渡りました。
 次回の「みんなでつくる聖餐式」は6月27日。引き続き子どもといっしょに!を実践していく予定です。


マリア勤務の八城晃神学生

 4月から主日勤務している神学生です。
 ペテロ八城晃神学生。千葉県の鴨川聖フランシス教会出身の34歳、1970年3月2日生まれです。現在ウイリアムス神学館3年生。趣味はサッカー、野球等体を動かすこと全般。よろしくお願いします。6月号に自己紹介をかねて投稿していただく予定。


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