月報「コイノニア」
2005年8月号 No.264


変容:捨ててこそ

司祭 ミカエル 藤原健久

祈っておられるうちに、イエスの顔の様子が変わり、服は真っ白に輝いた。見ると、二人の人がイエスと語り合っていた。モーセとエリヤである。二人は栄光に包まれて現れ、イエスがエルサレムで遂げようとしておられる最期について話しておられた。        (ルカ9:29-31)

 これはテゼ共同体の礼拝堂にあるステンドグラスの一枚です。中心にイエス様、イエス様の左右には二人の老人が立っています。左手の老人は巻物を持っています。これは聖書の「律法」を表現しており、こちらがモーセです。右手の老人は、預言者エリヤです。イエス様の顔には、いつもと違うところがあります。あごの髭がなく、若々しい姿なのです。これはイエス様のご復活の姿を示しているのでしょう。衣が白く輝き、まことに栄光に満ちた、神々しい姿です。けれどもよく見ると、イエス様の顔は悲しげな表情をしています。それは、この二人の老人が交わしている会話の内容に関係があります。二人はイエス様の「最期」、つまり、十字架について話していたのでした。そう言えば、両手を広げたイエス様の姿は、十字架にかかっている姿を示しているのかもしれません。イエス様の変容は、ご復活の栄光の姿を予告するものです。確かに復活の栄光の時はやってきます。けれども、栄光の前には、必ず十字架があるのです。そのことをイエス様は、誰よりもよくご存じでした。
 私たちの祈祷書では、「主イエス変容の日」は、八月六日になっています。この日は言うまでもなく、広島に原爆が落とされた日です。イエス様の変容は、私たちにとっては、どうしても平和と結びつけて考えるものとなっています。
 今年の夏、私は様々なすてきな出会いを経験しました。その一つは「日韓聖公会青年同志の会」です。日韓の青年たちが大阪に集まり、今までの歩みを振り返り、これからの交流について活発に意見を交わしました。私は以前より、平和の実現のためには、様々な「壁」を乗り越えなければならないと考えています。この会は、日本と韓国という国と国との「壁」を、少しでも乗り越えようとする試みです。青年たちは、電子手帳を片手に、四苦八苦しながらコミュニケーションを取っていました。一緒にご飯を作り、お風呂に入り、生活を共にする中で、急速に親しくなってきました。ご存じの通り、日韓の間には不幸な歴史があります。討議の際には、厳しい意見が出ることもありましたが、そのことによって、日韓の青年たちが互いにより親しくなったように見受けられます。この小さな青年たちの交流の中に、私は平和への一歩を感じました。
 この会の中で、ある方が自分の「夢」として、「日本と韓国の聖公会が一つの管区になれないだろうか」と語られました。私はこの言葉をずっと考え、そしてこれは私の夢にもなりました。日本と韓国の現実の国境は、なかなか崩されないでしょう。けれども、同じキリストを信じる教会が、国境や様々な壁を越え、一つになれたら、どんなに素晴らしいでしょう。それはきっと、全人類が一つとなること:つまりは世界平和に、きっと何らかの貢献をするでしょう。一致するためには、私たちは何かを捨てなければなりません。「日本聖公会」という名前や、今まで慣れ親しんできた伝統を、一部分であれ捨てなければならないこともあるでしょう。それは苦しいことです。「十字架」にかかることです。けれども、復活の栄光は十字架を通らなければあり得ないのです。
 この夢は、今はまだ遠い遠い夢です。けれども、夢のことを考えると、心の奥から、少し元気が出てくるような気がします。


マリアの夏
〜2005キャンプ・行事報告特集

日曜学校キャンプ

○7月23日(土)24日(日)、復活学園北小松キャンプ場にて。

 今年は42名の小学生、大人や幼稚園児、高校生を入れて総勢79名で一泊二日を過ごしました。夏休みに入っていたこともあり、また、去年のキャンプに行きたいのに行けなかったという子供達の参加が重なったこともあったためか、去年に増して例年の賑わいのあるキャンプとなりました。そして、遠い所からは名古屋や岡山から、常連さんから初めての子ども達までみんなドキドキ・ワクワクしながらキャンプを楽しみに教会を出発!
 今年のテーマは『ワクワク北小松!』〜神さまといつもいっしょ〜。教会でチョット緊張気味の顔が集まりました。途中参加のスタッフも到着し、北小松で七九名が集まりました。
 お楽しみの時間には、ファッションショーを行いました。キャビン毎でグループとなり、ゴミ袋をベースにマジックで書いたり、色紙や紐、落ちている葉っぱに石に貝殻といろいろなものを用いて貼ったりと、それぞれのグループが豊かな個性を発揮しました。それを身にまとってメインハウスから登場。階段をおりて決めポーズ!皆照れながらも楽しそうでした。みんなで、プログラムを楽しみ、キャンプをつくりました。一致団結してひとつのものをつくる。この事が将来、他でも生かせられたら嬉しく思います。
スタッフとして参加して下さった方々、準備段階で製作材料をご協力頂いた方々、 お祈り下さった方々、有り難うございました。二日間良いお天気の中、子供達と楽しい時間を過ごせた事、共にとても感謝しています。       (キャンプ長 前田 潤)


24団ビーバー隊キャンプ「和・知球博!」

○7月17日(日)〜18日(月祝)、和知山の家にて。

 初日は、頭に金魚すくいの網をつけ水鉄砲で撃ち合ったり、石をひらって自分の顔を書いたり、川に沈めてあるジュースを探したりして遊びました。夜はバーベキュー!しかし、肉から各野菜、サラダを食べると各国の国旗がもらえて自分の世界地図を仕上げていくと言うプログラムでした。二日目のポイントハイクでは、宝探しや、スケッチ、ごみの分別ゲームなどをして国旗のパーツを集めていきました。最後は出来上がった国旗の国の「こんにちは」を意味するカードを探してポイントハイクを終えました。みんないろんな国旗とあいさつを少しは覚えてくれたことでしょう。(隊長 荒木一登)


ジュニアチャーチキャンプ

○8月5日(金)〜7日(日)、当教会芦生キャンプサイトにて。

 今年のジュニアチャーチ(中高生)キャンプには、普段なかなか教会に来られない信徒子弟がたくさん参加してくれ、キャンパー七名と近年に比べて盛り上がったキャンプが実現しました。キャンプ中にその中から受堅信志願者が出るなど、嬉しいことがありました。
 聖書研究や礼拝のお話の中でも、子どもたちの教会に対するさまざまな思いや将来の夢など、いろいろな話を聞くことができました。とても良いキャンプになったと思います。この子どもたちの思いが少しずつでも信仰につながっていけば、とても嬉しいことだと思います。(スタッフ 吉村由理)


24団カブ隊夏季カブホリディ
「パイレーツ オブ マザーレイク」

○7月29日(金)〜31日(日)、近江八幡YMCA佐波江教育キャンプ場にて。

 初日、スカウトは、YMCAの女性スタッフ扮するマザーの使いから、今回キャンプでの指令を受けプログラムが始まり、肝試しや星座観測を行いました。二日目は、カヌー体験やロープワーク、計測、宝探し、ペットボトルロケット飛ばし、ビーチフラッグ、スイカ割りなどを楽しみました。三日目は、Sケンバトルやケンケン相撲で、スカウトとDL、リーダーが熱い戦い楽しみました。キャンプ中、スカウトが大いに楽しみながら体調を崩すこともなく無事終えることができ良かったと思います。多くのスタッフに支えられて無事キャンプを終了することができ感謝申し上げております。                       (隊長 上仲秀明)


8月号その2へ