月報「コイノニア」
2006年2月号 No.270


まんまる・その3

司祭 ミカエル 藤原健久

最後の晩餐は 茶道のように
深遠な そなわった 意義のある儀式でした
死と生とのふたつながらの祭りだったのです
輪には初めと終わりがないように
知るという新しい生命は
時間と空間を通して
絶え間なく光り輝きます
その中心には
救い主の永遠の臨在があるのです

 またも、ナリニ・ジャヤスリヤ著『サッテヤ…言葉と絵による黙想』(日本基督教団出版局)から「最後の晩餐」という作品を引用しました。この絵の最大の特徴は、テーブルの形にあります。丸いのです。よく知られている最後の晩餐の絵では、細長い四角いテーブルが用いられています。丸いテーブルというだけで、アジア的なのかもしれません。私の実家では、かつて丸い「飯台」を使っていました。狭い家ですので、いつもは足を畳んで部屋の隅に置き、食事の時は転がしながら移動させてきたものです。最後の晩餐は、言うまでもなく、教会の最も中心である聖餐式の原型になっています。テーブルは教会の祭壇(別名:聖卓)の原型であり、これは礼拝堂の中心にあります。ここで一つの大きな「仮説を立てたいと思います。それは「教会はまんまるだ」です。まんまるの教会の特質を挙げてみましょう。

1,まんまるは全てをつなぐ
 古今東西で、丸や輪は「永遠」を示すシンボルとして用いられています。詩にもあるように、「初めと終わりがない」ものとして、用いられます。しかしキリスト教の時間の概念では、初めと終わりがあります。時間には天地創造から最後の審判に至る歴史があり、その歴史の中で人は生き、神様は救いの業を行われます。「まんまる」は、初めと終わりをなくしてしまうのではなく、つなげます。時間を抽象化せず、歴史をうやむやにせず、過去をしっかり見つめ、地に足をつけ現在を生き、希望をもって未来に向け歩んでゆきます。「神である主、今おられ、かつておられ、やがて来られる方、全能者がこう言われる。『わたしはアルファでありオメガである。』」(黙示録1:8)。まんまるの祭壇で聖餐式を捧げるとき、そこでは時の流れの全てがつながり、集中するのです。

2,まんまるはすべてを受け入れる
 アーサー王伝説の「円卓の騎士」にもあるように、丸いテーブルはそれだけで身分の上下を否定し、人を平等に受け入れる姿勢を示します。イエス様は宴会の上座を好む律法学者を痛烈に批判しました(マタイ23:6)。まんまるには上座も下座もありません。全ての人を受け入れ、全ての思いを受け入れるのです。

3,まんまるはあらゆる所へ旅立つ
 聖餐式の最後には、「主と共に行きましょう」と唱えます。信徒はキリストの体と血によって強められ、再び世界へと派遣されます。まんまるは、何かが爆発するときの形でもあります。神様を中心に、正に四方八方に旅立ち、神様の愛を世界中に広めてゆくのです。

 私たちの教会の聖堂は、伝統的な、細長い形状をしています。祭壇も長方形です。物理的にはそうですが、心の中で、まんまるな教会の姿を思い描きたいと思います。まんまるな教会の中心にある、まんまるな祭壇の、これまた中心で、イエス様が、四方八方から私たちを招いて下さっているように思います。


2006年度受聖餐者総会開催

 2月19日(日)、礼拝堂において受聖餐者総会が開催されました。午後1時、出席者56名、委任状68通、現在受聖餐者177名の過半数の出席を確認して、議長藤原健久司祭が総会の開催を告げました。聖歌213番を歌い、お祈りをもって始まった今年の総会は、一週間前に配布される総会要項冊子『教会のあゆみ』を全員がよく読んで臨むことで諸報告の時間を大幅に短縮された会になりました。T教会の教勢と活動の報告、U教会会計報告、V教会の課題と計画のうち年間行事計画と役割分担、W教会会計予算(案)、X宣教百年記念事業について(案)が挙手をもって承認されました。その後、各部門より報告(補足)等があり、聖歌290番を歌い、主の祈りをもって閉会しました。 (書記/辻法子・浦地愛)


ボーイスカウトも総会開催

 2月25日(土)午後6時30分より佐野屋にてボーイスカウト京都第24団の総会が行われました。
 議長の長谷川団委員長の進行の元、南育成会長のお祈りに始まり、各隊の報告、新体制の紹介、会計報告、予算決議を経て滞りなく閉会しました。
 総会後は恒例のすき焼き懇親会。おいしいお肉をいただき、楽しい会話に花を咲かせる素敵な時間を共有しました。


新教会委員の抱負とひとこと

前号に引き続き、今年一年、教会委員をお願いします委員さんに今年の抱負、その他ひとことをお願いしています。


書記担当・会計担当

デボラ 辻 法子

教会委員を仰せつかって

 悠々快適?を狙って仕事を退職したのですが・・・。まだ、快適な状態が作り出せずに居るままに、相変わらず泥縄式の毎日。そこへ教会委員を仰せつかって、サボることならんと一括食らったような気がします。一からのつもりで、皆さんの後ろをチョコチョコと落ちたものを拾っていける様な働きができればいいなと思っております。
 私自身の「針の穴計画」も必要な気がする今日ですが、教会委員を鍛えるのは皆様。どれもこれも主の御心。どうかよろしくお願いいたします。


礼拝(宣教)担当
芦生キャンプ場管理
GFS連絡担当

ダビデ 佐々木 亨

 一年の休息後、またまた選ばれてしまいました。今年は特に芦生担当のチーフとして芦(足)繁く芦生に足を運ぼうと思います。今年はもう3回も行ってきました。
 キャンプ場を購入してから一番豪雪の年です。すごいですよ。芦生は、もう数十年通っていますが、行くたびに新しい魅力を発見している今日この頃です。できれば野外礼拝を芦生でやってみたいなと思っています。今年もよろしくお願いします。


会計担当
芦生キャンプ場管理
ボーイスカウト連絡担当

クレネ人のシモン 南 寛

 昨年に続いて二度目の会計担当です。昨年は、生来大雑把な性格のため、事務的なミスを繰り返し、会計監査の方には大変ご迷惑をおかけしました。
 今年、再び会計をせよというのは、「正確な事務」はいうまでもなく、「教会運営はどうあるべきかという崇高な論議と、お金という現実の狭間をを考えなさい」という、神様の御心かと思います。
 今年の予算を例に話しますと、予算総額は昨年と比べて大きな変化はありませんが、決算収入は昨年250万円の大口献金がありましたので、今年はバザーで頑張り支出を節約しても、昨年の収入ベースでは、約140万円不足します。不足の一番の原因は、教区献金の未収にあります。教区献金は、教区運営のために受聖餐者一人当たり年間18千円を教区に収めなければなりませんので、昨年は不足分約82万円を経常会計から繰出さざるを得ませんでした。今年も教区献金が不足しますと、将来のための礼拝堂とオルガンの積立ができないほか、前年までの資産を食い潰す結果となります。皆様のご理解とご協力をお願いします。


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