月報「コイノニア」
2006年3月号 No.271


十字架が心に残る

〜「ジーザス・クライスト・スーパー・スター」
            1973年、アメリカ映画〜

司祭 ミカエル 藤原健久

お前を見るたび、いつも思う。なぜこんなに混乱させた。もっとうまくやれたはずだ。
    (イスカリオテのユダ)
神よ、私は知りたい。なぜ私は死ななければならないのか。
    (ジーザス)
どのようにこの人を愛すればいいのか、分からない。
    (マグダラのマリア)

 このたび、私のたっての願いを聞いてくださり、青年会で映画会を企画してくださることになりました。私は高校で、「映画研究同好会」に属し、8ミリ映画(ビデオじゃありません)を作っていました。その頃は、映画好きの仲間の影響もあって、様々な映画を見たものでした。今回、映画を通して、キリスト教を学ぶことを目的に、いくつかの作品をご紹介したいと思います。
 第1回目は「ジーザス・クライスト・スーパー・スター」です。舞台で大ヒットしたロック・オペラの映画化です。映画は、荒涼としたイスラエルの荒野から始まります。彼方から土煙を上げて1台のバスがやってきます。バスが止まると、中から大勢の若者たちが降りてきます。バスの屋根から下ろされるのは様々な衣装と小道具です。彼らは、これから衣装を身に着けて、イエスの生涯のドラマを演じようとしているのです。この映画は、若者によって、若者の視点で、イエス様の生涯を再解釈しようとしたものです。イエス様が何を考え、思い、語ったかを、自分たちの言葉で再現しようとしています。
 物語は、イエス様の地上での生涯の最後の1週間を描いています。数々の奇跡と愛の教えによって、ジーザス・クライスト(「イエス・キリスト」の英語読みです)は当時の「スーパースター」になっていました。多くの弟子、歓迎する群衆。けれども、スターになればなるほど、ジーザスが本当に伝えたいことと、人々との期待との間のずれが大きくなります。人々の誤解に苦しむジーザス。その苦しみを共にする者がいます。それはイスカリオテのユダとマグダラのマリアです。ユダは「やり方を変えないと身の破滅を招くぞ」とジーザスを怒鳴りつけることで、マリアは疲れ果てているジーザスを優しく慰めることで、彼への愛を示そうとするのですが、その愛さえも、ジーザスの思いからはずれているのです。十字架の前夜、神に問いかけるジーザスの姿は、痛々しくも感動的です。「なぜ死ななければならないのか」と必死になって神に問いかけます。この映画は現代の若者が日常味わう苦しみと矛盾の意味を、ジーザスを通して神に問いかけます。
 この映画は、イエス様を自分たちに引き寄せて、現代の若者の一人として描いています。けれども、どれだけ現代的に解釈しても、解釈しきれないのが十字架です。映画の最後で、若者たちは何ともいえない表情で十字架を見つめます。十字架は若者たちの心に残り、彼らはこれからの生活で、十字架の意味を問い続けるのです。
 この作品を見直してみて、私は今回初めて「あれっ」と気づいたことがあります。復活のイエス様らしい人影が映っているのです。この映画は十字架で終わるのではなく、復活の意味をも問いかけていたのでした。どこに復活のイエス様がおられるかは、見てのお楽しみ。

(4月9日(日)午後1時半より、幼稚園ホールで上映します。参加費無料。)


新教会委員の抱負とひとこと

今号も、引き続き、教会委員をお願いします委員さんに今年の抱負、その他ひとことをお願いしています。


礼拝(宣教)担当

モーセ 続木 創

 教会委員でなくてもやっぱり今一番心配なのは、このマリア教会が10年後20年後に衰退せずに元気な教会としてあり続けることができるかどうかということですよね。
 この議論をするとすぐに子供達を大切にしようとか学生達がもっと来るようにとか、そういう話になるんだけれど、最近思うのは子供達や青年をうんぬんする前に、もっと教会に「きちっとしたオトナ」が来てくれるようにならないとだめなんじゃないかということです。「きちっとしたオトナ」が増えれば教会の安泰度はぐっと増すのではないかって、子供達も青年達ももっとマリア教会に来てくれるようになるんじゃないかって、そんな気がします。
 「きちっとしたオトナ」というのはビミョーな表現ですが、「一人前の見識と行動力と経済力を備えた成人」というぐらいのことになると思うんだけど。(ムムム、僕が一番アブナイかもしれない・・・)
 世の中の「きちっとしたオトナ」たちが魅力を感じて足を運びたくなるような教会とはどんな教会なのでしょう。また、そういう人たちをターゲットにした伝道とはどんな伝道なのでしょう。一度こんな議論もしてみませんか?


会計担当・婦人会連絡担当
教区日曜学校賛助会

リベカ 続木泰子

 「会計」を担当するよう、仰せつかりました。こころ強い方々とご一緒で、また、より良いものにしてゆける事と思います。
「日曜学校賛助会」の緑色の袋は、わたくしがお預かりして、教区事務所に届けます。今年も多くの方々のご協力を、お願いいたします。
 なにぶん拙い働きですが、どうかお許しいただきください。


広報担当
ジュニアチャーチ連絡担当

ペテロ 吉村 伸

広報担当ということで、コイノニアの編集、HPの更新と毎月泥縄の作業ばかりをしている自分に反省しきりです。、今年はもっと全体を見回して、必要な情報が必要な人に伝わるような仕事をしたいと思っております。
 コイノニアは藤原司祭の発案で新しい巻頭言シリーズが始まりました。身近な映画の話題で親しみやすく、楽しい中にも考えさせられる素敵なものになるようです。それに伴い、中面も充実したものにしたいと思っております。
 ホームページも、一九九六年開設当時、日本国内の教会のHPの草分けとして大変注目されたのですが、その当時のままのデザイン、文章になっています。そのあたりも、少々手を加えて、伝統の歴史を残しながらも今に合った形にうまく変えていきたいと思っております。
 ジュニアチャーチは、高校生を中心に、新しい形に生まれ変わろうとしています。日曜学校で大切に育った新中学一年生もうまく根付くよう工夫していきたいと思います。まずは礼拝にご一緒ください。


書記担当・広報担当
日曜学校・幼稚園連絡担当

マーガレット 浦地 愛

 教会委員会の中で書記・広報・日曜学校との連絡を担当させて頂いてから、二年が過ぎました。教会委員会の議事録やコイノニアの【各部報告】等に追われながら、アッという間に一ヶ月が過ぎ、「アレヨあれよ」と一年が過ぎ・・・。
教会委員として何をして来て、この一年(既に4分の1は終わりましたが。)何が出来るのかは「ん?」と言った感じです。が、とりあえずは三年間教会委員会出席皆勤!を目指して、頑張りたいと思います。『出席する事に意義がある・・・!?』


礼拝(宣教)担当
青年会連絡担当

ヨセフ 前田 潤

 三月の教会委員会で、今年のバザー委員長に僕が仰せつかる事が決まり、少しドキドキです。
 ともあれ、決まってしまったからには無事に終えられるように、迷惑をかけないように頑張ります。
 今年のバザーの日程・内容等はまだ決まっていません。何をするにしても僕一人では前に事が進みません。どうしても皆さまのご協力が必要となります。その時には教会のためにも是非お力を貸して下さい。よろしくお願いします。


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