2006年8月号 No.276
司祭 ミカエル 藤原健久
「精神医学で信仰の悩みは解決しない。職業や生き方の悩み…私には無理だ…信仰さえ消えた。」
残暑お見舞い申し上げます。納涼・恐怖映画です。この映画の特徴は、優れた現実性・リアリティーです。少女にとりついた悪魔と、悪魔払い=『エクソシスト』の戦いという、荒唐無稽な話を、実にリアルに描いています。一つ一つの出来事に対して、現代人が納得できる解釈を含ませています。たとえば、少女の悪魔憑きは、両親の別居という不安からの心理的な異常だとか、悪魔との戦いに負けた老神父の死は、持病の心臓病の発作だとか。どこにでもありそうな平凡な出来事の中に、実は悪魔が潜んでいるかも知れないと言う恐怖感が、じわりと心に迫ってきます。(その点2000年の再編集版は、ショッキングな描写が増え、リアリティーが減りました。)この映画で最もリアルな描写は、世俗化と個人主義化です。主人公は、精神医学を学んだ優秀な神父です。現代では、「癒しの祈り」の代わりに精神医学の方が、人々の「救い」に有効と、教会が判断し彼を大学に派遣したのでした。けれども医学では解決できない悩みの相談に、神父は限界を感じます。また神父の母親は、下町の汚れたアパートに独りで生活しています。支えてくれる人のいない生活の中で、最後には孤独死を迎えます。神父は母親に何もできなかった思いを、深い罪悪感として抱えています。世俗化の象徴は酒とたばこのようです。同僚の神父は信徒のパーティーに出かけ、冗談を飛ばし、酒とたばこを楽しみます。また個人主義化の象徴は、家と部屋のドアで表現されます。イエス様は大勢の群衆の中で病人を癒されました。現代では、大きな家の、小さな一室のドアの向こうに悪魔がいて、神父は独りで立ち向かいます。そしてそのことを周りの人は何も知らないのです。
〜2006キャンプ・行事写真集
7/23(日)〜24(月)復活学園北小松キャンプ場
8/12(土)〜14(月)聖マリア教会芦生キャンプサイト
7/27(木)〜29(土)復活学園北小松キャンプ場
「ダム湖・コード〜日吉の自然を守れ〜」 7/28(金)〜30(日)日吉山の家
「むしめがね」 8/13(日)〜15(火)大原学舎
「ビーバーパン対フツトい船長」 8/26(土)〜27(日)加茂青少年山の家
8/2(水)〜8(火)石川県珠洲市りふれっしゅ村
聖公会の野外礼拝も行われました。
8/4(金)〜6(日)北海道・ニセコいこいの村
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