月報「コイノニア」
2008年1月号 No.293


神の国の先取り

司祭 ミカエル 藤原健久

神の国は、飲み食いではなく、聖霊によって与えられる義と平和と喜びなのです。 
    (ローマ14・17)
はっきり言っておく。子どものように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない。
                 (マルコ10・15)

 橋本基督教会の聖堂入り口に、質素な額に飾られた、達筆の文書が掲げられています。永年牧会された佐伯博厚司祭のお連れ合いで、元婦人伝道師の佐伯末子先生の筆です。内容は次のようなものです。「聖堂に於いての心得  一、玄関にて着物の塵を払ひ外套帽子を脱ぐ事  二、入堂するとき祭壇の十字架を仰ぎ胸に十字を切り諸々の悪念を潔めて神前に近づく事  三、動作は静粛を旨とする事  四、定刻より十分前に来て準備の祈りをする事  五、信者は前に席を占める事  六、祈祷書にとらはれず司祭の祈りを聴き祭壇に目を注ぐ事  七、入退又は横切る時正面ノ御聖体に対して跪拝する事  八、聖堂はミサ聖祭を献げて神を拝する所です  九、聖堂内では雑談せぬ事」これらの九箇条が、古い字体の漢字で書かれています。
 背筋がしゃんと伸びるような文書です。信徒の方に聴くと、佐伯司祭は大変厳しく、皆さんよく叱られたのだそうです。けれどもそれだけに、信徒の方々は、皆さん「ツワモノ」といった感じの、しっかりと信仰を守ってらっしゃる方ばかりでした。私が初めて橋本で主日を迎えたとき、礼拝前の鐘の回数や、チャンセルのどちら側に座るのかも分からないので、教会に来た信徒の方に伺おうを思って待っていました。聖堂の入り口が「ガラガラ」と開く音が聞こえました。急いで礼拝堂に行ってみると。信徒の方は既に席で跪いて、熱心に黙祷されていました。気楽に話しかけられるような雰囲気ではありません。一旦引き返しました。また戸が開いたので、行ってみると、同じようにお祈りされています。今度は礼拝堂の中で待っていました。すると、信徒の方は、聖堂に足を踏み入れると、祭壇を見つめ、胸に十字を切り、軽く片足で跪き、ササッと席に着き、跪いて黙祷されました。雑談する方は一人もおられません。結局、誰にも話しかけられず礼拝を始めました。
 聖堂に対する、この厳粛さは、「神様がここにおられる」という信仰を強く表したものなのでしょう。つまりは、聖堂を「神の国の先取り」と捉えているのです。聖堂の雰囲気は、時代によって少しずつ変わってきます。それは、単に人の気質が緩やかになっただけでなく、「神の国」の捉え方が変化してきているのだと思います。「裁き主」としてのイエス様が臨在される場か、幼子たちがイエス様に抱かれる場か、苦しんできた者の涙が、イエス様の御手で直接ぬぐわれる場か。
 私が今まで訪れた礼拝堂でも、様々な姿を見ることができました。あるプロテスタントの教会では、座席の前に長机が置かれていました。信徒の方はこの上に聖書とノートを広げ、牧師さんの説教を、メモを取りながら熱心に聞くのだそうです。これは、弟子たちがイエス様を囲んで熱心に神様の教えを聞いた、そのことを表現しているのでしょう。また、東方正教会の礼拝堂の内部は、屋根がドーム状になり、金箔で鮮やかに飾られ、ローソクに照らされたイエス様や聖人たちのイコンに囲まれていました。これは、黙示録にあるように、信者が直接神様に触れあえる終末の世界を表現しているのでしょう。
 さて、私たちの教会の聖堂は、どのような「神の国」を表現しようとしているのでしょうか。私たち一人一人、イエス様の「神の国は近づいた」とのみ言葉を深く心に植え、私たちの聖堂のビジョンを描きたいと思います。


新教会委員の抱負とひとこと

 1月20日(日)聖餐式中に教会委員任命式が行われ、新教会委員12名が藤原司祭から任命書を受け取りました。
 この日午後から新旧合同委員会が行われ、各担当、連絡係の任務分担が次のように行われました。
 委員のみなさん、一年間よろしくお願いいたします。

教会委員任務分担 (◎は長、*は委員以外に委嘱する方)

書記=◎浦地愛、辻法子、菅原さと子、
会計=◎野本武、辻法子、小林格子、
礼拝(宣教)=◎佐々木亨、新實康男、野本武、續木創、*末松玲子、*前田潤、
(礼拝当番表担当=*前田潤)、
営繕、お掃除活性化担当、墓地、納骨堂=◎服部卓爾、野嶋久暉、*前田潤、*田中泰之、*邨田志津子*佐竹登、*幼稚園、
広報=◎吉村伸、菅原さと子、浦地愛、
シニア担当=◎福原正和、野嶋久暉、*立石昭三、
幼稚園委員会=◎新實康男、野本武、芦生キャンプ場=◎佐々木亨、*南寛、*久保田栄三、
渉外(信伝協)=◎野嶋久暉、福原正和、浦地愛

〈各グループ連絡担当〉
婦人会=小林格子、青年会=浦地愛、ジュニアチャーチ=吉村伸、
日曜学校=菅原さと子、幼稚園=菅原さと子、ボーイスカウト=吉村伸、
教区日曜学校賛助会=*續木泰子、教区神学生後援会=*立石昭三。
会計監査=*南寛、*三井順子


書記・広報・
渉外(信伝協)担当
青年会連絡担当

マーガレット 浦地愛

 書記…コムヅカシイ話に負けず、記録諸々が抜けないように、頑張ります!
 営繕…何かを発見したら、その時に頑張ります!
 広報…主に『コイノニア』の【各部報告】欄と原稿チェック。「まだ?」と言われるまでに頑張ります!
 渉外…主に月に一度の『信徒伝道協議会』の参加。忘れないように頑張ります!
 青年会報告…まず報告が出来るように・・・のところから頑張ります!
 この一年、頑張り過ぎずに頑張ります。どうぞ宜しくお願いいたします。


会計担当
婦人会連絡担当

マルタ 小林格子

 婦人会と会計の担当をさせていただきます。
 会員の高齢化と働き人の減少、若い人へのゆずりが問題になって久しい婦人会ですがそのあり方の方向が示される一年になればと願いつつ、委員会とのパイプ役をさせていただこうと思っております。
 また昨年 提案するだけで実行の伴わなかった教会の中での省エネのことも、皆さんとご一緒に意識をたかめて実践していけたらと考えています。
 会計をさせていただくことで、教会に来る回数が確実に増えました。お呼びくださった神様を思いながら、ご用をさせていただこうと思いますので どうぞよろしくお願いいたします。


礼拝(宣教)担当
芦生キャンプ場担当

ダビデ 佐々木亨

 礼拝・宣教と芦生キャンプ場担当です。昨年は「針の穴計画」についての話し合いを三回もち、いろんなことを語り合うことができ、本当に有意義な時間をもてたと感謝しています。「針の穴計画」はさておき、今年も色んなことを話し合い、教会員の交流・親睦を深めることができればと考えています。高齢化の進むなか、重たすぎる聖歌集のこと等々、忌憚なくご意見をお寄せください。
 また、昨年岩城昭夫氏のご尽力を得、サーヴァーのマニュアルも完成しました。感謝であります。サーヴァーやオルター、オーガニストも育てていかなければなりません。気持ちよく、自然に、神様を賛美し、お祈りを捧げることができるように努力したいと思います。
 皆様のご理解とご協力をお願いします。


書記・広報担当
日曜学校・幼稚園連絡担当

ルデア 菅原さと子

 今年度は、書記(三分の一)・営繕(幼稚園の教職員の皆の目で)・広報(吉村さんの助っ人)・そして各部担当として幼稚園と日曜学校の報告をさせて頂きます。
 毎日この教会に居て、お役に立てる部分も有れば、毎日居るから気がつかない所もあるかもしれません。しかし、ここで仕事に携わらせて頂いている事を感謝しながら、今年も微力を惜しまず何かのお役に立てるようにと思います。 みなさまのご指導、宜しくお願い致します。


書記・会計担当

デボラ 辻 法子

今年も書記と会計を努めることになりました。でも、留守がちになるのでさぼりの委員になるでしょう。会計は献金の処理があるので礼拝後は事務室に籠もります。ですので皆さんと一緒におうどんを頂きながらお喋りをすることがなかなかできず、少し寂しい思いもしております。どうか私でお役に立つことがあれば何でもおっしゃってください。神の思し召しによってご一緒に祈り、考え、動きたいと思っております。おつかいください。
今年もどうか宜しくお願いいたします。


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