月報「コイノニア」
2008年8月号 No.300


《シリーズ・色々な礼拝》
祝福のしるし

聖餐式での十字の切り方

司祭 ミカエル 藤原健久

しかし、このわたしには、わたしたちの主イエス・キリストの十字架のほかに、誇るものが決してあってはなりません。この十字架によって、世はわたしに対し、わたしは世に対してはりつけにされているのです。
                (ガラテヤ6・14)

 聖餐式の所作の一つに「十字を切る」というのがあります。今回は、十字の切り方について、まとめてみたいと思います。
 最初に明らかにしておきますが、聖公会においては、「決められた十字の切り方はない」ということを覚えておかなければなりません。祈祷書の中には「ここで十字を切る」とは何処にも記されていません。十字を切るとは、あくまで伝統的な慣習の一つであり、強制される義務ではありません。その所作が、自分の信仰生活を豊かにしてくれるものであるならば、自分の自由な意志で取り入れれば良く、そうでないならば、無理をする必要は決してありません。同様に、誰も誰かに自分のやり方を強制してはいけません。「十字を切る」という言葉自体が、慣例的な言葉なのですが、私は他にこの所作を、短く的確に言い表す言葉を知りませんので、今回はこの言葉を用います。
 以下に、私が堅信準備でいつも説明しているやり方を記します。
 まず、手の形は、+軽く手のひらを広げる、+人差し指、中指、親指の三本を合わせる、+人差し指と親指で十字の形にする、等があります。私は三番目のやり方でしています。動かし方は、額、お腹、左胸、右胸、真ん中の順です。上、下、左、右、中、となります。  十字を切る箇所を、聖餐式文に基づき、見てゆきます。
(一)最初は164頁『大栄光の歌』の最後、「最も高く…」辺りです。(二)次は166頁、福音書朗読の唱和、「主に栄光がありますように」。ここでは、小さな十字を、額、口、胸と三カ所で切ります。(三)次は167頁『ニケヤ信経』の最後「来世の命を…」辺りです。ここと『大栄光の歌』は、長い祈りの最後に十字を切ることによって、祈りの内容を心に刻みつける、と言う意味があるそうです。(四)次は、171頁『懺悔』で司祭が赦しの言葉を宣言している部分。この時には、司祭も会衆に向かって十字を切っていますので、それに合わせて十字を切るか、自分で場所を決めて(たとえば「すべての罪を赦し」辺りで)十字を切ります。(五)次は、174頁『ほめたたえよ』の歌の辺り。イエス様がエルサレムに入場されたことを思い起こし、イエス様をお迎えする気持ちで十字を切れば良いのかな、と思います。(六)次は、175頁、パンとぶどう酒が聖別される箇所です。かぎかっこで囲まれたイエス様の言葉「…このように行いなさい。」の後に、司祭はパンとぶどう酒をそれぞれ高く掲げます。その時に、十字を切ります。この時大切なのは、パンとぶどう酒を「キリストの体と血」と思い、しっかりと見つめることです。(七)次は182頁、パンとぶどう酒を頂く『陪餐』の時です。司祭がパンとぶどう酒を配るとき、自分の一人か二人前になったら、十字を切り、心の準備をします。(八)最後に183頁、『祝福』の時です。この時も『懺悔』と同様、司祭も十字を切ります。それに合わせて十字を切るか、または自分で箇所を決めて(例えば「父と子と聖霊」の言葉に合わせて)十字を切ります。以上、八つの箇所で、計一二回、十字を切ります。これはあくまで一例に過ぎません。もっと多く十字を切る人もいます。もっと少ない人もいます。自分に合ったやり方で十字を切ればいいと思います。
 司祭はもちろん、信徒よりも多くの箇所で十字を切ります。私は司祭になって、一番最初に嬉しかったことは、十字を切ることでした。私にとっては十字を切ることは、誰かを祝福することを意味します。「神様があなたと共にいてくださるよ」と言う思いを、十字の形に乗せてお伝えしているのです。ロシアでは、信徒同士で十字を切り合う事もあるのだそうです。余り軽々しくするものではないのかも知れませんが、神様の祝福を誰かと分かち合うのは、私にとってこの上ない喜びなのです。


マリアの夏〜2008キャンプ・行事報告特集

日曜学校キャンプ

○7月20日(日)21日(月・祝)、復活学園北小松キャンプ場にて。

 とても良いお天気の中、北小松キャンプ場にて小学生34名、中学生2名、大人31名が一泊二日を過ごしました。20日には野外礼拝として18名の方々と共に子ども達も聖餐式に与り、また『My箸』を作るなど楽しいプログラムもありました。
(キャンプ長 藤原健久)


ジュニアチャーチキャンプ

○8月8日(金)〜10日(月)、当教会および芦生キャンプサイトにて。

 今年の参加申し込みは残念ながら、わずか2名。それでも楽しく!と準備をしてきたのですが、直前に二人のうち一名が骨折のため予定していた芦生へ行けなくなりました。そこで相談した結果、二泊のうち一泊を教会ですることに急遽決まりました。教会ならと参加できるメンバーも出てきて、結果、一泊目は参加者5名、スタッフ8名と賑やかになり、礼拝堂でテゼの祈りをし、 みんなで夕食を作り、お風呂屋さんにでかけ二階集会室で寝ました。翌日朝から芦生へ出発!思い出に残るキャンプになりました。        (スタッフ 吉村伸)


24団ビーバー隊ファミリーキャンプ
「ビーバー・ボール」

○7月19日(土)〜20日(日)、友愛の丘にて。

 スカウトたちは自分達の願いごとを叶える為、ビーバー仙人と一緒にビーバー・ボールを探す旅に出ました…。色んな敵と戦い七つのビーバー・ボールを集めたスカウトたちは見事願いごとを叶える事ができました。猛暑の中スカウト達は元気いっぱいにキャンプを楽しみました。
(隊長 鈴鹿克武)


京都教区小学生キャンプ

○7月31日(木)〜8月2日(日)、復活学園北小松キャンプ場にて。

 日本聖公会京都教区主催の小学生キャンプには当教会から吉川愛永(小五)、松本優平(小三)が参加しました。参加者それぞれの手形を施したイカダをつくり、琵琶湖に浮かべました。その後それを解体して、自分の手形の部分を参加記念として、みんなのサインをもらって持ち帰りました。 


第10回日本アグーナリー
       「We can ! あなたといれば・・・」

○7月31日(木)〜8月2日(日)、神戸市「しあわせの村」にて。

 キャンプ生活を通じ希望と勇気を持って積極的に社会生活に溶け込めるように、国内外から千人を超える障がいのあるスカウトと支援スカウトが集いました。24団からは吉村和馬、渋谷侑亮、上仲邦明、二之部弥生の4名が参加し、助け合えば何でも出来る「We can !」を実体験し、他の人を思いやる心をよりいっそう深めたのではないかと思います。吉村和馬君は、秋篠宮殿下・同妃殿下・眞子内親王さまと懇談会に参加しました。   (派遣隊長 津田繁)


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