月報「コイノニア」
2009年1月号 No.305


近頃の小さな楽しみ。

司祭 ミカエル 藤原健久

「創業ノ難ヲ拝シ堅忍能ク日本聖公會ノ基ヲ奠ム嗚呼我ガ老監督ウィリアムス美哉日本在任五十年道ヲ傳ヘテ己ヲ傳ヘズ一朝飄然トシテ去リ老骨ヲ故山ニ埋ム温容彷髴追憶日ニ新ナリモノアリ茲ニ碑ヲ建テ日夕愛慕ノ意ヲ表ス
      昭和五年十一月一日  日本聖公會 有志者」

 私も年齢が四十歳になり、老眼にもなりつつあり、徐々に体の変化が感じられるようになってきました。運動不足は恒常的で体力はありません。何とかしなければと、常々思っておりました。昨年の諸聖徒日の前日、若王子の墓参の帰り際、「ん?」と思いつきました。そして後日実験してみますと、思った通りでした。教会から若王子墓地までは、徒歩で往復丁度一時間ほどの距離だったのです。これは散歩に最適です。その上、「お墓参り」のお祈りも兼ねられます。それ以来私は、出来るだけ週に一度のペースで若王子に歩いて行くようにしています。
 教会から山の麓の神社まで約十五分、そこから山を登っていきます。とたんに体が熱くなり、息が切れてきます。どんなに寒い日でも登っているうちに、上着を脱ぎ、セーターを脱ぎ、軽装になってゆきます。ハァハァと息をつきながら歩いてゆくと、十数分でお墓が見えてきます。多くの墓石は十字架が刻まれているか、それとも十字架の形をしています。「何々家之墓」という表書きだけでなく、聖句や「愛」等の文字が表に刻まれているものも多くあります。しばらく行くと左手に「聖マリア教會用地」の横に「新教初代宣教師ウィリアムス監督追慕碑」と矢印が刻まれた石版が立っています。そこを入ると、マリア教会縁の方々のお墓がある一角になります。二十前後のお墓の中程に、まず速水家のお墓が立っています。自然石と切り出された墓石が並ぶ、立派なお墓です。その奥に、エディス・サウターさんとエリサベス・サウターさんのお墓があります。かたや自然石、かたや十字架の形に切り出されたお墓です。その手前に竹中茂恒先生、千代先生のお墓があります。千代先生は長年聖マリア幼稚園の先生をされた方です。茂恒先生は千代先生のお父様で平安女学院の先生をされていました。このお墓が最も新しく、今から十数年前、千代先生の教え子達を中心とした方々によって建立されました。管理費も有志の方によって賄われています。速水家以外の三つのお墓は、現在、聖マリア教会が管理しています。これら四つのお墓に丁度囲まれるようにして、ウィリアムス主教の碑があります。立派な碑です。同じものが、米国にも建てられているのだそうです。冒頭に記した文章は、その碑に刻まれているものです。古いものなので、その意味が完全に分かるわけではないのですが、主教さんの熱意に満ちた宣教の生涯と、それを慕う人々の熱い思いを感じます。
 それぞれの墓石の前で黙祷し、最後に祈祷書の一三二頁以下の「逝去者のため」の祈りを、三つ唱えます。その後、時間と体力に余裕があれば、他のお墓を巡り、知っている聖公会関係者のお墓があれば、黙祷します。ローマ・カトリックの方と思われるお墓や、ロシア正教会の方のお墓もあります。最後に、同志社共葬墓地を訪れ、創立者、新島先生のお墓の前で黙祷し、下山します。
 毎年、ウィリアムス神学館の神学生、スタッフの皆さんが、年に二回、お掃除に来てくださいます。以前一度ご一緒したことがありますが、実に丁寧にお掃除してくださいます。感謝です。
 山の中は、空気がきれいで、木の葉を通した光は美しく、鳥の鳴き声は耳に心地よいです。登りと違い、下りの時には、それらを楽しむゆとりが出来ます。心がすっかりリフレッシュされます。
 若王子墓地の「聖マリア教会用地」には、教会の所有地であることを示す石碑が建っているだけで、現在誰も埋葬されていません。けれども考えてみれば、私たちの教会は、日本で一番、若王子に近い教会です。偉大なる信仰の先人達が数多く記念されているこの墓地に、散歩がてらお祈りにいけるというのは、大変恵まれたことです。
 健康と共に、少しでも信仰が増していけばなぁ、と思いながら、これからも登っていきたいと思います。



新教会委員の抱負とひとこと

 1月18日(日)聖餐式中に教会委員任命式が行われ、新教会委員一二名が全員出席し、藤原司祭から任命書を受け取りました。
 この日午後から新旧合同委員会が行われ、各担当、連絡係の任務分担が次のように行われました。
 委員のみなさん、一年間よろしくお願いいたします。

教会委員任務分担 (◎は長、*は委員以外に委嘱する方)

書記=◎浦地愛、菅原さと子、*辻法子。
会計=◎南寛、福原正和、前田潤、*南明美。
礼拝(宣教)=◎續木創、野本武、末松玲子、前田潤(礼拝当番表担当)、*佐々木亨。
礼拝音楽委員=現在改組検討中。
営繕、お掃除活性化担当、墓地、納骨堂=◎田中泰之、三井哲次、小林格子、前田潤、*服部卓爾、*野嶋久暉、*佐竹登、*邨田志津子、幼稚園。
広報=◎吉村伸、菅原さと子、浦地愛。
シニア担当=◎福原正和、*野嶋久暉、*立石昭三。
幼稚園委員会=◎野本武、*新實康男。
芦生キャンプ場=◎南寛、*佐々木亨、*久保田栄三。
渉外(信伝協)=◎浦地愛、*野嶋久暉。
〈各グループ連絡担当〉
婦人会=小林格子、
青年会=前田潤、
ジュニアチャーチ=吉村伸、
日曜学校=浦地愛、
幼稚園=菅原さと子、
ボーイスカウト=南寛、
教区日曜学校賛助会=*續木泰子、
教区神学生後援会=*立石昭三。
会計監査=*佐々木亨、*三井順子


書記・広報・
渉外(信伝協)担当
青年会連絡担当

マーガレット 浦地愛

 小さい頃から『教会委員は「オジサン」「オバサン」がなるもの』と思っていました。いつの間にやら、選ばれてもおかしくない年齢になっているのでしょうか。それとも、若モンだからこそ(?)教会委員に選ばれる時代に変わってきたのでしょうか。そんな事をフッと考えてしまう今日この頃・・・。今年は、書記・渉外(信伝協)・日曜学校を担当させていただきます。‘オバサン’では多少の抵抗を感じ、「若モン」では多少の遠慮を感じる今の私に出来る事を頑張り過ぎずに頑張ります。よろしくお願いいたします。


営繕・お掃除活性化・
墓地・納骨堂担当
婦人会連絡担当

マルタ 小林格子

 婦人会と営繕の担当をいたします。
 今年は婦人会の会長も兼任させていただきますので、教会を支える大きな力である婦人会のみなさんの声を、委員会に直接お伝えできればと願っています。行き届かないことの多い私に無事努められるか不安だらけで、み心にかなったお働きができるよう祈るばかりです。お力添えをどうぞよろしくお願いいたします。


礼拝(宣教)担当

セシリア 末松玲子

神様の猫の手、として

主の平和 2007年に「何もわかりませんが...」と、教会委員ニューフェイスとしてご挨拶させていただき、2008年は途中降板された大ベテランの穴埋めに、下半期を「猫の手」くらいしかお手伝いできないまま過ごさせていただきました。
 さて2009年、相変わらずあまりよくわからないままの委員会参加ですが、「よくわからない」事を反対に強み、として真っ白な気持ちで少しは役立つ「猫の手」に成長して行きたい、と願っています。
すべては主の御心のままに...。
 一年間どうぞよろしくお願いいたします。


書記・広報担当
幼稚園連絡担当

ルデア 菅原さと子

感謝をもって

 今年度も重責を担う書記(二分の一)・また広報(吉村さんの助っ人)・そして各部担当として幼稚園の報告をさせて頂きます。
 今年は、幼稚園の者にとって、教会の存在をさらに意識しなければ成らない年なのではないかと思います。教会の存在が有って、幼稚園の今が在るという事を。一〇〇年前に思いを馳せながら、今ここに在る自分を感謝しながら、教会信徒の一員として、微力ながら働かせて頂けますように、みなさまのご指導、ご協力を宜しくお願い致します。


営繕・お掃除活性化・
墓地・納骨堂担当

イサク 田中泰之

 営繕を担当することになりました。宜しくお願いいたします。これは大変な部署だなと思いました。教会、幼稚園、及び、外回りのほか、若王子墓地までの、管理、維持のお仕事です。今まで通り、服部さんのご協力、指導がなければ何もできません。また教会員、幼稚園、ボーイスカウト等関係者と共にご指導賜り、この部署が円滑に回転し、教会運営に携わって行けたらと、思っております。明日からまず掃除当番表に、多くの信徒様のお名前のご記入がありますように期待しております。土曜日に限らず、時間の有る時に御奉仕下されば結構です。一時の除草作業も大歓迎です。一年間よろしくお願いいたします。


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